空き家は治安と衛生の維持が最も難しいといわれます。
最も懸念すべきは空き巣が入るリスクです。
空き巣によって屋内が荒らされ、盗難はもちろん破損や放火の恐れもあります。
理由あって空き家を所有する立場としては、優先して空き巣のリスクを防止したいもの。
ただ誰も住んでいない家屋をどのように空き巣から守るのか、なかなか見当もつきません。
セキュリティサービスが各社から提供されていますが、費用面から空き家にまで必要なものかという疑念もあります。
空き巣の被害を防止するために、持ち主はどのような手を打てば良いのでしょうか。
01空き家管理は居住地からの距離で対策が変わる
居住地から近い空き家の管理として効果的なのは、定期的な見周りです。見周りや清掃を継続していると空き巣から居住の可能性があると判断される可能性が高まるほか、周囲住民への安心感にも繋がります。
後述するように日本における空き家数は増えているため、近隣住民とコミュニティを形成して空き家管理ができるようになれば、管理コストも減少します。
当然ながら空き巣は人が住んでいる時間には基本入り込みません。
通報や返り討ちの可能性があるためです。
定期的に清掃することによって空き家ではないと誤認させ、空き巣に入られるリスクを軽減することができます。
外部から見えるカーテンを定期的に変えたり、使わなくなった自転車を玄関前に置く、洗濯物を干すなどの工夫をお勧めします。
多くの空き巣は侵入前に下調べをするため、定期訪問の際は敢えて外に出ているのも効果的です。
空き巣に対し、もしかしたらこの家は空き家ではないかもしれないと誤認させます。
空き家侵入防止の施錠管理はどの程度意識すべきか
居住地から近くとも、空き家には施錠管理が必要です。一般的な鍵だと突破する空き家もいるため、プラスして量販店で販売しているような強化策をお勧めします。
僅かな初期投資により、さほどコストをかけずとも侵入リスクを引き下げることができます。
よく聞くのは、空き巣は侵入に10分手間取ると撤退するという統計です。
ならば侵入家屋に狙われたとしても、10分手間取るようにしたいものです。
居住地に近いとはいえ常時空き家を監視するのは不可能なので、空き巣が侵入を諦める工夫を随所に配置したいものです。
02居住地から遠ければホームセキュリティを検討する
一方、居住地から遠ければホームセキュリティを検討しましょう。自宅に常設するような多機能のセキュリティは必要ありません。
セキュリティサービスの提供社によっては空き家用の簡素なものを販売しているところもあるため、積極的に利用しましょう。
空き家向けのセキュリティサービスは今後も拡大?
空き家の数はいま、大きな社会問題となっています。かつて使われていた統計が総務省統計局の「平成30年住宅・土地統計調査」です。
この資料によると日本の空き家は約848万9000戸と算出され、次回調査では1000万戸の大台を超えるのではと注目されていました。
ところが令和5年現在、統計発表は行われていません。客観的数字が無くなったものの、実質は1000万戸を超えているのではないかともいわれています。
そう考えると、居住地から遠い場合のセキュリティサービスは今後も拡大することが期待されます。
管理したい空き家用途にともなって多様かも進んでいくでしょう。
自分の所有する家屋に必要な規模感、価格帯を選別しながら、加入するタイミングを見定めていきましょう。
03在宅していようと強行する強盗に注意
空き巣の残虐化も記憶に新しいところです。2022年頃後半から、空き巣ではなく在宅時を狙って強盗に入る残虐な事件が報じられました。
実行犯に対する指示部隊がフィリピンにいたことからセンセーショナルに報じられましたが、決してテレビの向こうの話ではなく、日常生活の延長上にあるリスクです。
容疑者グループは一斉検挙されましたが、今後も同様の犯罪が繰り返される犯罪があり、空き家管理にも大きく影響します。
実際に空き家を見にいったときに強盗犯に出くわし、身体的被害を受けたという報告もあります。
家計的な余裕があるのなら、これまで必要ないと判断した物件に対しても、ホームセキュリティの設置をベースに検討した方がいいでしょう。
空き家に貴重品を置かなければ何も獲れるものはないという前提が、少しずつ崩れているのかもしれません。
また空き家を定期訪問する際は、一段と用心したほうが良いでしょう。
無防備に玄関から入るのではなく、窓や外壁などを見て何か異常が無いかを確認してから踏み入れることをお勧めします。
万が一空き家内で強盗犯と対峙すると、ケガをするリスクは格段に高くなります。
社会の治安悪化にともない、空き家の管理は従来よりもリスクが増しています。
所有する空き家の条件において必要性を鑑み、可能な手を打っていきましょう。
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