空き家の傾きは売却に影響する!契約不適合責任には要注意!

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空き家の傾きは売却に影響する!契約不適合責任には要注意!

相続などで空き家を所有した際に、売却という選択肢を選ぶ方は少なくありません。
その空き家が傾いている場合、売却が難しくなるケースや売却価格に影響するケースもあります。
また、売却後に傾きが判明すれば、契約不適合責任を問われる可能性もあるため、注意が必要です。
そこで、今回の記事では空き家の傾きについて、その定義や売却への影響を中心にご解説していきましょう。

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売却に影響する空き家の傾き!国が定めた定義とは?

はじめに、空き家の傾きの定義や、家の傾きが引き起こすリスクについてご紹介しておきましょう。
空き家が傾いていると一言に言っても、それぞれの空き家によってその傾き度合いは異なります。
また、上記で述べたとおり、空き家を売却する場合にその傾きについて特に注意が必要なのが、売却後に傾きが発覚すれば契約不適合責任を問われる可能性がある点です。
そこで、契約不適合責任を問われるのはどの程度の傾きであるのか、まずはその定義について見ていきましょう。
一般的に、空き家などの中古住宅の取引をおこなうにあたって、取引後に契約不適合責任を問われるといったトラブルを回避するために実施するのが、既存住宅状況調査、すなわちインスペクションです。
インスペクションでは、国土交通省が認可した取引士が、国のガイドラインに基づき、対象となる家屋の劣化や不具合の状態を把握するために調査を実施します。
家屋の傾きの度合いも、このガイドラインに示された調査項目の一つです。
調査対象となるのは柱と床部分の傾きで、傾きがあると認められるのは、それぞれ6/1000以上の傾斜が認められた場合です。
2.5メートルの柱であれば1.5センチメートル以上、5メートル四方の部屋の床部分であれば3センチメートル以上のズレが生じている場合がこれに該当します。
また、国土交通省が住宅の取引において契約不適合責任となる基準を法的に定めているのが品確法で、ここでも家屋の壁や柱の傾きについて、契約不適合責任となる可能性に関する基準が定められています。
これによれば、責任が問われる可能性が低いのが3/1000未満の傾斜、ある程度責任ありとされるのが3/1000以上6/1000未満の傾斜、責任が問われる可能性が高いのが6/1000以上の傾斜とされています。
このように、床や柱の傾斜という点から見ると、6/1000以上の傾斜が認められれば契約不適合責任を問われる可能性が高いということになります。
ただし、空き家の傾きがこの基準値以下であったとしても、その傾きにより家屋に劣化や不具合が発生し、住居として住むにあたって問題があると判断されれば、契約不適合責任に問われる場合があります。
家屋の傾きにより起こりうる不具合で、契約不適合責任に問われる可能性がある例としては、扉や窓の建具の不具合や水回りやベランダの排水不良、室内外の壁のひび割れなどがあります。
また、意外なケースとしては、家の傾きが原因で平衡感覚が正常に機能しなくなり、めまいや吐き気といった体調不良に悩まされることもあります。
空き家の売却の際には、家屋の傾きそのものだけでなく、傾きにより生じるこれらの不具合にも注意することが重要です。

空き家の傾きは売却価格にどれくらい影響するの?

空き家の売却をお考えの際に気になることの一つが、売却価格です。
ここからは、売却したい空き家が傾いていた場合、その物件がいくらで売れるのかについてご解説していきましょう。
購入希望の空き家が傾いていれば、修繕を施したのちに居住することが一般的です。
これは、傾いた家に住むことにより、様々なトラブルが発生することが想定されるためです。
まず考えられるのは、上記でも触れたように、建具の不具合や壁のひび割れ、排水不良といった不具合です。
さらに、建物のゆがみにより基礎や土台に想定外の力がかかることで、家屋全体の強度が落ち、破損や倒壊の危険性が高まります。
また、壁の亀裂から雨水が入り込むことも、建物の強度を弱めることになりかねません。
これらの危険性から家を守り、安全に生活するためには、家屋に傾きが見られた場合、それを修繕したのちに居住すると考えるのが妥当でしょう。
このため、売却する空き家が傾いていれば、修繕工事費用分を差し引いた金額が物件の売却価格となる場合が多いでしょう。
ただし、その傾きがどのような傾きであるかによって、修繕工事にかかる金額が異なるため、売却価格も異なります。
空き家の傾きの原因が床のみであるのなら、家屋の傾きの原因は基礎部分ではなく、床を構成する土台などの腐食であると考えられます。
この場合は、比較的狭い範囲の腐食部分の修繕で済むことがほとんどですので、工事費用も100万円程度と比較的安価に抑えられるでしょう。
一方、家が傾く原因の大部分を占める基礎部分の沈下が空き家の傾きの原因であった場合、家が垂直になるまで持ち上げた上で、地盤を改良しなくてはなりません。
この場合は300万円から500万円程度かかる大規模な工事となりますので、空き家の売却価格も同様に下がることになります。

傾いた家はどうやって売却する?売却の際の注意点もご紹介

最後に、傾いている空き家を売却する場合、どのような方法で売却することができるのかについてご説明しましょう。
傾いた空き家を売却する際の選択肢としては、

●修繕なしで売却
●修繕してから売却
●家屋を除去して土地として売却


の3つがあります。
それぞれの売却方法を注意点と共に見ていきましょう。
まず、修繕せずに傾いた状態のまま、空き家を売却する場合に特に気を付けたいのが、契約不適合責任です。
傾きにより発生することが考えられる居住上のトラブルは広範囲にわたるため、契約不適合責任に問われる可能性が特に高いと言えます。
売却後のトラブルを避けるためにも、インスペクションを実施し、家屋の傾きやそれ以外の瑕疵をできる限り把握した上で、購入希望者に提示しましょう。
また、傾いた空き家を売却する際には、修繕費用分を値引きした売却価格を設定することになります。
一方、家に資産価値がないものとして「古家付き土地」で売却する場合の売却価格は、土地の価格から家屋の除去費用を引いた価格が売却価格となります。
このようにして設定した売却価格の根拠を明確に提示することも、購入希望者の信頼を得るうえで重要です。
修繕費用分を値引きする際には、業者が算出した見積もりを売却価格に反映させることをおすすめします。
また、不動産仲介会社での売却活動が難しい場合は、買取専門の不動産会社に買取を依頼する方法もあります。
傾いた状態の空き家では、買い手が見つかりにくく、売却価格も下がってしまうため、修繕を施してから売却するのは、おすすめの方法です。
この方法をとる場合の注意点として、地盤沈下の原因は場合によってまちまちであるため、原因を探ったうえで適切な修繕方法を用いる必要があることが挙げられます。
このため、まずは施工前に建築士に鑑定を依頼し、アドバイスを受けることをおすすめします。
修繕工事の後には、インスペクションを依頼し、不動産取引の際の重要事項説明でインスペクションの結果を添付し、さらに補修の履歴を告知すれば、購入希望者からの信頼も得やすく、安心・安全に取引を進めることができます。
さらに、空き家の傾きが顕著で売却が困難な場合には、家屋を除去して土地として売却することもできます。
この場合、家屋の解体費用がかかる点、また住宅用地の特例措置が受けられなくなるため、更地にしたまま売却することができないと、固定資産税が6倍になる点に注意しましょう。

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まとめ

売却したい空き家に傾きがあると、気づかずに売却してしまえば契約不適合責任に問われる、または売却価格に影響が出ることが考えられます。
契約不適合責任に問われると、賠償問題に発展する可能性がありますので、特に注意が必要です。
空き家の売却をお考えであれば、トラブルを回避するためにもインスペクションを依頼し、建築士のアドバイスを参考にすることをおすすめします。
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