空き家の無償譲渡は完全無料ではない!注目するのは『贈与税』

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税金
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親から無償譲渡された空き家


通常、不動産を誰かから譲り受ける時は売買契約を結んで、買った人から売った人へ代金を支払いますよね。

しかし、親子の場合は売買契約を結ばずに不動産を譲り受けることがあり、このことを『無償譲渡』と言います。

特に近年は、空き家問題のこともあって自宅を無償譲渡するケースも増えつつあります。

譲り受けた子どもからすると「タダで実家がもらえた!マイホーム購入の予算が浮いてラッキー!」と思うかもしれません。

無料でもらえる=住宅ローンを組む必要がないため、ローン返済で頭を悩ませずに済むのも嬉しいですよね。

しかし、「タダほど高いものはない」という言葉があるように、無償譲渡も完全に0円で済むことはないんです!

今回は、空き家の無償譲渡についてご紹介します。


空き家の無償譲渡 相続と贈与の違い


空き家の無償譲渡の話をする前に、まずは相続と贈与の違いについてご紹介します。

 

親から財産を譲り受ける時、よく使われるのは相続ですが、この言葉は『亡くなった人から財産を受け継ぐ』という意味があります。

対して贈与は、『生きている人から財産を譲り受ける』という意味になるので、親が生きているうちに空き家を譲り受けることを相続と言うと意味がちょっと違います。

そして、亡くなった人から受け継いだ財産にかかる税金を相続税、生きている人から譲り受けた財産にかかる税金を贈与税と言います。

 

普段の生活では、違いについてあまり気にすることがない言葉ですが、混同しないように気をつけましょう。


空き家の無償譲渡でも税金がかかる


先ほどの話で、相続と贈与の明確な違いがお分かりいただけたと思います。

空き家の無償譲渡は贈与にあたるため、たとえ物件価格が0円でも税金は納めなくてはいけません。

贈与税は、贈与対象の財産の合計額から基礎控除額(110万円)を差し引いた金額に対して課税されます。

そして、差し引いた金額に応じて課税率が変わりますが、実は課税対象となる金額の判断は2種類あるんです。

 

・一般贈与財産…夫婦・兄弟姉妹間の贈与や、親が未成年の子どもへ贈与する場合

・特例贈与財産…祖父母から孫、または親から子への贈与で、譲り受ける側の子や孫が20歳以上である場合

 

どちらも最大課税率は55%ですが、一般贈与財産の場合は最大課税率となる金額が3,000万円超、特例贈与財産の場合は4,500万円超と大きく異なります。

また20歳以上か未満かの判断は、譲り受けた人の誕生日ではなく譲り受けた年の11日に成人しているか否かとなります。

詳しくは、国税庁のホームページにてご確認ください。


空き家の無償譲渡で税金を少しでも安くする方法


せっかく空き家を無償譲渡してもらって安く財産を手に入れたのに、多額の税金がかかると負担が大きいですよね。

そんな時は、相続時精算課税の選択』制度(通称:相続時精算課税制度)をチェックしてみましょう!

 

この制度は、60歳以上の親または祖父母から財産を譲り受けた人が20歳以上の場合、財産に対してかかる税金を安くするものです。

ただし、相続時精算課税制度は贈与した人が亡くなると、生前に贈与した分の財産も加算して相続税を課税する仕組みとなっています。

また、相続時精算課税制度は一度選択すると取り消すことができません

そのため、将来相続する財産と生前贈与を受ける財産の価値を合算したらどのくらいになるのか、その点をじっくり考えてから選択するかどうか決めましょう。


無償譲渡された空き家を解体すると贈与税の金額が高くなる?


ところで、親が所有する不動産を無償譲渡する際、家付きではなく空き家を解体してから譲り受けるケースもあります。

「古くなった家に住むつもりはないし、リフォーム費用もかかるから解体してもらう方がありがたい」と喜ぶ人もいるかもしれません。

ですが、空き家を解体すると贈与税の課税対象が土地のみとなり、税金が高くなる可能性があります。

 

通常、家は新築された時の価値が一番高く、それから築年数を経るごとに家屋が古くなって価値が下がります。

一方、土地は古くなるものがないため、手に入れた時から年数が経っても大きく価値が下がることはほとんどありません。

そのため、空き家を解体して更地にしてから譲り受けると贈与税の課税対象となる金額も高くなり、負担が重くなることがあるんです。

なお、空き家を解体して土地だけを残すことは、贈与税だけでなく固定資産税も高くなるリスクがあります。

 

関連記事:固定資産税6倍の恐れも!空き家の固定資産税について3大NG

 

贈与税は譲り受けた後に1回納めるだけで良いですが、固定資産税は別の人に譲ったり売ったりしない限り、ずっと納め続けなければいけません。

それが嫌で空き家を残したまま所有している人もまだまだいます。

とはいえ、誰ももう住むつもりがない空き家を放置することは何もメリットがないので、無償譲渡を受ける場合は家を残したままが良いのか解体した方が良いのかしっかり考えましょう。


まとめ


空き家の無償譲渡は、譲る親からすると「かわいい子どもの金銭的負担を減らしてあげたい」という愛情の証とも言えます。

ですが、税金のことを考えると完全無料で譲ることは難しいですし、かえって子どもの金銭的負担が増える可能性もあります。

不動産の贈与は簡単に決められない問題が多いので、ぜひ相続や贈与に詳しい不動産会社へ相談しましょう。

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