総務省の平成25年住宅・土地統計調査結果によると、平成25年10月1日における日本国内の総住宅数は6,063万戸と5年前の前回調査時と比較して304万戸の増加となりました。また、総住宅数中の空き家数は820万戸と、同じく5年前と比較して62.8万戸の増加となりました。総住宅数に占める空き家数の割合(空き家率)は13.5%と過去最高を更新。平成10年の調査で2桁台に突入して以降も逓増しています。
増加した空き家62.8万戸の建て方別内訳をみると、一戸建てが49.6万戸(79.0%)と大半を占めています(表1参照)。この増加した一戸建ての中でも「その他の住宅※1」が49.4万戸(99.6%)と、短期的な対処が困難な空き家ばかりが増えたことが伺えます(表2参照)。また、平成27年国勢調査によると日本国内の世帯数は5340.3万世帯となっています。1世帯当たりの人員は平成22年の2.46人から2.38人へと減少しており、世帯単位で一戸建てに居住するというニーズは残念ながら減り続けていると理解せざるを得ません。国土交通省が制定した「空き家等対策の推進に関する特別措置法」のように、自治体も巻き込んだかたちで空き家の活用促進を図ったり、新築住宅の建設抑制ルールを作るなど、複層的・多面的に対策を講じていくことが肝要と考えます。
※1その他の住宅
「賃貸用の住宅」「売却用の住宅」「二次的住宅」以外の住宅で、例えば、転勤・入院などのために居住世帯が長期にわたって不在の住宅や建て替えのために取り壊すことになっている住宅のほか、空き家の区分の判断が困難な住宅なども含む
また、一戸建ての空き家数の増加に注目しがちですが、共同住宅の空き家の増加数は8.9万戸(14.2%)と、一戸建てに比べると伸び率は低いものの、総住宅数に占める空き家数における比重は高く471.2万戸(57.5%)となっています(表1参照)。共同住宅の中でも「賃貸用の住宅」の空き家数のみが15.3万戸も増えていることにも注目したいところです(表2参照)。1世帯当たりの人員が減り続けていることからも、今後将来にわたり共同住宅が担う役割が大きいでしょう。高齢者用の住宅への用途変更など、時代のニーズに合った形態へと変身させるなどの施策や、それを推進していくためのルールづくりに注力すべきと考えます。
表1 建て方別空き家数-全国(平成20年、25年) | (万戸) | ||||
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総数 | 一戸建て | 長屋建て | 共同住宅 | その他 | |
平成20年 | 756.8 | 250.4 | 41.6 | 462.3 | 2.6 |
平成25年 | 819.6 | 299.9 | 45.5 | 471.2 | 3.0 |
増加数 | 62.8 | 49.6 (79.0%) |
3.9 (6.2%) |
8.9 (14.2%) |
0.4 (0.6%) |
注:( )は増加した空き家数に占める割合
出展:総務省統計局平成25年住宅・土地統計調査結果
表2 建て方、空き家の種類別増減数-全国(平成25年-20年) | (万戸) | ||||
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総数 | 一戸建て | 長屋建て | 共同住宅 | その他 | |
空き家総数 | 62.8 | 49.6 | 3.9 | 8.9 | 0.4 |
二次的住宅 | 0.1 | 0.9 | 0.0 | -0.9 | 0.1 |
賃貸用の住宅 | 16.5 | -1.5 | 2.7 | 15.3 | 0.0 |
売却用の住宅 | -4.1 | 0.8 | -0.2 | -4.8 | 0.1 |
その他の住宅 | 50.3 | 49.4 | 1.4 | -0.7 | 0.2 |
出展:総務省統計局平成25年住宅・土地統計調査結果
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