空き家の実家を相続した際は、遺品整理をどのようにするか悩むところでしょう。
とくに、空き家が遠方にある場合は、何回も出向くことはむずかしいためできるだけスムーズに片づけたいところです。
そこで今回は、空き家の遺品整理のポイントや伴う費用について解説いたします。
空き家の遺品整理についてお悩みの方は、ぜひ参考にご覧ください。
空き家処分で悩みやすい遺品整理とは?
空き家の発生要因としてよく挙げられるのは、相続による取得です。
実際に、国土交通省が5年毎に調査をおこなう「空き家実態調査」によると、2014年時点で空き家となっていた住宅を取得した方のうち、56.4%の方が相続によって取得したと回答しています。
参考資料:国土交通省 空き家等の現状について
相続で空き家となった実家を取得したときに、相続人が利用する予定がなければ、売却するか賃貸に出す、もしくは解体するかの3つのいずれかを選択します。
そのときに、悩むのが遺品整理です。
売却か賃貸か、解体して更地にするか、どちらを選ぶにしてもまずは遺品整理をしなければ先に進むことができません。
しかし、家族のアルバムや手紙、親御さんが大切にしていた物など、思い出が詰まった物はそう簡単に片付けることはできないでしょう。
そして、遺品整理で悩みやすい遺品としては以下のものが挙げられます。
●親御さん名義のクレジットカード
●金融機関の通帳
●各種契約書や仕事関連の書類
これらのものは相続財産の遺産分割の際に必要となる可能性があるため、勝手に処分すると相続人間のトラブルに発展する可能性があります。
遺品整理をおこなう際は、相続人同士でしっかりと話し合ってから捨てる物、残す物、引き継ぐ物を決めるようにしましょう。
また、遺品整理には費用がかかることもあります。
そのため「片づける費用がないから」「面倒だから」と言う理由で、遺品整理がされずに放置される空き家も散見されます。
しかし、遺品整理をせずに空き家を放置していると、家の劣化が進んで空き家の資産価値が下がるだけでなく、財産的価値のある遺品も劣化してしまう可能性があります。
「実は、相続財産となる遺品が実家にあった」などのケースもあるため、相続が発生したらなるべく早い段階で遺品整理をしたほうが良いでしょう。
空き家処分の前におこなう遺品整理の進め方とは?
前述のとおり、遺品整理は空き家を処分する際に悩みがちな部分ですが、ポイントを押さえて整理をおこなうとスムーズに進みます。
そこで、この章では遺品整理のポイントを以下の3つに分けて解説いたします。
ポイント①保管しておいたほうが良いもの
まずは、遺品整理に際して保管しておいたほうが良いものを知ることが大切です。
一般的に、保管しておいたほうが良いものは以下の5つです。
●手紙
●手帳
●年金手帳
●金融機関の通帳
●印鑑
上記5つは、相続関連の手続きをおこなう際に必要となります。
たとえば、手紙や手帳は亡くなった親御さんがこれまでにどんな方々とどのような交流を持っていたかを調べることができます。
また、相続の手続きに関係のある方々を調べる手がかりにもなるでしょう。
そのほかにも、株券や保険証書、各種契約書や借用書なども相続手続きに関わってくる可能性があるため、相続手続きがすべて完了するまで保管しておきましょう。
ポイント②別の場所に保管するもの
遺品整理をしていると、すぐには処分せずに一旦置いておきたいものも出てくるでしょう。
たとえば、家具・家電はまだ使用できるものであれば捨てるのはもったいないといった理由で、別の場所に一旦保管されるケースが多いです。
もちろん、相続人の一人から「自分の家で使いたい」と申し出があることもあるでしょう。
しかし、今すぐに使う予定がなかったり、自宅で保管できる場所がなかったりする場合は、貸倉庫(トランクルーム)などを利用して別の場所に一時保管すると良いでしょう。
貸倉庫を利用することで、空き家をすっきりと片付けることができるうえに、自宅に荷物が増えすぎて困ることもありません。
ちなみに貸倉庫に預ける場合は、必要なときにすぐに取り出せるよう、自宅近くの貸倉庫を探すことをおすすめします。
ポイント③処分するもの
最後に、処分するものはどのようなものが多いのでしょうか。
一般的には、以下のものが挙げられます。
●食器
●服
●本
上記は、遺産相続には直接関係がないものであるため、とくに引継ぎたいものがなければ処分してかまわないでしょう。
処分方法としては、以下の3つの方法が挙げられます。
●リサイクルショップへ売る
●フリーマーケットなどで売る
●親戚や近所の方々・地域へ寄贈する
なお、3つめの寄贈の場合は、対象となるものの質や贈り先の方針などに配慮する必要があります。
珍しい古本などは、地域の図書館や学校などに寄贈すると喜ばれやすいでしょう。
空き家の遺品整理 費用はどのくらいかかる?
前述のとおり、空き家の遺品整理をおこなう場合は少なからず費用がかかります。
そしてその費用は、どのようにして片付けるかによって金額が異なります。
粗大ゴミの処分費用
まずは、遺品整理にかかる費用としてもっとも多いのが、粗大ゴミの処分費用です。
家電リサイクル法で定められている家電以外の物や家具は、粗大ゴミとして処分することになります。
粗大ゴミの処分にかかる費用は各自治体によって異なるので、空き家のある自治体のルールに従って処分しましょう。
たとえば、東京都新宿区の場合は以下のとおりです。
●IHクッキングヒーター(2口以上):800円
●HDDレコーダー:400円
●2人掛け用のソファ:1,200円
参考:東京都新宿区 粗大ごみの処理手数料一覧
家電量販店の引き取り
粗大ゴミとして出せない「冷蔵庫・テレビ・洗濯機・エアコン」の家電4点は、家電リサイクル法によって処分方法が定められています。
処分方法は2通りあり、家電量販店に引き取ってもらうか、専門業者に引き取ってもらうかのいずれかになります。
家電量販店に引き取ってもらう場合は、リサイクル料金と運搬費用がかかります。
リサイクル料金はメーカーによっても異なりますが、目安となる料金は以下のとおりです。
●冷蔵庫:3,740~6,149円
●テレビ:1,320~3,700円
●洗濯機:2,530~3,300円
●エアコン:990円~2,000円
なお、冷蔵庫やテレビは大きさや種類によっても料金が変わるため、値段に幅があります。
運搬費用については業者によって異なり、相場は2,000円~3,000円ほどです。
近年は遺品整理を専門におこなっている業者もあるので、ご自身だけで片付けることがむずかしい場合は、そちらへ依頼するのも良いでしょう。
遺品整理の専門業者に依頼する場合の費用相場は、部屋の広さによっても異なりますが、数万円~数十万円はかかるとみたほうが良いでしょう。
遺品整理にあまり費用をかけたくない場合は、依頼する前に見積もりを出してみてから、自分で整理するか専門業者に依頼するかご検討ください。
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まとめ
今回は、空き家の遺品整理のポイントや伴う費用について解説いたしました。
遺品整理のポイントは、保管するもの、別の場所に保管するもの、処分するものの3つに仕分けてからおこなうことをおすすめします。
空き家の遺品整理にかかる費用は、粗大ゴミの処分費用と、家電製品の処分費用です。
空き家の遺品整理の際は、ぜひこの記事を参考にしていただければ幸いです。
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