今、日本で深刻な社会問題の 1つとなっている空き家ですが、空き家となるきっかけの中には『転勤』が関係するケースがあります。
持ち家を所有している方の中には、いずれ転勤でその土地を離れなければいけない方もいらっしゃるでしょう。
転勤の辞令が出るタイミングは、念願のマイホームを購入した直後の場合もあれば、購入して数年経ってから出る場合もあります。
その際に悩みどころとなるのが、マイホームをどうするのかということです。
転勤を機に浮上する持ち家問題には、どのような点が考えられるのでしょうか。
01転勤を機に自宅が空き家となる可能性とは
マイホームを所有している方が転勤となった場合、まず考えることとしては以下のことがあります。1. 単身赴任を選択し、家族はそのまま持ち家に住み続ける。
2. 家族全員で引っ越す。
1 は、生活の基盤がその土地でしっかり形成されている時に選ばれることが多いケースです。
特に、中学受験や高校受験などを控えるお子さんがいる場合は、受験への影響を考慮して、お父さんが単身赴任を選ぶこともあります。
この場合は家族が引き続きマイホームに住むため、空き家になる心配はありません。
一方、 2の場合は家族全員で引っ越す=その家に住む人がいなくなるということで、空き家になる可能性が高いケースです。
マイホームを売却するか、賃貸に出すかどちらかの方法を選択すると、新たに住む方がいるため空き家になる心配はないでしょう。
しかし、持ち家に愛着があって他の方が住むことに抵抗がある場合は、売却にも賃貸にも出さず空き家として所有することを選択される方もいらっしゃいます。
また、転勤が終わると再び持ち家に戻る可能性がある場合や、転勤中も定期的に自宅に戻れる可能性がある場合も、同様に空き家として所有することを選ぶ方もいらっしゃいます。
このように、転勤は家族の誰かが残って住み続けるのか、それとも家族全員で引っ越すのかによって、持ち家を空き家にするのかどうか考えるターニングポイントとなるのです。
02転勤を機に持ち家を空き家にする場合の管理方法
転勤の際にマイホームが空き家となってしまう理由についてご説明しましたが、ここからは、家族で転勤先に引っ越し、マイホームが空き家となってしまう場合の空き家の活用・管理方法についてご紹介しましょう。家族全員で転勤先に引っ越し、家が空き家となってしまう場合、家が空き家となってしまう期間の長短や今後の転勤する可能性によって、適切な選択肢は異なります。
これらの要素について十分に検討し、家の立地や築年数などの条件にも考慮した上で採るべき選択肢を決めるとよいでしょう。
まず、転勤の期間が2年未満の短期の場合には、空き家を賃貸などに活用せず、知人や親せき、管理会社などに依頼して管理していくことをおすすめします。
2年以下の転勤で、転勤の期間が終わればマイホームに戻る場合、空き家を賃貸物件として貸し出せる期間も短くなります。
引っ越しにかかる手間や費用などを考えると、入居後2年を待たずに再度引っ越しせざるを得ない物件への入居希望者は見つかりづらいでしょう。
入居者が見つかりづらいということは、入居募集の期間を考慮に入れれば賃貸として活用できる期間はさらに短くなります。
また、空き家を賃貸活用する際には、不用品を処分し、必要なものはトランクルームに預け、家を清掃・修繕するなどの準備が必要です。
短期の賃貸活用では、これらの手間や費用を改修するのは難しいでしょう。
以上の点を考慮すれば、短期の転勤であれば空き家を活用するよりも、管理することがおすすめなのです。
空き家の管理方法の選択肢としては、親せきや知人に依頼する方法と空き家の管理業者に依頼する方法があります。
家を破損や老朽化から守るための空き家管理には、雨漏りの確認、通気や通水、室内、ポストや庭の清掃など多くの項目があります。
これらの管理をお願いできるほど親しい人が、空き家となる家の近所にお住まいなのであれば、管理をお願いしてみるとよいでしょう。
ご自宅の近所に管理を依頼できる人がいない場合には、空き家の管理業者に依頼しましょう。
空き家の管理を請け負う業者には、ハウスメーカーや不動産会社、セキュリティー会社、中小事業者やNPO団体などがあります。
それぞれ、提供する管理内容や費用、得意分野などが異なりますので、自分に必要なサービスや予算を決めた上で、複数の業者のサービス内容を比較し、検討しましょう。
知人や親せきに依頼するよりも出費は大きいですが、専門的な知識や技術をもって空き家を管理してくれますので、空き家をより良い状態に保つことができるでしょう。
一方で、転勤が2年以上の長期にわたる場合には、賃貸活用という選択肢があります。
家賃が支払われるため定期的な収入を期待できますし、人に住んでもらうことで、空き家となった場合に比べて家屋の老朽化を防ぐ効果もあります。
自宅を賃貸活用する際の注意点としては、賃貸活用している期間は住宅ローン控除の対象から除外されてしまう点や入居者の使い方によっては家屋に傷や汚れなどの損傷が残ってしまう点などがあります。
予定外の帰任となって住居が使うことができない可能性も考えられます。
さらに、転勤終了後に自宅に住む予定であれば、一般的な普通借家契約でなく、契約期間を限定する定期借家契約を結ぶことになります。
定期借家契約での賃貸では、入居者は契約期間が終われば新たな住居を探さねばならないため、通常、相場より安めの賃料で貸し出すことになります。
転勤後、自宅に戻るか分からない場合には、賃貸活用ではなく、売却を検討してみてもよいかもしれません。
特に、リフォームなどの初期費用を賃料収入で回収できない場合でも、中古住宅を購入し、自分好みにリノベーションしたいという需要に期待できます。
売却してしまえば、所有しているだけで支払わなくてはならない税金や管理費用がかからなくなりますし、売却時にまとまった額が入ってくるのもメリットです。
ただし、売却にかかる契約の手間や費用、リフォームにかかる費用などがありますので、賃貸と売却で迷った場合には、それぞれの場合で必要な手続きや金額について調べた上で検討しましょう。
03転勤中の空き家のライフラインはどうする?
転勤を機にマイホームを空き家にする場合、もう 1つ悩みの種となるのが電気・ガス・水道などのライフラインをどうするのかということでしょう。3つのライフラインのうち、空き家の管理を続けるなら水道は通水する必要があります。
なぜなら、水道管は中の水が乾ききってしまうと、そこから悪臭や虫が発生する恐れがあるためです。
定期的な通水を行うことで、悪臭や虫の発生を防ぐことができます。
一方、ガスや電気はどうするのかというのは、各世帯の考えによります。
ご自身や家族が定期的に戻って管理をして、そのまま自宅に泊まる場合は、ガスや電気が通っている方が便利です。
また、親戚や友人・管理会社など第三者へ管理をお願いする場合も、ライフラインが使える状態になっていると、管理をする方も作業がしやすくなるでしょう。
マイホームを空き家にする場合は、そういった点も踏まえてご検討ください。
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04まとめ
転勤は、いつどのタイミングで辞令が下るか判りませんし、その時の家族の状況によって空き家にするかしないかの判断も変わってくるでしょう。持ち家を所有している方で、今後転勤の可能性がある方は、今回ご紹介した内容を参考にして、転勤中の持ち家をどうするのか考えてみてくださいね。
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