東京23区で空き家が増えている意外な理由を知っていますか?

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東京の空き家事情について


 

日本で一番人口が多い東京都ですが、そんな東京でも空き家は増えています。

「空き家が増えていると言っても、23区はそんなことないんじゃない?」と思う人もいるかもしれませんが、そうではないんです!

東京都都市整備局がまとめた資料によると、東京23(特別区)の空き家数も増加していて、特に賃貸用は2008(平成20)65.1%だったのが、5年後には72.4%にまで増えていたそうです。


東京23区といえば、多数のオフィス街や繁華街があり常に多くの人が集まっている分、賃貸物件の需要も高そうなのに、どうしてこんなにたくさん空き家があるんでしょうか?


 

東京23区の空き家が増える理由① 地上げ


東京都心で空き家が増える理由としては、実は街の開発が原因なのです。

普通は街の開発=どんどん人が集まって家が足りなくなるのでは?と思いますよね。

ですが、開発をするにはそのための土地を確保しなくてはいけません。


そこで、開発を担当する不動産会社や建築会社などが地上げを実施しますが、確保したからといって新しい建物がすぐ建つわけでもありません。

 

※地上げ…開発担当の事業者が、用地を買収して新たな事業を行うため土地を購入・確保すること。

 

時には計画発表から完成まで何十年もかかるケースもあり、その間確保した土地に建物が建っている場合はずっと空き家のままです。

東京都心ではそうした地上げが頻繁に行われるため、一時的な空き家が増えてしまうのです。

都市開発が原因というのは、ちょっと意外かもしれませんね。


 

東京23区の空き家が増える理由② 立ち退きの拒否


23区の空き家が増える2つ目の理由として挙げられるのは、ずばり立ち退きの拒否です。

 

賃貸アパートやマンションの場合は、正当な理由があれば大家さんから入居者に立ち退きを求めることができると法律(借地借家法)で認められています。

そして都市開発のための取り壊しも正当な理由に当たるので、この場合は大家さんから入居者に退去を求めることができます。

※ただし、解約予定日の6ヶ月前までに通達すること。

 

しかし、全員が「はい、わかりました」と言って同意してくれるとも限りません。

中には立ち退きを拒否する入居者もいます。

そうすると、同意した人はどんどん退去して空室が増えるのに、立ち退かない人がいるため建て替えが進められないですよね。

こうしたケースも、地上げが難航して空き家が増える原因となるのです。


 

東京23区の空き家が増える理由③ 権利関係者が複雑


賃貸物件に限らず、都市開発のために古い集合住宅を取り壊す場合、問題となりやすいのが建築基準法と権利関係者です。

 

建築基準法は、過去に何度か内容が変更され、その都度建築基準が厳しくなりました。

そのため、建築当時は違法ではなかったものの、今の基準に照らし合わせると違法となってしまい、取り壊すと新しく建てることができないケースがあります。

また、集合住宅は権利関係者が複数いることもあり、そうなると法律で決められた人数の同意を得られないと建て替えはできません。


集合住宅に関する法律(区分所有法)では、「建て替えを行うには区分所有者の5分の4以上の賛成がないと可決しない」と決められています。

 

参考資料:国土交通省 マンション建替え関連制度の概要

 

例えば、100戸のマンションを建て替えようとする場合、80戸以上の世帯の人が賛同しないと建て替えは実行できません。

権利関係者としては、住み慣れた街を離れたくないという気持ちが強く、それで交渉に応じない場合があります。


中にはマンションを買ったばかりの人もいて、「せっかく買ったのにまた引っ越さないといけないの?」と思うでしょう。

大規模災害などが発生して、このままここにいると命が危ないというならまだしも、「ここに新しいビルを建てたいから退去してください」という理由では簡単に応じにくいですよね。


そうした問題から、全ての地上げがスムーズに進められないことも、東京都心で一時的な空き家が増える理由となっているのです。


 

東京23区の空き家を極力抑えるために必要な事


開発のための地上げをスムーズに進めるためには、事前の問題整理が重要です。

まず、賃貸の場合は早めに入居者へ知らせることが大切です。

先ほど、正当な理由による退去を求める場合は6ヶ月前までにお知らせすることと紹介しましたが、それより早い時期から通知しても良いでしょう。

通知時期が早いほど、入居者は立ち退きに向けた準備を進めやすくなります。

 

一方、分譲マンションの場合は総会を開いて、開発と地上げ・立ち退きの件について関係者に説明を行います。

その際は、今後どういった計画で進めていくのか具体的な説明も必要なので、開発担当者も出席してもらうと良いでしょう。


また、建て替え後の建物が居住スペースとオフィス・商業スペースが一体となる複合型の場合は、完成後に戻ってきて再び住みたいという人もいます。


その時の区分所有権の持分をどうするのか、住宅ローンの抵当権の引継ぎをどうするのかなど、権利関係もきちんと整理しておかなくてはいけません。

 

こうした事前準備をしっかり行い権利関係をクリアにすることで、地上げや開発計画もスムーズに進み、一時的な空き家を減らせる可能性が高まります。


 

まとめ


現在の東京23区は、東京オリンピック・パラリンピックに向けた開発や、ターミナル駅周辺の再開発などがあちこちで進められています。

もちろん、今後もこうした動きは続きますので、都心ならではの空き家問題にぜひ注目してみてください。