これからの空き家関連ビジネスの可能性について

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これまで空き家の現状や法律面(主に空き家対策特措法)について詳しくお伝えしてきました。

空き家の問題はどちらかというネガティブな論調が多く、今後もまた特措法の改正という形で管理不全空き家制度も開始します。
より放置する所有者には厳しく、行政執行までの期間とハードルが低い状況が続く可能性が高いといえます。

その一方で、空き家の現状をプラスに捉え、新しいビジネスにしようとする動きも生まれてきています。

では、どのような発想とノウハウの活用があるのでしょうか。

今回は空き家関連ビジネスの今後の可能性について分析していきます。

01インターネットを介した空き家マッチングサイト

空き家を自分の好みに改修して移住したいというニーズはあります。
ただ、以前からの不動産仲介では物件の魅力はなかなか伝わりません。


最近注目されている空き家ゲートウェイは全国の不動産物件を100均(100円・100万円)物件に絞って紹介しているサイトです。

このサービスの特徴は、物件情報の詳しさです。
写真も多く、実際に足を運んでみたような充実した情報を取得することができます。
空き家物件を購入してリノベーションする場合も、そこまで手をいれなくてもDIYする場合も、買い手の想像力を搔き立てる工夫が効果的です。


また、不動産仲介の大手であるLIFULLとアットホームが公募で手を組んで展開する全国版空き家・空き地バンクのサービスも注目です。
日本を代表する不動産大手企業が運営しているメリットを生かし、空き家+別機能の物件検索ができるなど利便性が高いのがポイントです。

そのほかにも全国各地で空き家関連のビジネスが展開されています。
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02コロナ禍で流行した空き家ビジネスは今後どうなるか

さて、今後の空き家のビジネスを考えるにあたって、コロナ禍の終結によるビジネスの将来図も大切なポイントです。

2020年夏からのコロナ禍では地方でリモート環境のもと仕事をする体制が整備され、コワーキングスペースやシェアオフィス、一時的な貸し出しなどが流行りました。
統計があるものではありませんが、大手企業を中心にリモートから出社型に回帰しているという報道も目立ちます。

受け入れる空き家においては優位性のあるコワーキングスペースのため、いわゆる内装に改修をかけたものも目立ちます。
今後、必然的にニーズが減少するなかでどのように生き残っていくか、問われることになるでしょう。

とはいえ予算には限界がありますので、某都会型シェアオフィスが提供するビールの飲み放題などは現実的に不可能です。
地元食材や自治体と提供して、どのようなシナジーを生み出していくかが期待されます。
ハードルが高いことは間違いないですが、だからこそ豊かな発想力が問われています。

たとえば今後コロナ禍で回帰するものに、日本に長期間在住する外国の方の居住問題があります。
改めて復活する在住ニーズに対して、ネガティブな反応を示すアパートのオーナーなども少なくはないでしょう。
一時期流行した民泊の延長のように、リノベーションのうえでニーズに応えるビジネスが期待されます。

特に大都市圏のベットタウンの空き家などは、大きな追い風となっていくでしょう。
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03管理不全空き家回避の清掃ビジネスが流行るか?

積極的な空き家の活用が難しければ、やむを得ず放っておくという選択肢が出てきますが、ここで怖いのが強化される空き家関連法です。

特に前述した、2023年に制定された管理不全空き家の指定(空き家特措法の改正)では、治安面・衛生面で行政から指摘された物件は特定空き家として指定され、建物を建てておくうえでメリットとなっている固定資産税と都市計画税の軽減措置の対象外とされてしまうリスクがあります。(管理不全空き家制度の詳細によっては、更に厳しい法改正となる可能性もあります。)

とはいえ親の居住していた実家を親の死後に相続した場合に、既に自分が居住している地域と距離が離れている場合などは定期的に管理をしたり、清掃をしたりということはそう簡単ではありません。
だからこそ管理不全空き家となる可能性がある物件に対して、所有者の許可もしくは委託を受けた形で訪問し、清掃をするビジネスが流行するのではないかと考えています。

全国的なネットワークを持つ清掃業者であればノウハウはあるため、高いハードルではないでしょう。
なかには該当する行政機関と交渉を代行し、行政執行のリスクを少なくするような行政折衝も代行するビジネスも求められていると考えます。

現状の空き家をめぐる環境は深刻な状況です。
だからこそ行政の姿勢にも強制性が見られます。
ただ、ピンチはチャンスです。
さまざまなノウハウを持つ民間ビジネスが、時に行政と連携を組んで、空き家ビジネスの未来図を提唱することでしょう。
それを楽しみにし、自分の環境と合えば積極的に活用するのも、空き家の未来を救う大きな動きになっていくのかもしれません。


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