2030年に神戸空港が国際化することが決定し、大きなニュースになりました。
2025年には大阪・関西万博も開催されるため、関西地方のインバウンド需要に大きな期待が持てます。
そこで今回は、神戸空港の国際化が空き家活用にどのような影響を与えるのか、神戸市の空き家対策や活用事例をご紹介します。
神戸市に空き家をお持ちの方は、ぜひ参考にご覧ください。
空き家活用への影響は?神戸空港の国際化
2022年9月18日に、大阪市内で「関西3空港懇談会」がおこなわれ、2030年頃を目途に神戸空港を国際化することが決定しました。
神戸空港の国際化によって神戸市内への訪日外国人客の増加が期待でき、地元の観光地からは喜びの声が集まっています。
関西3空港懇談会では、兵庫県知事や神戸市長をはじめ、大阪府知事や関西経済界のトップが集まり、関西空港、伊丹空港、神戸空港の3空港の役割について議論されました。
そこで、2025年の大阪・関西万博の際に多くの訪日外国人客を受け入れるために神戸空港でも不定期の国際チャーター便を就航させることが決定しました。
その後は段階的に神戸空港の国際化を進めていき、2030年頃には1日40回の発着を上限に国際定期便を就航させることが決まりました。
神戸市の賃貸需要が高まる?
では、神戸空港の国際化は空き家活用にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
神戸市は、神戸空港が国際化されると旅客数は年間約700万人、国際線は東アジア方面を中心に約190万人が見込めると予測しています。
旅客数が増えると、南京町や北野異人館街をはじめとした人気観光地を中心に、神戸市内の経済が潤うことが期待できるでしょう。
また、地域経済が潤うことで雇用も増加し、地方から神戸市内や兵庫県内へ人口が流入することも考えられます。
神戸市内に就業者が増えれば、その分賃貸需要の増加も大いに期待できるでしょう。
インバウンドで民泊需要も期待できる?
神戸空港の国際化によって神戸市内にインバウンド(訪日外国人客)が増えれば、民泊需要も期待できます。
とくに昔ながらの日本家屋は、日本の文化を感じられることから訪日外国人客に人気があります。
神戸市内で築年数の古い空き家を所有している方は、これから民泊ビジネスのチャンスがあるでしょう。
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神戸市の空き家事情や対策とは?
神戸空港の国際化によって、神戸市内の空き家活用には大きなチャンスがあります。
では、現在の神戸市内の空き家事情や対策はどうなっているのでしょうか。
神戸市の空き家事情と取り組みについてご紹介します。
神戸市の空き家事情
異国情緒があふれ、夜景がきれいな神戸市は空き家のイメージがあまりないですよね。
しかし、2018年の「住宅・土地統計調査」によると、神戸市内の空き家数は10万9,200戸、空き家率は13.3%とあります。
全国の空き家率である13.6%は下回っているものの、2013年の同調査から空き家率は0.2ポイント上昇しています。
神戸市の空き家率の増加の最大の原因は、少子高齢化です。
国勢調査によると、神戸市内の世帯総数のうち高齢者のみで構成される世帯数の割合は増加傾向にあり、2015年度時点で約24%となっています。
また、持ち家に住んでいる高齢世帯は68%を占めており、今後も相続を原因とする空き家が多数発生することが予測されています。
そのため、全国と同様に神戸市でも少子高齢化に伴う空き家の増加問題に対する対策が必要です。
神戸市の空き家対策
では具体的に、神戸市ではどのような空き家対策が取られているのでしょうか。
神戸市のホームページを参考に、取り組み内容をご紹介します。
神戸市の主な取り組みは以下の4つです。
●空き家等活用相談窓口の開設
●既存住宅への住み替え支援
●空き家・空き地地域利用バンクの推進
●空き家・空き地地域利用応援制度の創設
空き家等活用相談窓口では、建築士や宅地建物取引士などの専門家が空き家の活用に困っている所有者の相談にのります。
既存住宅への住み替え支援とは、空き家のリノベーションなどの住み替えにかかる工事費用について一部補助金を出す制度です。
空き家・空き地地域利用バンクでは、地域での活用(転活用)を推進するために、空き家を地域のために「使ってほしい方」と「使いたい方」のマッチングを支援しています。
空き家・空き地地域利用応援制度とは、空き家を地域利用する場合の改修費や維持費などを支援する制度です。
このように、神戸市では空き家所有者と空き家を利用したい方のそれぞれに対して、相談や支援をおこなっていますよ。
そのほか、老朽化した空き家の解体費用につき一部補助金が受けられる制度もあります。
神戸市の空き家活用事例とは?
では実際に、神戸市の空き家を活用した事例も気になりますよね。
最後に、神戸市の魅力的な空き家活用事例をご紹介します。
地域活性化の拠点としての空き家活用
神戸市の空き家・空き地地域利用応援制度を利用して空き家を改修し、地域の交流の場として活用している魅力的な事例がいくつかあります。
たとえば「淡路屋」という駄菓子屋さんでは、隣続きの空き家を買い取って補強工事をおこない、駄菓子屋に来た子どもと大人の交流の場として活用。
子どもたちが宿題をする場所として使われたり、アート展の会場として使われたりなど、体験学習や創作活動の場として地域住民に親しまれています。
また、シロアリ被害のある空き家を改修工事した「一般社団法人Bokk Jambaar」は、再生した空き家を拠点にセネガルと日本をつなぐ活動に取り組んでいます。
このように、神戸市の支援制度を利用して空き家を地域活性化の拠点に活用するとは素晴らしいですね。
みんなでDIYをおこなって空き家活用
神戸市開設の空き家活用事業支援サイト「みんなでつくろう」では、神戸市で活動するDIYチャレンジャーによる空き家のリノベーション事例を見ることができます。
空き家を活用するために業者に依頼してリノベーションするとなると、費用がかかって大変ですよね。
そこで「みんなでつくろう」のサイトでは、自らリノベーションをおこなうDIYによって空き家がどのように再生するのかを情報共有しています。
たとえば、アーティストが集う村づくりの一環で集落にある廃屋や古家のDIYをおこなっている事例やシャッターどおりの市場にある空き店舗を活用して畑を作っている事例などがありますよ。
建築家との協働による空き家活用
神戸市は、2022年度に新たに「建築家との協働による空き家活用促進事業」をスタートしました。
この事業は、空き家所有者と建築家が協働で空き家を魅力的に再生し、地域活性化のために活用する場合に、改修費用の一部を補助する制度です。
この制度によって、さらに神戸市の魅力が高まる空き家活用の事例が生まれそうですね。
ちなみに、建築家による空き家再生の事例としては、空き家再生等推進事業を活用して空き家を改修し、地域のコミュニティ拠点へと再生した神戸市の私設図書館「世界のはしっこ Books&Field」が挙げられます。
「世界のはしっこ Books&Field」の事例のように空き家を洗練された建築デザインで魅力的に再生できれば、空き家問題の解決だけでなく、さらなる地域活性化も期待できますね。
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まとめ
2030年を目途に神戸空港が国際化されることによって、さらなる発展が期待される神戸市。
神戸市に空き家を所有している方は、賃貸物件や民泊として活用するチャンスがあるでしょう。
空き家の活用や管理にお悩みの方は、お住まいの地域の不動産管理会社に相談することをおすすめします。
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