近年、日本中の空き家問題が報道されています。
近隣との問題となり、維持のための負担も発生する空き家はなぜ売られないのでしょうか。
本記事では、所有者が空き家を売らない理由を解説します。
空き家を残しておくリスクと対策も説明するので、処分に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
01空き家を売らない理由
国土交通省の行った令和元年空き家所有者実態調査によると、空き家を売らずに残しておく理由は次のとおりとなっています。順位 | 回答 | 回答割合 |
---|---|---|
1 | 物置として必要 | 60.3% |
2 | 解体費用をかけたくない | 46.9% |
3 | さら地にしても使い道がない | 36.7% |
4 | 好きなときに利用や処分ができなくなる | 33.8% |
5 | 住宅の質の低さ(古い、狭いなど) | 33.2% |
6 | 将来、自分や親族が使うかもしれない | 33.1% |
7 | 取り壊すと固定資産税が高くなる | 25.6% |
8 | 特に困っていない | 24.7% |
引用元:国土交通省 令和元年空き家所有者実態調査
このほか、相続問題で親族ともめている、遠くにあるので管理できないなどの理由もあることが推察されます。
調査結果を次の3つに分類して解説します。
1.将来活用したい
2.多額の費用負担を避けたい
3.老朽化などで売却できない
1.将来活用したい
調査結果では、空き家を物置として利用していたり、将来自分や親族が使うかもしれないと考えたりする割合が高くなっています。とりあえず今は、特に困っていないのが理由でしょう。
空き家は親などから相続したケースも多く、心情的に処分がためらわれることもあると考えられます。
例えば、都市部に住んでいれば自宅を賃貸住宅として家賃収入を得ながら、将来は田舎へ移住をする可能性もないとはいえないため、自分の好きなときに利用や処分ができなくなるのは避けたいと考えるケースです。
2.多額の費用負担を避けたい
空き家を売却するには、費用をかけてリフォームを行ったり解体したりしなければならない場合があります。立地条件が良くすぐに売却や賃貸が可能な物件でなければ、多額の費用負担はためらわれるでしょう。
費用をかけて空き家を解体したとしても、売却できなければ固定資産税が高くなるデメリットがあります。
建物が建っていない空き地は宅地と判断されず、固定資産税が6倍になる場合があるからです。
遠隔地にあるため管理できない場合も含め、活用できない空き家に多額の費用をかけたくないと考えるケースです。
3.老朽化などで売却できない
所有者が空き家を売却したくても、条件面で売却できない場合があります。住宅の老朽化が進んでいたり耐震基準を満たしていなかったりして、売却物件とするためのリフォーム費用がかかりすぎる場合は売却が難しいでしょう。
また、建物に価値が無いからといって更地にして売却するのにも費用がかかります。
さらに、親族間で誰が空き家を相続するかもめている、または、はっきりさせたくないなどの理由で売却できないなどの理由も考えられます。

02空き家を売らないリスク
空き家を売らない理由はさまざまですが、放置しておくと次のようなリスクがあります。1.維持管理費がかかる
2.特定空き家で費用請求される
3.寄附できない
4.相続手続きが終了しない
1.維持管理費がかかる
空き家を適切に管理するには、費用と手間がかかります。日常的な草刈りや老朽箇所の修繕などが恒常的に発生するので、空き家を所有する期間が長ければ長いほど、維持管理費の負担が重くのしかかります。
2.特定空き家等で費用請求される
空き家が老朽化したり害虫が発生したりして周辺に迷惑をかける事態となると、問題を解決するための費用を請求されてしまう場合があります。空き家の所在する自治体から、管理不全空き家や特定空き家等に認定されてしまうと、固定資産税の減免を受けられないばかりか、行政が代わりに維持管理のための措置を行い、かかった費用が請求される可能性が高まります。
所有者が直接行わなかったとしても、費用だけ請求される事態は避けたいでしょう。
3.寄附できない
老朽化した建物が残っていると、自治体などへ寄与できない場合があります。建築物として価値が高かったり、建物として利用価値があったりする場合は、取り壊さずに寄附できる場合があります。
しかし、田舎で交通の便の悪い立地箇所で、建築物として価値が低い物件であれば、取り壊さないと寄附できません。
また、寄附を申し出たとしても、受けるかどうかは相手先の事情に左右されてしまうのがデメリットです。
4.相続手続きが終了しない
相続手続きは、亡くなった人が所有していた不動産だけではなく、すべての財産を対象に行われます。他に財産がある場合でも、空き家だけを相続放棄することができないのです。
このため、相続人全員の同意が取れず、空き家の相続登記ができないことも考えられます。
2024年4月からは相続登記が義務化されます。
相続登記のためには、関係者の合意と土地の境界確認などの作業が必要です。

03空き家をどうするか
深刻化する空き家問題に対応する方法には、次の3つがあります。1.管理サービスを利用する
2.買取業者に依頼する
3.流通サービスを利用する
1.管理サービスを利用する
空き家を売却したくない場合には、空き家管理業者に管理を依頼する方法があります。遠隔地に住んでいて日常的に空き家を管理できない場合は、日常的な管理業務を代行してくれるので便利です。
委託する業務内容は選べることが多いので、必要とするサービスを選択して依頼もできます。
2.買取業者に依頼する
空き家を売却したい場合は、買取業者に依頼するのも1つの方法です。空き家専門の買取業者は、専門知識と経験がありネットワークを有しているので、個人で探すよりも効率的に売却先が見つかる場合があります。
複数社への見積もりを取るなどして検討するとよいでしょう。
3.流通サービスを利用する
売却するなどして何とか空き家を処分したい場合には、空き家情報の流通サービスを利用する方法があります。流通情報には、自治体が行う空き家バンクや民間のサービスがあります。
空き家に関する制度や補助金に関する情報を持っていて相談にも乗ってくれるので、悩んでいる場合はまずは問い合わせしてみるのもよいでしょう。

04まとめ
空き家問題は、所有者の頭を悩ませる大きな問題です。処分に困りそのまま放置してしまうこともあるかもしれません。
また、空き家を売らない理由はさまざまなので、今後活用するつもりがあれば短期的に売らないでおく場合もあるでしょう。
しかし、空き家の維持管理には費用と手間が必要です。
最近は空き家に対する法規制が強化されてきています。
将来の利活用に不安があれば、自治体に相談したり、空き家に関するサービスを利用したりして情報を得ることをおすすめします。
ひとりで悩まず、まずは専門家に相談してはいかがでしょうか。
全国空き家管理ナビでは、空き家管理に関するご相談を受け付けている不動産管理会社を検索できます。
今空き家管理でお困りの方は、ぜひ全国空き家管理ナビを利用して、自分に合う専門業者を探して相談しましょう。
