再建築不可の空き家でもOKの活用法とは?

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空き家活用
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皆さんは、『再建築不可』という言葉を知っていますか?
これは、建築基準法で決められた項目を満たしていない建物のことで、再建築不可に指定されている物件は一度取り壊してしまうと再び建てることができません。

古い空き家の中には、この再建築不可に該当する物件もあり、取り壊した後の再利用方法が見つからず仕方なく放置されているケースもあるんです。

また、建物がある状態で売ろうにも、再建築不可の空き家は担保価値が低いため住宅ローンが組むことができず、買い手にとっては不利な物件となります。
もちろん、これは建て替え用の住宅ローンを組むこともできないため、建て替えを希望している空き家所有者にとっては悩みの種となります。

そんな空き家でも活用できる方法はあるんでしょうか?

01再建築不可となる空き家の条件

再建築が難しい空き家が活用できるかどうか話をする前に、まずは再建築不可とはどういう建物をさすのか、具体例を見ていきましょう。


接道義務を満たしていない

建築基準法では、都市計画区域内で建物を建てる場合は、幅が4m以上ある道路に対して土地の出入口(間口)が2m以上接していなければならないと決められています。

ただし、これは今の建築基準法の決まりであって、改正前の基準に沿って建てられた古い空き家の中には現行の接道義務を満たしていないケースも多くあります。



行政庁の審査基準が緩かった、もしくは建築確認申請をしていなかった

通常、家を建てる場合は特定の行政庁に建築確認を申請して、審査を経て合格した後に建築がスタートします。
しかし、古い空き家の場合は当時の行政庁の審査基準が今より緩く、それに沿って建てられた物件は再建築が認められません。

もしくは、そもそも建築確認申請自体をしていなかったというケースもあるそうです!
こちらは接道義務違反と比べると少数ですが、こうした理由で再建築不可となる空き家もあるんですよ。



市街化調整区域内に建っている

市街化調整区域とは、商業施設や学校・病院など、いわゆる市街地で見られるような建物を造って土地開発を行うことができないと決められている地域のことです。
そのため、公共下水道や道路など都市基盤の整備も積極的に進められません。

この地域は家を建てることも原則認められていなくて、仮に建てるとしても、暮らすうえで不便さを感じることが多いんです。

現在、市街化調整区域に住んでいるのは、この制限が決められる前から住んでいる人や農業や漁業などに携わる人など、ごく一部の人のみです。
なお、市街化が認められている地域は『市街化区域』と呼ばれます。
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02再建築不可の空き家でも建て直せる活用法って?

先ほどまでの話で分かるように、再建築不可の空き家は建て替えも売却もできません。
でも、そのまま放置すると近所に迷惑をかけてしまうし、いずれ特定空家に指定されると、固定資産税の特例措置解除や最終的には強制的に取り壊される可能性だってあります。


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そんな八方塞がりの状態の空き家ですが、実はちゃんと再建築可能にできる活用法もあるんです!


セットバックして建て直す

セットバックとは、敷地に面している道路の幅が4m未満の場合、その道路の中心線から2mの距離を置いて新たに家を建てる方法です。
この場合、元の家より延床面積や建ぺい率が小さくなりますが、夫婦2人暮らしや3人家族など、世帯人数が少ない家族なら問題なく暮らせるスペースは確保できるでしょう。



収益物件にする

空き家がある地域によっては、賃貸物件としての需要が見込めることもあります。
その場合は、思い切って取り壊して、賃貸アパートを建てて収益物件として活用しても良いでしょう。

セットバックをしてもアパートを建てられるくらいのスペースが確保できるのであれば、再建築可能な物件として立派に活用できますよ。

取り壊しと再建築にはお金がかかりますが、アパート完成後に入居者が決まってその費用も回収できると判断できるなら、活用法の一つとして検討してみてください。


注意点としては、セットバックや収益物件として建て直す方法は、あくまで市街化区域にある空き家のみ有効ということです。
市街化調整区域にある空き家は、既存の建物を観光用宿泊施設や飲食施設・今ある集落の維持に必要な賃貸住宅などに変更すること以外の活用は認められていません。


参考資料:国土交通省 市街化調整区域の古民家等を観光振興や移住・定住促進に活用できるよう開発許可制度の運用を弾力化 ~開発許可制度運用指針の一部改正~
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03再建築不可の空き家は不動産会社にお任せ!

不動産物件の売却は、不動産会社を仲介役として個人対個人で行うことが一般的ですよね。

ですが、先ほども挙げたように、再建築不可の空き家は資産価値や担保価値が低いため、普通の人はまず買いたがりません。
そうすると、空き家を売りたい人にとってはどうすることもできず、困ってしまいますよね。


そこでおすすめしたい方法が、不動産会社へ空き家を買い取ってもらう活用法です!
売買を取り扱う不動産会社の中には、物件の買い取りを行っているところもあり、この方法なら再建築不可の空き家でも売却することができますよ。

物件を買い取った不動産会社は、それをリフォームやリノベーション、もしくは建て替えなどを行って、新しい自社物件として賃貸や売買に出します。
相手は不動産のプロなので、担当者が「この条件なら再建築可能になるな」と判断できる空き家であれば、交渉成立の可能性もあります。

また、不動産会社に買い取ってもらうことのもう一つのメリットは、売り先が既に決まっているため、個人間での取引より早く売却を完了しやすいということ。

「このくらいの時期までに売りたいな」と希望があれば、そのスケジュール調整の相談も可能なので、検討してみる価値はあるはずです。
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04まとめ

そのままでは価値がないとみなされてしまう再建築不可の空き家も、条件次第で再建築可能となるのであれば、適した活用法を見つけられるでしょう。

空き家管理ナビでは、空き家を収益物件として活用する方法や、買い取りに関する相談ができる不動産会社も検索できます。
再建築不可の物件でお悩みの方は、ぜひ相談してベストな活用法を見つけてくださいね。
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