東京都心のベッドタウンとして開発が進む市街地と、豊かな自然が残されアウトドアスポットとして人気の郊外エリアがある埼玉県。
2018年(平成30年)5月1日時点の人口は730万人を超えていて、人口密度は全国で4番目に高いと結果が出ている埼玉県ですが、こちらも他の自治体同様に空き家問題を抱えていることを知っていますか?
今回は、埼玉県が行っている空き家問題への取り組みや対策をご紹介します。
埼玉県の空き家の現状と今後の予測
はじめに、埼玉県の空き家の現状と今後の予測について、県による統計からみていきましょう。
埼玉県がまとめたデータによると、1998年(平成10年)時点の県内の空き家率は9.9%でした。
それが15年後の2013年(平成25年)には10.9%まで上昇しています。
割合としては約1%の増加で、「なんだ、たった1%なんだ」と思う人もいるかもしれません。
しかし、空き家数としては26万戸から35万戸と9万戸も増加していて、1年間で約6,000戸、1ヶ月で約500戸も増えている計算なんですよ!
9万戸と言われると数字が大きすぎてピンと来ないかもしれませんが、こうして徐々に数字を砕いてみると、どれだれ早いスピードで増えているか分かるでしょう。
埼玉県の空き家数は、国土交通省が5年に1回行う住宅・土地統計調査を基に出しています。
先ほど挙げた埼玉県のデータには、過去の住宅総数と空き家数の推移だけでなく、これからの住宅総数と空き家数の推移予測も掲載されています。
それによると、2018年(平成30年)の空き家率は13.0%・空き家数は45万戸ですが、15年後の2033年にはなんと空き家率が21.5%、空き家数も84万戸にまで跳ね上がるとよそくされています。
それによると、2018年(平成30年)の空き家率は13.0%・空き家数は45万戸ですが、15年後の2033年にはなんと空き家率が21.5%、空き家数も84万戸にまで跳ね上がるとよそくされています。
埼玉県の空き家対策をご紹介!
ここからは、現在埼玉県が取り組む空き家対策についてご紹介していきましょう。
空き家対策連絡会議の開催
埼玉県では、2014年度(平成26年度)から県内の自治体を主体とした空き家対策連絡会議を開催しています。
年に2回開催されるこの会議では、各自治体が抱える空き家の現状と課題・それに対する取り組みと成果・今後の計画の発表と意見交換などが行われています。
各自治体だけでは解決することが難しい問題についても、他の自治体の意見や取り組みを聞くことで、より幅広い視野を持って問題解決にあたることができるのです。
令和2年度の空き家対策連絡会議は、第13回が令和2年度7月に、第14回が令和3年度1月に開催されていますので、これらの内容についても簡潔にご紹介しておきましょう。
まずは第13回空き家対策連絡会議で報告された、埼玉県の空き家対策についての状況をご紹介します。
これによると、埼玉県の空き家対策は現存する空き家の除去および流通・活用、また将来の空き家の予防という3つの柱を中心に実施されています。
このうち、空き家発生の予防策としては、令和元年にスタートした「相続おしかけ講座」の開催があります。
こちらの講座では、司法書士や行政書士が講師として、高齢者サロンや自治会の集会などに出向き、遺言や任意後見、家族信託などの相続対策への意識を啓発する講演や相談会を実施しました。
令和3年度3月までに127件を開催し、3,700人の参加を得られています。
その他の予防策として、固定資産税の納税通知や死亡届の手続き案内などの機会を活用して、登記や空き家管理、空き家バンク、売却・賃貸などの活用方法や相談窓口についての周知・啓発をおこなう自治体が増加しつつあることも報告されています。
空き家の流通・活用に向けた取り組みとしては、県の住宅課が中心となり、市区町村に対する空き家バンクの設置促進・支援や、安心中古住宅登録制度の拡充、多子世帯向け中古住宅取得・リフォーム補助、「マイホーム借上げ制度」の普及促進などが実施されています。
また、空き家の除去に関する取り組みについて、市区町村の特定空き家への指導、代執行の実施状況の統計がまとめられているほか、国に対して空き家除去後の空き地の固定資産税が急増しない税制措置についての要望が提出されています。
一方、第14回空き家対策連絡会議で報告された埼玉県および各自治体の具体的な取り組み内容としては、老朽化した空き家を除去した土地の固定資産税の減免する深谷市の取り組みや、富士見市の空き家除去補助金制度などがあります。
市町村行政職員向け空き家対策のマニュアルの作成
空き家問題の解決には、自治体が積極的に行うことがカギとなります。
しかし、行政職員の多くは不動産や空き家に関する知識が浅く「対策しようにも、何をどうしたら良いのか分からない」というケースも少なくありません。
元々不動産業界に携わっていた人ならともかく、そうではない人が「空き家対策してください!」と言われても取り組むのは難しいですよね。
そんな職員のために、埼玉県は「こんな時にはこうしてください」と示したマニュアルを作成しているのです!
マニュアルは、総合的な空き家対策の推進・空き家化予防・特定空き家への措置と実施・中古住宅の流通と空き家の活用の項目があり、各自治体はこれに沿って対策を行っています。
空き家管理サービス事業者登録制度の制定
空き家所有者の中には、「自分で家の管理を行うことが難しくて、仕方なく放置している」という人もいます。
そんな人をサポートするために増えているのが、空き家管理の代行です。
不動産に詳しい事業者に管理を委託することで、少ない負担で適切に建物を維持できるので、「ぜひ利用したい!」と希望する人も増えています。
埼玉県では、そうしたニーズに応えるため、県内で空き家管理を行う事業者が登録できる制度を整えました。
登録された事業者の情報は、埼玉県が認めた不動産団体のサイトで検索することができるので、「うちの空き家も管理をお願いしたいな」と考えている人におすすめです!
建物所有者向けの小冊子の作成
マイホーム所有者や将来実家を相続する可能性がある人にとって、「もしこの家に住まなくなったらどうしたら良いんだろう?」というのは永遠の課題とも言えるでしょう。
そのまま残しておくのか、それとも賃貸や売買に出して誰かに住んでもらうのか、いっそ解体してしまうのか…どの方法を選ぶことが正解なのか悩んでしまいますよね。
埼玉県では、そんな悩める人向けに『住まなくなったらこうする!空き家管理・活用の道しるべ』という小冊子を作成しています。
この冊子には、空き家を残したまま管理する場合のポイント・賃貸や売却に出す場合と解体する場合のメリットとデメリットなどが書かれています。
また、相続時にトラブルとなりやすい登記のことや、空き家に関する補助制度の紹介なども書かれていますよ。
冊子は各自治体の空き家担当窓口と埼玉県建築安全課で配布している他、県のホームページからもダウンロードできますので、1冊手元に置いて目を通してみると良いでしょう。
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