空き家は放置していると、様々な問題が発生します。
雨漏りもその一つで、何も対策をしないと所有者本人やその家族だけでなく、空き家の周辺に住むご近所さんにも大きな迷惑をかけてしまう可能性だってあるんです!
これからの季節は、梅雨や真夏のゲリラ豪雨に台風など、雨が降りやすい日が増えるので、空き家がダメになってしまう前にきちんと対策や管理を行わなければいけません。
今回は、雨漏りが発生する理由と放置した場合に起きる問題、そして行うべき対策について紹介します。
空き家で雨漏りが発生する理由とは?
雨漏りといえば、屋根からポタポタと雨が落ちてくるイメージをする人も多いでしょう。
漫画やドラマだと、雨漏りに気づいた家族が慌てて洗面器やバケツなどを持って来て、床が濡れないようにするシーンが描かれることもありますよね。
もしかすると、実際にそんな体験をした人もいるかもしれません。
ただ、雨漏りは屋根から発生するだけでなく、窓枠の隙間やキッチンの換気扇・ベランダなどから雨水が浸入するケースもあるんです!
家は経年劣化が進むと、建物のあちこちに不具合が起きます。
経年劣化の例としては、屋根のひび割れ・瓦のずれ・コーキング剤のはがれなどがあり、これらは放っておくとそこから雨漏りが発生します。
(※コーキング剤…水回りのタイルや壁の隙間を埋めるために、ボンドのような役割を果たすもの)
経年劣化が起きるのは人が住んでいる家も同じですが、この場合は不具合に気づきやすいため、早めに修理をして対策を行うことができます。
一方、人が住んでいない空き家は不具合が起きても気づきにくく、不具合が起きてもすぐに対策できるとは限りません。
そうした対策の遅れが経年劣化のスピードを早めてしまい、空き家に雨漏りが発生するのです。
空き家の雨漏りが発生したらどんな問題が起きる?
空き家に雨漏りが発生することで起きやすい問題は、以下の例があります。
●カビの発生
雨水が家の中に浸入する=湿気がたまるため、カビが発生します。
雨漏りによる問題といえば、これを思い浮かべる人が多いかもしれませんね。
しかも、空き家は常に窓や扉が閉めっぱなしで換気が行われないため、余計カビが繁殖しやすいのです。
●基礎や柱が腐る
カビが繁殖して広がると、家を支えるための基礎や柱が腐ってしまいます。
特に、木造住宅は湿気に弱いため、風通しが不足している空き家は腐食のスピードも早まります。
コンクリート造の空き家でも、壁や屋根にひび割れがあればそこから雨水が浸入し、中の鉄筋や鉄骨が錆びてしまうんです。
基礎や柱が腐ってしまうと家を支える力が弱くなり、やがて空き家が倒壊してしまいます。
●漏電による火災が発生する恐れがある
空き家の中には、漏電時に電気の供給をストップするための漏電ブレーカーが設置されていないケースもあります。
また、設置されていても配線が損傷していて、漏電防止機能がきちんと働いていないこともあります。
そうすると、漏電が原因で火災が発生する恐れがあるんです!
もし火災が発生すると、所有している空き家だけでなく隣近所にも延焼する可能性だってありますよね。
最悪の場合は人命まで奪いかねません。
このように、空き家の雨漏りはカビが発生するだけでなく、自分以外の人も巻き込んでしまうような重大な問題を引き起こしてしまう可能性があるんです!
なお、空き家管理を怠ったことが原因で火災を発生させ、周辺に住む人や建物に何らかの被害を与えてしまうと、厳しい罰則を受けなくてはなりません。
空き家の雨漏り対策をご紹介!雨漏りの原因別対策とは?
大きな問題を引き起こす可能性がある空き家の雨漏りですが、それを予防するためには日頃から対策をきちんと行うことが大切です。
最後に、空き家の雨漏り対策についてご紹介しましょう。
まず、空き家の雨漏り対策をおこなうためには、まず雨漏りしている箇所を見つけ出すことが欠かせません。
実は、雨漏りしている箇所には痕跡が見られるため、比較的容易に見つけ出すことができます。
天井部分のシミ、壁紙の浮き、壁紙の剥がれなどは、雨漏りによる湿気が原因の可能性が高いため、その周辺を重点的に確認し、雨漏りの箇所を見つけましょう。
また、押し入れやクローゼットがカビ臭い場合にも、確認が必要です。
雨漏りの箇所をご自身で特定できない場合、業者に調査を依頼することも可能です。
雨漏りの箇所を特定したら、次は雨漏りの原因を特定し、具体的な修繕方法を考えていくことになります。
●屋根や構造の破損
空き家の雨漏りでは、家屋の老朽化による屋根部分の破損が雨漏りにつながることが少なくありません。
構造体の歪みにより生じた隙間も雨漏りの原因となります。
さらに、家屋に1つでも歪みが生じれば、これが引き金となって様々な箇所に歪みが生じ、雨漏りの箇所も同様に増えていくことにもなりかねません。
対策としては、破損部分だけでなく、防水シートなどそれに付随する部分の修繕もおこなわなくてはなりません。
空き家を建てた業者に相談し、点検してもらった上で、修繕が必要な部分や費用について記載した見積書を出してもらうことをおすすめします。
それまでの応急処置としては、破損個所を防水テープなどでふさいでおくとよいでしょう。
●建具の破損
窓など建具の破損も雨漏りの原因となります。
窓枠のコーキング材の劣化や、建物の歪みから建て付けが悪くなるなどの原因により生じた隙間から雨水が入り込んでしまうのです。
窓の開閉がスムーズにできない、球形のものを床に置くと、自然に動き出すなどの場合には、建具の歪みを疑いましょう。
このようなケースでは、建具の破損については建具屋、建物の歪みが原因であればリフォーム業者に修繕を依頼しましょう。
ちょっとした建具の破損や歪み程度であれば、ご自身でプラス・マイナスドライバーを使って調整することもできます。
業者に依頼するのであれば、サッシ修理でしたら1~3万円、建具の調整でしたら3~5千円程度が相場でしょう。
●害虫・害獣の侵入
空き家の雨漏りで考えなくてはならない原因の一つに、害虫・害獣の侵入があります。
ネズミやゴキブリにとって、無人で雨風や外的を防げる空き家はすみかとして最適なのです。
しかし、ネズミなどの害獣が暴れまわったり、排せつしたりすれば、家屋の劣化を早めますし、シロアリは木材を食い荒らすため、空き家の構造体を弱めます。
これにより、家屋が破損したり、ゆがみが生じたりしてできた隙間で雨漏りが起こることになるわけです。
害虫・害獣の侵入では、破損個所や歪みの修繕に加え、虫や動物が家屋に浸入したと思われる入り口をふさぐことが第一となりますが、シロアリなどのケースではより本格的な駆除が必要となります。
これに加えて、虫や動物の忌避剤を利用するなど、日頃から予防策を講じておくと安心です。
●ゲリラ豪雨
近年増加している、いわゆる「ゲリラ豪雨」も空き家の雨漏りの原因となり得ます。
これは、雨や風の勢いが極端に強い場合、通気口から雨水が吹き込んでしまったり、同時に発生した竜巻が家屋の一部を破壊してしまったりするケースがあるためです。
台風などは予め予測できますが、ゲリラ豪雨は事前に予測して対処することが困難です。
空き家のあるエリアでゲリラ豪雨があった場合には、できるだけ早く通気口およびその周辺のコーキングの状態を見回り、雨漏りの有無を確認しましょう。
通気口の交換を建築・リフォーム業者に依頼した場合の相場は、5千円程度です。
また、コーキングの補修のみの場合、300円程で購入できるコーキング材とコーキングガンを使って、ご自身でおこなうことも可能です。
●地震
さらに、地震の振動により生じた構造上の歪みや屋根の破損も雨漏りの原因となります。
特に、昔ながらの日本家屋は地震の振動により屋根瓦が落下することで、家屋を守るように設計されているため、瓦が落ちるケースは珍しくありません。
空き家の所在地で震度4以上の揺れが確認された場合は、空き家の破損や歪みの有無を確認したほうがよいでしょう。
対策としては、あらかじめ空き家の耐震基準を確認しておくことが重要です。
昭和56年6月1日以前に建てられた家屋の場合、耐震リフォームを実施していなKれ場、旧耐震基準に応じて建設されているため、東日本大震災クラスの揺れで倒壊の可能性があります。
空き家が新耐震基準を満たしていない場合は、早急に耐震リフォームをご検討することをおすすめします。
また、地震により屋根が破損してしまった場合の応急処置としては、ブルーシートをかぶせておく方法があります。
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まとめ
こうした空き家の管理は個人で行うことができますが、それでも修理できる範囲は限られますし、何より時間が足りません。
その場合は、思い切って空き家管理を行う会社に委託しましょう!
空き家管理を行う会社なら、定期的に訪れて異常がないかチェックしてくれるので、「あ、ここが危ないな」と早めに気付くことができます。
早めに知らせてもらえれば速やかに必要な修繕を行って、所有している空き家や周辺に住む人々を危険にさらす心配も小さくなりますよ。
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全国各地の管理会社を探せるので、遠く離れた場所に住む方も安心してお任せできるでしょう。
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