空き家問題が解決する?自治体が進める「空き家バンク」とは

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空き家活用
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近年、多くの自治体が抱える問題として、空き家がクローズアップされることが増えました。

2015年に行われた国勢調査では、統計開始から初めて人口が減少に転じたことも判明し、今後は人口の減少とともに空き家の増加が大きな課題となるでしょう。

そんな空き家をただ取り壊すだけでなく、どうにか活用できないかと各自治体が考え、生まれたアイディアが『空き家バンク』です。


空き家バンクとはどういう制度?


空き家バンクで契約成立のイメージ


空き家バンクとは、空き家を所有している方と空き家を利用したい方をマッチングさせるシステムです。

この空き家バンクは、自治体そのものが運営を行っているケースと、自治体から委託を受けた一般の団体が代わって運営を行うケースに分かれます。

 

なお、以前『空き家を上手に活用する5つの方法』という記事の2番目でご紹介した方法が、この空き家バンクにあたります。

自治体が運営している場合は、各自治体の公式ホームページのトップに専用コンテンツが設けられているケースが多いので、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんね。


空き家バンクというシステムができた理由


空き家バンク誕生のきっかけとなった背景には、「各地域にある空き家の存在を、必要とする方に知ってもらうため」という理由があります。

 

例えば賃貸アパートやマンションを経営するオーナー様であれば、どこか不動産会社へ仲介を依頼して入居者募集の案内を出すことで、多くの方の目に空室情報が留まりやすくなります。

しかし、所有する方自身が住むつもりもなく、賃貸や売買物件として積極的に市場に出すことをしなければ、当然空き家の情報は出回りません。

そうなると、適切な管理が行われないまま放置された空き家は周囲に悪影響を及ぼし、ひいては住環境の悪化や人口減少につながる恐れもあります。

 

そうした悪循環を断ち切って人口減少を防ぎ、空き家の解消を図るため、物件情報を提供する空き家バンクが生まれました。


空き家バンクの登録方法


空き家バンクに登録された空き家


空き家バンクの登録方法は、まず空き家を所有している方が、物件がある自治体へ必要書類を申請します。

その後、申請を受けた担当窓口の方が現地調査に訪れ、その後空き家バンクへ登録完了の旨を通知する仕組みとなっています。

登録後は、各自治体から委任された民間団体や企業が、物件所有者と利用希望者の仲介や交渉を行います。

 

この登録手続きに要する期間や、申請に必要な書類は自治体によって異なるケースがありますが、概ね流れは同じです。

気になる方は、各自治体が公開している空き家バンクの登録方法をご確認ください。もちろん、登録するにはきちんと人が住めるような状態に改修したり、適切な管理を行ったりすることが必要です。


全国版空き家バンクの構築を目指した背景とは


これまでご紹介したように、現在ある空き家バンクは、自治体ごとに運営されているシステムです。

そんな中、国土交通省では、全国各地の空き家情報を一元化した全国版空き家バンクの構築を発表しました。

 

全国版空き家バンク創設を目指す背景には、自治体ごとに運営や情報公開の仕様が異なっているため、比較検討しづらく十分にマッチングできない現状があります。

そこで、情報を一元化することで仕様の統一や比較検討のしやすさを改善し、より利用者のニーズに合った空き家情報を流通させることが目的となっています。

都市部から地方への移住を考えている方にとっては、全国各地の空き家情報を比較検討したうえで、ご自身の条件に合う物件がある地域へ移住を決めるきっかけになるでしょう。

 

2017年現在は、モデル事業者による試験的な運用のみですが、軌道に乗れば近い将来、本格的に全国版空き家バンクが始動することでしょう。


空き家バンクを活用した空き家


まとめ

国も力を入れる空き家バンクは、空き家を壊さずに活用したい方と、地域で暮らすための拠点を見つけたい移住希望者を結ぶ、重要な制度です。

空き家バンク利用に向けて空き家の管理を依頼したい方は、全国空き家管理ナビを利用して、適した管理会社を探すことをおすすめします。

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