空き家を相続する場合は何に気を付けたらいいのか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

空き家を相続する場合はなるべく単独で所有したほうがいいでしょう。

相続発生した後に遺言書がない場合は遺産分割協議にて分割方法をきめることになります。現金などと違い不動産、特に建物はキッチンと洋室は兄、和室とトイレは弟のようには分割できない財産なので、複数の相続人がいると民法に従った法定相続分で分割し共有名義になるケースが多くあります。

もし複数の共有になってしまった場合には以下の問題点があげられます

  1. 1.単独では売却がしにくいです
    売却をする場合は共有者全員の合意が必要です。もし一人でも反対した場合売却が出来ないことになります。
  2. 2.相続のたびに共有者が増える
    例えば一旦兄弟2人の共有にした場合、兄弟が元気でともに共有している間はいいですが、いずれ兄弟にも相続が発生し、兄弟の配偶者、子供たちと不動産を共有することになると、どんどん共有者が増えて意思決定が困難になります。 また3人の共有の場合、水漏れの修理や建物の維持の為に必要な工事は1人の意思でできますが、賃貸物件の契約は共有者の過半数の同意が必要で、建替えについては共有者全員の同意が必要になります。

相続税の納税が発生し、相続した空き家を売却する予定の場合は3年以内がいいでしょう

相続により取得した不動産を、相続発生後から相続税の申告期限(10ヶ月)の翌日以降3年以内に譲渡した場合には、 支払った相続税の税額の一部または全部を取得費として加算できる特例があります。それにより譲渡税を安くする効果があります。これを「相続税の取得費加算の特例」といいます。

【計算式】
譲渡所得=売却価格-取得費(不動産取得費不明の場合5%)-譲渡費用(仲介手数料など) ↑取得費に支払った相続税を加算できる
( 例 ) 相続した空き家を3,000万円で売却して、取得費不明、所有期間40年、
その土地に対する相続税を500万円払っていた場合
( 通常 )
3,000万円-150万円(取得費5%)100万円(譲渡費用)
=2,750万円 譲渡税20%=550万円
( 取得費加算の特例 )
3,000万円-150万円(取得費5%)-500万(取得費加算の特例)-100万円(譲渡費用)
=2250万円 譲渡税20%=450万円
取得費加算の特例を活用することで100万円の譲渡税が得をしたことになります

相続した空き家が被相続人の自宅だったら売却の際に更に特典があります

相続で取得した被相続人の自宅を売却した場合、自宅売却時のみに認められていた「譲渡所得の3,000万円特別控除」を空き家にも適用できることになりました。これを使えば3,000万円の価格で空き家を売却した場合は譲渡税がかからないことになります。
これを「空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除」といいます。

( 例 ) 相続した空き家が自宅で3,000万円で売却した、取得費不明、所有期間40年、
( 通常 )
3,000万円-150万円(取得費5%)100万円(譲渡費用)=2,750万円
譲渡税20%=550万円
( 空き家にかかる譲渡所得3,000万円特別控除 )
3,000万円-150万円(取得費5%)-100万円(譲渡費用)
=2,750万円‐▲3,000万円=▲250万円
とマイナスになりますので譲渡税は課税されません。
しかし、この自宅だった空き家の条件が厳しいのです。
  1. ① 被相続人が単身で自宅として利用していた家屋(区分所有建物を除く)及びその敷地の売却
  2. ② 上記家屋は、昭和56年5月以前に建築され、耐震基準を満たすもの
  3. ③ 相続発生時から売却時まで継続して空き家
  4. ④ 売却価格1億円以下

そして、売却する際に、その家屋が耐震基準を満たしていなければ

  1. ⑤ 家屋を取り壊して売却する
  2. ⑥ 耐震改修をしてから売却する

といったもの。⑤⑥のどちらを選択しても費用がかかるということになります。
そしてこの特例は、相続開始から3年を経過した年の年末までの売却が対象です。また、相続税を支払って取得した不動産を売却した場合に利用できる「取得費加算の特例」との併用はできません。

以上相続した空き家の場合は注意点や特例もありますのでぜひ一度専門家にお問い合わせください。
※譲渡税が課税された場合には所得税部分に、別途、復興特別所得税がかかります。