2022年問題で空き家が増える?生産緑地制度の影響と対策を解説!

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2022年問題で空き家が増える?生産緑地制度の影響と対策を解説!

2017年頃から今年にかけて不動産業界では「2022年問題」が不動産市場を混乱に招くのではないかと懸念されていたことをご存じですか?
とくに空き家の売却をご検討中の方は、2022年問題によって相場にどのような影響が及ぶのか気になるところでしょう。
そこで今回は、2022年問題の概要や政府の対策、空き家所有者は今後どのように対処すれば良いかについて解説いたします。
ぜひ、参考までにご覧ください。

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2022年問題とは?空き家への影響

そもそも2022年問題とは何のことなのかよくご存じでない方もいらっしゃるでしょう。
2022年問題とは、生産緑地制度の期限が2022年に到来することによって起こるさまざまな不動産市場への影響のことです。

生産緑地制度とは

生産緑地制度とは、1974年に制定され1991年に改正がおこなわれた生産緑地法に関する制度のことです。
生産緑地とは都市部における農地で、固定資産税や相続税などの税制優遇がある土地のことです。
生産緑地に指定された土地の所有者は税制優遇がある代わりに、1992年から30年間は農業を継続する義務が課されました。
その農業を継続する義務や税制優遇の措置がなくなる期限が2022年なのです。

生産緑地制度に指定された都市とは

生産緑地制度に指定されている都市とは、主に東京23区と3大都市圏である首都圏・近畿圏・中部圏内の政令指定都市です。
また、そのほか整備法に規定された一部地域も対象となります。
国土交通省の調査によると、生産緑地の数は1万ha以上もあるとされており、約8割が2022年に期限が到来するとしています。

生産緑地制度の期限が到来することによる問題点

では、生産緑地制度の期限が2022年に到来することによって、どんな問題が起こるのでしょうか。
主に懸念されている問題点は、以下の3つです。

●不動産相場の下落
●アパートやマンションの増加
●空き家の増加


もっとも心配されているのが、土地の売却が増えることによる不動産相場の下落でしょう。
土地の売却が増えるといわれているのは、生産緑地制度の期限が到来することによって税制優遇の措置がなくなるためです。
また、生産緑地制度の農業を継続する義務がなくなることで「農地を宅地に転用する所有者が増えて、アパートやマンションが増えるのではないか」との声もあります。
アパートやマンションが増えると、その分住宅の供給が過多になり、空き家の増加も懸念されます。
そのため、不動産業界で「2022年問題」として話題にあがっているのです。
空き家所有者としても、空き家が増加すると売りにくくなるため困りますね。

2022年問題で空き家が増加?政府の対策とは?

前章でも述べたとおり、空き家が増加することが懸念されていた2022年問題ですが、実際には政府の対策により2022年10月時点ではさほど大きな問題とはなっておりません。
では、政府は2022年問題に対してどのような対策を取ったのでしょうか。
主な対策は以下の3つです。

対策①特定生産緑地指定制度の創設

政府は2017年に生産緑地法を改正し、特定生産緑地指定制度を新たに設けました。
特定生産緑地指定制度によって以下の点が改正されています。

●税制優遇措置が10年間延長
●自治体への買い取り申し出の期間が10年間延長


各自治体が所有者の同意を得て期限が到来するまでに「生産緑地」を「特定生産緑地」に指定すると、固定資産税などの税制優遇の特例措置が10年間延長されることになりました。
また、特定生産緑地指定に伴い、自治体への買い取り申し出も10年間延長されています。
さらに延長から10年経過後も、繰り返し10年の延長ができるようになっています。
この対策により、2022年を迎えても生産緑地から宅地へ転用する所有者はあまり見られず、不動産相場の影響は今のところありません。
実際に、国土交通省が練馬区と世田谷区の生産緑地所有者におこなった事前アンケート調査によると、約6割もの所有者が特定生産緑地を選択すると回答しています。

対策②生産緑地地区の最低面積を引き下げ

生産緑地法の改正前は、指定する生産緑地の最低面積は500㎡以上の農地と定められていました。
その最低面積の定めが2017年の改正により、自治体によって300㎡まで引き下げることが可能となりました。
この改正によって、生産緑地に指定できる土地が増え、また「一部相続によって最低面積を下回り、指定が解除される」という問題点も解消されました。
さらに、生産緑地地区における建築規制も緩和されています。
改正前は、生産緑地に指定された土地には農業施設しか建設することができませんでしたが、改正により農産物の直売所や農家レストランなどの施設も建築可能となりました。
この建築規制緩和によって所有者は選択肢が広がり、農業の経営がしやすくなったことでしょう。

対策③都市農地賃借法の制定

2018年には、都市農地賃借法が制定されました。
都市農地賃借法とは、所有者が農地をほかの農家や事業者へ直接貸すことができる法律です。
これまでは所有者自身が営農しなければいけない決まりがありましたが、都市農地賃借法によって他者に農地として貸すことで活用してもらえる機会が増えました。

2022年問題について空き家所有者はどう対処する?

2022年問題についてわかったところで、空き家所有者はどう対処すれば良いのかも気になるところでしょう。
2022年10月時点では、2022年問題で懸念されていた不動産相場の下落や空き家の増加はとくに問題となっていません。
しかし、前章で解説した「特定生産緑地指定制度」は10年ごとの更新となるため、今後10年ごとに生産緑地の指定が解除されると土地の売却が増える可能性があります。
また、2022年問題だけでなく少子高齢化により空き家は年々増加しています。
そのため、空き家を所有している方で売却をご検討中の方は、高く売れるときに売っておくことをおすすめします。
売却以外にも空き家を賃貸物件として活用する方法もあります。
賃貸物件として活用すれば、家賃収入を得て空き家の維持費や管理費に充当することができます。
空き家は活用せずにそのままにしておくと、以下のようなリスクがあります。

●特定空家に指定されるリスク
●工作物責任を問われるリスク
●家屋の価値が下落するリスク


行政の指導を受けても空き家を適切に管理せずに放置した場合「特定空家」に指定され、ペナルティが課されたり強制的に空き家が取り壊されたりするリスクがあります。

関連記事:特定空き家ってなに?国が定めたガイドラインの内容をご紹介します!

また、空き家の屋根などが放置によって劣化し、台風で飛ばされるなどで通行人や近隣住民にけがを負わせてしまった場合は、工作物責任に問われて損害賠償を請求されるリスクもあります。
さらに、建物の価格は築年数によって下落していくため、そのまま放置しているとどんどん資産価値も下がってしまいます。
そのため、空き家を所有している方はそのまま放置せずに適切に管理し、売却や活用をご検討ください。
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まとめ

今回は、2022年問題の概要や政府の対策、空き家所有者は今後どのように対処すれば良いかについて解説いたしました。
2022年問題とは、生産緑地制度の期限が2022年に到来することによって起こるさまざまな不動産市場への影響のことです。
2022年問題に限らず年々空き家は増加傾向にあるため、空き家の売却を検討中の方は高く売れるタイミングで売っておいたほうが良いでしょう。
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