民泊は空き家の新しい活用法となるのか

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これまで空き家を活用する方法としては、住む・売る・貸すという方法が一般的でしたが、ここ数年は新しい活用法として民泊が注目されています。


民泊が注目されるようになった理由


空き家 民泊 外国人旅行客の団体


日本で民泊が注目されるようになった理由としては、訪日外国人観光客数の増加です。

日本政府観光局(JNTO)の統計によると、2006年の年間訪日外国人観光客数が約733万人だったのに対し、2016年の年間訪日外国人観光客数は約2400万人と、10年で3倍以上にも増えています。

さらに、2020年には東京オリンピック・パラリンピックの開催も控えており、政府はそれに向けて、2020年の訪日外国人観光客数を4000万人まで増やすことを目指しています。

 

その一方で浮き彫りとなった問題が、宿泊施設の客室数不足です。

外国人観光客の増加に対し既存の宿泊施設の供給が間に合わず、不足している客室数を補うため、一般の民家を宿泊施設として利用する方法が広まりました。

実際、東京都大田区や大阪府大阪市など、政府が国家戦略特区として指定し、さらに民泊に関する条例を定めた国内の一部地域では、既に特区民泊として営業が認められています。


空き家 民泊 大田区の羽田空港


空き家民泊は、新たに宿泊施設を建てることなく、既存の建物を整備して利用することができるため、建築コストがかかりません。

また、定期的に人が寝泊まりをすることで、適度な通水や換気も行われるため、家屋の維持にもつながります。

そうした観点からも、民泊は空き家問題の解消に一役買うのではないかと考えられるようになりました。


空き家を利用した民泊を行うために知っておきたい『民泊新法』


空き家を民泊として活用した部屋


日本で有償の民泊を行う場合、旅行業法や建築基準法・消防法など、様々な課題点をクリアしなくてはいけません。

特に空き家の場合、築年数が古い物件は現行の建築基準法に合っていないケースもあり、そうなると宿泊施設としての運用も難しくなります。

一方で、先述のように訪日外国人観光客数が右肩上がりで伸びている中、既存の法律に合う空き家だけで民泊を行うことが難しいのも現状です。

 

そこで政府は、新たに『住宅宿泊事業法(通称:民泊新法)』を201769日に成立させました。

民泊新法の特徴には、以下の点が挙げられます。

 

1年間で営業できる日数の上限は180日以内

②ホテルや旅館以外の住宅を宿泊施設として利用できるため、住居専用地域でも運営が可能

 

また、民泊事業を行う事業者は、以下の届け出または登録が必要となります。

(以下説明文および図は、官公庁ホームページより抜粋)

 

・住宅宿泊事業(民泊サービス)を行おうとする者は、都道府県知事への届出が必要。

・住宅宿泊管理業(家主不在型の住宅宿泊事業者から委託を受けて(衛生確保措置、 騒音防止のための説明、苦情への対応、宿泊者名簿の作成・備付けの措置等を行うもの)を営もうとする者は国土交通大臣の登録が必要。

・住宅宿泊仲介業(住宅宿泊事業者と宿泊者との間の宿泊契約の締結の仲介を行うもの)を営もうとする者は観光庁長官の登録が必要。


空き家 民泊事業届け出図


この他にも、様々なルールが決められている民泊新法が施行されるのは、2018年春頃の予定です。

これまでの規制をある程度緩和した新法のルールをクリアした空き家であれば、いずれは施設として活用することができるようになるでしょう。


まとめ


これまでは『住む』という観点のみで考えられていた空き家ですが、昨今の民泊ブームや訪日外国人観光客数の増加により、新たな宿泊施設としての可能性も考えられるようになりました。

現在空き家を所有していて、その家にご自身が住むことがなく、売るか貸すかの選択肢で迷われている方は、民泊施設としての運用も検討してみてはいかがでしょうか。