空き家を飲食店として借りるときのポイント

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空き家は居住用途以外にも、飲食店として借りる選択肢があります。
飲食店は居住用とは異なる点もあり、借りる際に家主と交渉・合意をすることで後のトラブルを解決することができます。

空き家を飲食店として借りるときのポイントをまとめます。

01空き家を飲食店として借りるポイント①:立地

空き家を飲食店として借りる場合、既に何かしらの用途で使われていたり、居住用を飲食用に切り替える場合に物件が持ち込まれることが多いです。
内装や費用条件で割り引かれていることも多いですが、そもそも空き家になった理由を考えて判断するようにしましょう。

立地が悪く空き家になっている場合は、店舗運営の難易度が著しく上がるため注意が必要です。
ただ飲食店の立地は独特ともいわれます。
ほかの用途では上手くいかない物件でも、飲食店だと込み入った立地が功を奏し、隠れた名店になる可能性もあります。

ポイントはノウハウのある方の意見を参考にすること
飲食店コンサルタントなどの専門家を有効に活用するようにしましょう。

また実際に立地を計測するのもお勧めです。
朝から夜まで候補地に立ち、人の流れを確認します。
喫茶店や小物販売などは昼中心、居酒屋やバーならば夜中心です。
自分が描いている飲食店のプランに適した立地なのかを、念押しで確認するようにします。
著名な飲食店チェーンのオーナーも、この部分は自分で足を運んで確認することの多い大事なポイントです。

もうひとつ大切なのは「ペルソナ」です。
仮に自分が手軽な居酒屋を想定している場合は、ビジネスマンや大学生の流れを見ます。

彼等はあらかじめ予約もしますが、外観を見て飛び込み来店する可能性も高いためです。
最寄駅から距離のある物件などは特に、自然な人の流れを見て来店客を予測するシミュレーションが大切です。
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02空き家を飲食店として借りるポイント②:居抜き条件

空き家を飲食店として借りるポイントの2つ目は居抜き条件です。

居住用の場合は真っ新な状態で引き渡されることも珍しくないですが、以前飲食店などとして借主がいた場合、内装や設備がそのままになっていることがあります。
初期投資を抑えたい新規入居希望者にとって、これはとても歓迎すべき状況です。

本来は入居者側で負担しなければならない設備費を、軽いメンテナンスのみで利用することができます。
当然利用には貸主の許可が必要ですが、貸主も自己負担で居抜きを撤去してから貸し出すより、「使えるところは使って」となる場合が多いです。
前項①の立地が問題なければ、居抜き条件で物件を決めるのもひとつの方法です。

ただ、外見上何も問題がなくても、借り手から様々なトラブルが起き、結局あたらしく内装工事を入れるのとさほど費用が変わらなかったという話も聞きます。
問題ないのは見た目だけというケースに注意しましょう。

居抜きは内装のほかにも、水回りや外構なども確認の対象です。
必ず借りたときにどれくらいの費用がかかるのかを計算して検討するようにしましょう。

なお借家の場合、設備に不具合があった場合の負担は貸主であることが多いですが、契約書で決まっている場合もあります。
貸借時の信頼関係が継続して続くように、契約書は念入りにチェックすることが大切です。
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03定期借家と普通借家の違い

法律的な部分にもポイントがあります。
空き家を飲食店として借りる場合、貸主や仲介の不動産会社に定期借家を提示される場合があります。

通常不動産賃貸は普通借家契約です。
普通借家は借主が望む場合、継続的に物件を賃貸する義務があります。
定期借家の場合、賃貸の期限が決まっていることが多いです。

たとえば貸主の友人が将来的に飲食店の経営を考えているとします。
それまでの有効活用として第三者に貸し出す場合、貸主は定期借家を提示します。

またトラブル防止の意味合いもあります。
ゴミを散らかしておくなど借主に衛生的・治安的な問題があった場合も、普通借家制度だと貸主からの立ち退き要求は実現しないことも多いものでした。
貸主が不利を被る事態を受け、2000年に定期借家制度により導入されました。

飲食店をスタートするときに、あまりイニシャルコストをかけたくない場合は定期借家の物件を選ぶのも1つの方法です。
多くの物件の場合、成約の強い定期借家は割引価格で設定されています。
また内装工事をする場合も、普通借家に比べて制約が無いことも多いです(もちろん退去時にはすべて借主側で退去することが前提です)。
飲食店開店目的で物件を探す場合は、普通借家と定期借家どちらがいいのかを検討するようにしましょう。


空き家を飲食店として借りるときのポイントをまとめました。
賃借後のビジネスが軌道に乗るか、かつ法律的な制約、恩恵がどのようなものかを判断し、意思決定するようにしましょう。
飲食店の出店は借り手にとって大きな勝負です。空き家を上手に活用し、成功確率を上げていきましょう。


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