空き家に関する法律の改正で空き家対策が強化される?令和5年の改正点とは|空き家の管理会社を探すなら安心の全国サイト

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年々増加する空き家問題を解決するために、空き家対策特別措置法や空き家再生の促進事業など、政府は法律を定めてさまざまな取り組みをおこなっています。

そこで今回は、空き家に関する法律である空き家対策特別措置法の改正案や民法の改正点、空き家の譲渡特例などの改正点についてご紹介します。

空き家を所有している方や相続予定の方は、ぜひ参考にご一読ください。

01空き家再生の対策が強化?令和5年の改正案とは

国土交通省は、少子高齢化により増加の一途をたどる空き家について、所有者に適切な管理を促す目的で「空き家等対策の推進に関する特別措置法」を定めています。
その空き家対策特別措置法の改正案が、令和5年3月上旬に空き家再生の対策を強化するために国会に提出される予定となりました。

では、空き家対策特別措置法とはどんな法律で、どのような点が改正されるのでしょうか。



空き家対策特別措置法とは

空き家対策特別措置法は、正式には「空家等対策の推進に関する特別措置法」と呼ばれる法律で、平成27年2月に施行されました。
同年5月には特定空家等に対する措置の規定が施行され、この法律によって以下の取り組みがおこなわれています。

●空き家の実態調査
●所有者に対して空き家の適切な管理を指導
●「特定空家」に指定された所有者に対する助言・指導・勧告・命令
●特定空家に対する行政代執行や税制優遇の除外措置
●空き家の再生や跡地の活用を促進


この法律が制定された背景には、放置される空き家が増えたことによって防災面や衛生面、景観など、住環境への悪影響があったからです。
そのため、危険な空き家の立ち入り調査や所有者に対する管理指導を行政がおこなえるように空き家対策特別措置法が定められました。

危険性のある空き家については、所有者が改善指導に従わない場合に、固定資産税の優遇措置の適用除外や強制的に解体するなどのペナルティを講じています。


関連記事:特定空家ってなに?国が定めたガイドラインの内容をご紹介します!



空き家対策特別措置法の改正案とは

国土交通省が、令和5年3月上旬の国会で空き家対策特別措置法の改正案を提出する予定であることが判明しました。

現時点で判明している改正案のポイントは以下の2点です。

●空き家活用の促進区域の設定
●「管理不全空き家」の規定


空き家活用の促進区域は市町村が設定し、空き家をカフェや宿泊施設などへ転用しやすくするとのことです。

また、特定空家とは別に「管理不全空き家」を新たに規定。
行政は管理不全空き家の所有者に対して、特定空家と同様に適正な管理を指導・勧告したり、税の優遇措置を解除できたりするようになります。
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02空き家問題の解決策になる?令和5年4月の民法改正とは

空き家が増加する問題の背景には、少子高齢化による人口減少だけではありません。
相続関係が複雑だったり、所有者が不明だったりなどもあります。

そこで政府は民法を改正し、相続制度の見直しや相続登記の義務化、所有者不明土地問題の解決を図っています。



令和5年4月に施行される民法の改正点とは

令和5年4月に施行される民法改正のポイントは、以下の4点です。

●相隣関係の規定を見直し
●共有制度の見直し
●所有者不明土地の管理制度等の創設
●相続制度の見直し


相隣関係の規定とは、隣り合わせの土地の所有者同士の権利関係に関する規定のことです。
今回の相隣関係の規定の見直しではいくつかの改正点がありますが、空き家に関するもので重要なのは隣地の竹木の枝が越境してきた場合の規定についてです。

空き家の庭に生えている竹木の枝が越境してきた場合、これまでは勝手に切除することができなかったため、所有者が不明だったり非協力的だったりした際に問題となっていました。
そこで今回の民法改正では、所有者が不明などの一定の要件を満たす場合に越境された土地の所有者は、越境してきた枝を切除することができるようになりました。

共有制度の見直しでは、共有関係を解消しやすくする仕組みの創設などが改正点となり、空き家を複数人で相続した場合でも管理や処分がしやすくなります。
所有者不明の土地については、管理制度等の創設がおこなわれ、裁判所で選任された管理人が管理されていない土地や建物を管理することができるようになりました。

相続制度の見直しでは、放置される空き家がこれ以上増えないように、相続財産の管理に関する規律の見直しや精算に関する規律の見直しなどが改正されます。

たとえば、空き家を相続放棄しても、放棄時に占有していた場合は相続人や相続財産清算人に引き渡すまで管理・保存をしなければいけない点が明記されました。



令和6年4月1日施行される相続登記の義務化とは

令和6年4月には、民法改正によって不動産登記に関する制度も見直されることになりました。
相続登記が義務化されることによって、相続人は相続により所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。

正当な理由がないにもかかわらず相続登記をしなかった場合には、10万円以下の過料が科されます。


関連記事:2024年から相続登記が義務化される?法改正の経緯や影響について解説 空き家について今すぐ相談

03「空き家の譲渡特例」が延長される?令和5年の改正点とは

令和5年の税制改正大綱によって、空き家の譲渡特例や贈与税に関する改正点が判明しました。



空き家の譲渡特例とは

空き家の譲渡特例とは、相続した空き家を売却した際の3,000万円特別控除のことです。
空き家を売却した際に利益が出た場合は、利益である譲渡所得に対して所得税や住民税が課されます。

それが、空き家の譲渡特例を使うことによって譲渡所得から最大3,000万円を控除することができるようになるため、節税効果の高い税金特例となっています。

この空き家の譲渡特例は、平成28年4月1日から令和5年12月31日までが適用期限でしたが、今回の令和5年の税制改正大綱によって4年間延長されることになりました。
4年間延長されると、令和9年12月31日まで空き家の譲渡特例を利用できるようになります。

また、適用範囲も拡大し、空き家の譲渡後に買主が解体または耐震改修をした場合にも適用となります。



贈与税の改正点

空き家を親や祖父母から贈与された、あるいは贈与される場合は贈与税も気になるところでしょう。

令和5年の税制改正大綱によって、贈与税の「暦年課税」と「相続時精算課税」の制度も見直されました。

具体的には、相続税に加算する生前贈与の期間が3年から7年に延長されたり、相続時精算課税制度が簡略化されたりしますよ。

このように、今回の税制改正によって、相続した空き家の売却が促進されたり、より早い段階から贈与したりなどが期待されますね。
とくに、空き家を相続した方は、空き家の譲渡特例が適用されるうちに売却を検討すると良いでしょう。


関連記事:空き家の贈与におけるポイント!メリット・デメリットや相続との比較 空き家について今すぐ相談

04まとめ

今年は、空き家対策特別措置法の改正によりますます空き家対策が強化され、空き家再生もしやすくなることが期待できます。
民法改正により令和5年4月から相続制度の見直しや共有制度の見直しも施行されるため、複数人で空き家を相続した方は処分や管理がしやすくなるでしょう。

税制面でも、空き家の譲渡特例や贈与税の改正があるため、要チェックです。
ぜひ、この記事を参考に空き家の利活用をご検討ください。


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