空き家問題がクローズアップされ空き家に対する関心が高まりました。
空き家は取り壊すか活用するかがポイントです。
空き家再生ビジネスはその活用方法をビジネスとして行なうこと。
ビジネスである以上、利益が必要です。
そして誰でも参入はできるけれど、誰もが成功するわけではありません。
今回は空き家再生ビジネスのメリットと課題を中心にお話しします。
01空き家再生ビジネスとは
空き家再生ビジネスとは、文字通り空き家を再生してビジネスとすることです。リフォームやリノベーションを施し、その物件を売却、あるいは賃貸物件として貸し出します。
実はこの方法は以前から不動産業界ではよくある方法でした。
「買取再販」と呼ばれる手法で、土地と建物を購入し、リフォームをして再度売り出す方法です。
新築物件よりも安い値段で販売すれば、場所によっては短期間で販売できます。
空き家再生ビジネスは買取再販の手法を空き家にも取り入れたものなのです。
02空き家再生ビジネスのメリット
空き家再生ビジネスはこれまでボランティア要素の強かった空き家の再生を、ビジネスにまで高めた手法です。当然空き家再生を行なう業者にとってもメリットのある方法です。
そればかりか売却や活用ができるため空き家の持ち主にとっても悪い話ではありません。
空き家再生ビジネスのメリットをまとめてみました。
すでに似たノウハウがある
買取再販の手法を使えば空き家再生ビジネスは可能です。買取再販も築年数を経た物件が対象で、いわば空き家と同様です。
今までまがりなりにも住んでいた物件か、長い期間空き家だったかの違いに過ぎません。
業者としても買取再販の延長上に空き家再生ビジネスがある、という考えです。
すでに似たようなノウハウ、手法があるため空き家再生ビジネスへの参入が容易なのです。
取り壊さずに済む
経済的にも空き家再生ビジネスは優秀です。空き家が活用できるということは取り壊しをせずに済むということ。
資源の有効活用の面でも空き家再生ビジネスは優等生です。
取り壊しも無料ではありません。
ゴミ分別の複雑化や人手不足の影響で取り壊し費用は上昇を続けています。
物件によっては数百万円もかかる取り壊しをしないで済むのは経済的にも助かるのです。
持ち主に売却代金が入る
最後は持ち主にとってのメリットです。空き家再生ビジネスはさまざまな手法がありますが、持ち主から空き家を買い取る手法もあります。
管理の手間もなくなり、固定資産税に悩まされることもありません。
売却価格は割安になるとはいえ、処分できなかった空き家が売れるのですから持ち主には大きなメリットです。
03空き家再生ビジネスの課題
空き家再生ビジネスは多くのメリットがあるものの、いいことばかりではありません。そもそも処分に困っているから空き家となっているのです。
すべての空き家が空き家再生ビジネスによって再生するわけではありません。
価格も市場価格よりも安くなるため、誰しもが気軽に始められるものでもないのです。
それでは、空き家再生ビジネスの課題についてみていきます。
再販可能性のある物件のみが対象
空き家を再生するのは、その空き家が売却や賃貸借の見込みがあるからです。再販できる見込みがなければ買い取ってはくれません。
購入にあたっては立地条件や空き家の状態が吟味されます。
空き家再生ビジネスを買取再販の延長ととらえている業者だと、この傾向は強くなります。
都心の空き家や郊外でも人気の地域の空き家が対象となり、多数の空き家が存在する地方の人口が少ないエリアでは空き家再生ビジネスの対象とはなっていないのです。
買取価格は格安の場合もある
買取価格も期待はできません。そもそも買取再販でも買取価格は相場よりも安くなります。
これはリフォームやリノベーション工事をしたうえで、さらに新築物件よりも安くする必要があるからです。
買取再販でさえそんな状態なので空き家の場合はさらに安くなる可能性があります。
「いくらでもいいから引き取ってくれ」という持ち主ならばよいのですが、残債があるなどの事情がある場合は、買取価格の折り合いがつかないこともあります。
一部のノウハウがある業者のみしか参入できない
「空き家再生ビジネスが儲かるならやってみよう」と思う人もいます。ですが、まったくの素人が参入して成功するほど空き家再生ビジネスは甘くありません。
ネット上で「空き家ビジネスはもうからない」といったネガティブな情報が多いのは、詳しくない方や、知識が偏った方などが参入して失敗しているからです。
不動産の目利き、リノベーション費用を抑えるノウハウ、販売方法や販売先の選定など多くのノウハウや経験が必要です。
こうしたノウハウのある業者しか参入できません。
04まとめ
買取再販を行っている業者であれば、空き家再生ビジネスには参入できそうです。ただ、空き家の多くは売却が難しい地域にあるから空き家になっているともいえます。
特定の資格は要しないものの、不動産の目利きやノウハウも必要です。
空き家ビジネスは一部の業者による活動が続くでしょう。
空き家の活用策のひとつである空き家再生ビジネスの活性化が望まれます。
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