空き家の家屋と敷地について 売却前に要確認!特例措置を知っていますか?

カテゴリ:
税金
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空き家の敷地と家屋について



「家を相続したら税金がかかるもの」ということは、多くの人が知っていると思います。

その税額は、家屋や敷地に対する評価によって変わるわけですが、相続した家屋が空き家の場合もしっかり税金はかかります。

「自宅の住宅ローン返済や固定資産税の支払いで大変なのに、もう誰も住んでいない家の分まで税金を払わなくちゃいけないのは辛い!」

おそらく、空き家を相続した人の多くはこう思うでしょう。

それはそうですよね。

だって、2軒分の税金を納める=負担が倍になるってことですから。

でも、実はそんな人の負担を軽くするための特例措置があるんです!


 

家屋と敷地の相続にかかる税金の軽減措置とは?


空き家を相続した人に対して有効な税金の特例措置は、年々増え続ける空き家を少しでも減らそうという目的で、国が制定した措置です。


以前、『【解説】空き家にかかる税金とは?所有と売却2パターンから見る空き家と税金』の記事でも少し触れた制度ですが、もうちょっと詳しく内容を見てみましょう。

 

Q1.対象者は?

A1.空き家を相続して、その家屋と敷地を売る人か、更地にして敷地を売る人です。


Q2.どんな家も対象なの?

A2.対象物件は一戸建てのみです。


Q3.どのくらい控除されるの?

A3.最大3,000万円まで控除可能です。


Q4.この方法で売る場合の要件を教えて。

A4.下記にまとめましたので、ご確認ください。

 

《相続で取得した空き家を売る場合 特例適用期間に関する要件》

・相続した日を起算日として、その日から3年後の1231日までに売ること

・この特例適用期間である2016(平成28)41日~2019(平成31)1231日の間に売却を完了させること

 

《相続で取得した空き家を売る場合 家屋と敷地に関する要件》

・相続する直前まで被相続人(財産を譲った人)が住んでいたこと

・相続する直前に被相続人以外に住んでいる人がいなかったこと

1981(昭和56)531日以前に建てられた家であること

・相続してから売るまでの間に、家屋と敷地を事業用・賃貸用・居住用として使用していないこと

※家屋を取り壊して敷地だけを売る場合は、相続から家屋取り壊しまでの間に事業用・賃貸用・居住用に使用されていないこと。

さらに、更地にした敷地を売るまでの間も、事業用・賃貸用・居住用として使用していないこと

 

《相続で取得した空き家を売る場合 売却する時に関する要件》

・売却価額が1億円以下

・家屋付きで売る場合は、その家屋が新耐震基準に合うようにリフォームされていること

 

以上が、空き家となった家屋と敷地を売る際に適用できる特例措置の要件です。

この特例を受けるには、これを全て満たさなくてはいけません。


 

特例措置の有無で家屋と敷地を売った時の差額はどのくらい変わる?


先ほどの要件を見ていると、「結構要件が多くて、全て該当するのか調べるのがちょっと面倒だな…」と思う人もいるかもしれません。

確かに、いちいちさっきの要件に該当するか調べるとなると手間が増えますよね。


もちろん、措置を受けないこともできますが、そうなると税金はどのくらい変わるのでしょうか。

 

まず、家屋や敷地を売った時の所得(譲渡所得)は、『(譲渡価額-取得費-譲渡費用-3,000万円)×所得税と住民税の割合』の公式に当てはめて計算されます。


そして譲渡所得額が出たら、今度はその金額に所得税と住民税をかけて税額を出します。

この時のポイントは、『相続して売る家屋と敷地の所有期間が5年を超えているか5年以下か』によって、所得税と住民税の割合が変わることです。


5年以下の場合は39(所得税30%+住民税9)で、5年を超えている場合は20(所得税15%+住民税5)となります。

 

そしてもう一つのポイントが、『取得費が不明の場合』です。

もし、相続した家を購入した時の金額が分からない時は、譲渡価額の5%分を取得費として計算するので、「この家を買った時の金額を知らない」という時も安心ですよ。


この点を踏まえて、下記の条件で特例措置がある場合とない場合の税金の違いを比べてみましょう。

 

《条件》

19811月建築・被相続人の所有期間15年・譲渡費用(家を売るためにかかった費用)100万円・取得費不明の空き家を1,000万円で売った場合

 

《特例措置ありの場合》

(1,000万円-50万円-100万円-3,000万円)×20%=0

 

《特例措置なしの場合》

(1,000万円-50万円-100万円)×20%=170万円

 

こうして比べてみると、結構差額があるなと思いませんか?

ちなみに、家屋を取り壊して更地にして売る場合、取り壊しにかかった費用を譲渡費用として計算することができますよ。


なので、先ほどと同じ条件で家屋を取り壊して敷地だけを売ると決めて、取り壊し費用も含めた譲渡費用が200万円かかった場合の計算は以下の通りになります。

 

《家の取り壊し&特例措置ありの場合》

(1,000万円-50万円-200万円-3,000万円)×20%=0

 

《家の取り壊しあり・特例措置なしの場合》

(1,000万円-50万円-200万円)×20%=150万円


 

まとめ


今回は、空き家となった家屋と敷地を売る場合に役立つ特例措置の内容をご紹介しました。


要件が多かったり、計算式がちょっと複雑だったりしますが、覚えておいて損はありません!

より詳しい内容は、国土交通省公開の資料にも掲載されているので、損をしないためにも、ぜひそちらも見てみてくださいね!