空き家問題は所有者の問題。
自治体が何とかしてくれる、そんな風に思っている人もいることでしょう。
空き家を持っていない人がそう思うのは無理もないかもしれません。
ですが、空き家問題はもはや所有者や自治体の問題を超えて、日本全体の問題となっています。
空き家問題において部外者はもういないのです。
今回は空き家問題について個人でもできることについて考えてみました。
01個人ができる空き家への取り組み
そもそも家を持っていないし、空き家問題は自分に関係がない。だから興味がない、と思っている人も多いことでしょう。
ですが、空き家問題はもはや日本全体の問題。空き家が放置される経済的損失は大きなものです。
とはいえ、個人ができる空き家への取り組みは多くありません。
ここでは、空き家を持っていない人でもできる空き家問題への取り組みを考えていきます。
基本的に人手不足
空き家問題に取り組んでいる人たちの正確な人数はわかりません。ただ、人手が足りていないのははっきりしています。
例えば自治体でも「空き家対策課」といった専門部署を置いているところは多くありません。
多くは総務課や税務課の担当者が兼任しています。
いろいろな施策をしている自治体でも人手不足、ましてや民間でなかなか人手が集まらないのが現状です。
ボランティアができれば越したことはないが
民間では空き家対策はボランティアによって支えられています。最近は営利団体や不動産業者も参入するようになったものの、その数はまだ多くありません。
ただ、「みんなでボランティアをして空き家問題に取り組みましょう」で済ませるのも酷な話です。
もちろんNPO団体などに所属して活動できれば素晴らしいことですが、誰もができることではありません。
空き家を利用する
そこで提案したいのが空き家の利用です。空き家を借りて運営するのは難しくても、空き家を利用して作られたカフェを利用することはできます。
空き家をギャラリーにして催し物をしている団体もあります。
こうした取り組みを応援する意味でも空き家を利活用した施設の利用や、イベントに参加するだけでも空き家対策といえるでしょう。
02空き家の所有者がやるべきこと
次は空き家の所有者がやるべきことです。空き家を所有しているということは、義務が多い反面、自分で主体的に動けるともいえます。
そもそも空き家の所有者全員が適切に管理していれば空き家問題は起きないはず。
ここでは、空き家の所有者に求められている事柄についてみていきます。
適切な管理
空き家は適切に管理されていなければなりません。ここでいう管理とは、樹木が越境しないようにしたり、不審者が出入りしないようにしたりすることです。
とはいえ、適切に管理できていないから空き家問題が発生しているのも事実。
住んでいる場所の近所に空き家があればまだしも、遠方だとどうしても管理がしにくくなります。
言葉でいうよりも適切な管理は難しいのです。
責任の所在を明らかに
親の住んでいた家を相続した、親が施設に入ったので実家が空き家になった。こうした事情で空き家の管理をせざるをえないこともあります。
自分で望んだ状況でない場合、「自分は関係ない」「他の誰かが管理すればよい」と考えがちです。
ただ、空き家を管理する立場になった以上、きちんと責任は明確にしておきましょう。
もしはっきりと空き家の管理者が決まっていない場合には、関係者を集めて話し合いをしてでも決めておくべきです。
空き家問題は相続問題である
このように空き家問題の発端は望まない空き家の管理にあります。実は放置される空き家の多くは相続によって取得した物件が多いのです。
このため、空き家問題は相続問題でもあります。
2024年から相続登記が義務化されるのも、管理者や責任の所在を明らかにするためでもあるのです。
03個人向けの空き家対策
空き家は適切な管理が必要です。ただ、いきなり任せられても上手くできません。
もちろん、コストや手間もかかります。
現在では自治体を中心に空き家対策を助ける制度が整えられています。
こうした制度を活用すれば、大変な空き家の管理を少しでもやわらげることが可能です。
個人向けの空き家対策をみていきましょう。
自治体の空き家補助制度を利用
自治体は数多くの補助制度を用意しています。解体時に補助金が出る制度、空き家に住もうとすると補助金が出る制度などさまざまです。
今ではこうした補助金や助成制度をまとめたサイト(空き家みまわり隊)も出現しています。
内容や施策は自治体によりけりですが、自分のしたいことに合った補助があれば積極的に使いましょう。
空き家バンクを利用
空き家バンクとは、主に自治体が運営する空き家を仲介してくれる仕組みです。本来こうした仲介業務は不動産業者が行なっています。
ただし空き家の取引価格が低く、お金にならないため不動産業者が参入してこないのです。
この空き家バンクに登録しておけば、購入検討者の目に留まる可能性もあります。
空き家の処分
場所によっては、空き家は売却可能です。先ほどの空き家バンクを活用して空き家を売却する道もあります。
そして空き家の処分方法は売却だけではありません。
空き家の解体、そして場合によっては空き家の活用も考えられます。
空き家を空き家以外のものにすれば、それは空き家の処分といえます。
04まとめ
空き家問題は今や日本全体の問題です。ただ、どうしても空き家の所有者や自治体に任せきりになってしまいます。
所有者や自治体が空き家問題に取り組むのはもちろんですが、それ以外の人や組織も関心を向けたほうがよいでしょう。
そのほうが少しでも早く空き家問題が解決に近づきます。
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