空き家の外壁の亀裂に要注意!その種類・原因・対処法などをご紹介

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空き家の管理方法
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空き家の外壁の亀裂に要注意!その種類・原因・対処法などをご紹介

空き家を適正に管理していく上で、空き家の状態を定期的に確認することは重要なポイントとなります。
空き家管理で日ごろから注意して状態を確認しておきたい箇所の一つに、外壁があります。
外壁の亀裂(クラック)は家屋の倒壊につながる場合もあるため、特に注意が必要ですし、危険性が高いと判断されれば、行政から特定空き家に指定されてしまうケースもあります。
今回の記事では、空き家の外壁に生じる亀裂についてその原因や種類、リスクや対処法についてご紹介いたします。

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気になる空き家外壁の亀裂!その種類や原因とは?

空き家の外壁の素材はモルタルやコンクリートと様々ですが、どのような素材であれ、日々、紫外線や風雨など劣化の原因となる環境にさらされていることに変わりはありません。
家屋の外壁にとって避けることのできない劣化ですが、今回は外壁の劣化の中でも「亀裂」(クラック)に焦点を絞って説明していきます。
空き家の外壁の亀裂は大きく分けると、外壁表面のみに生じるものと外壁の内部から生じるものとに二分され、外壁内部に亀裂が生じた場合でも、表面の塗膜に亀裂として表出します。
このことを踏まえた上で、空き家の外壁に生じる亀裂の種類とその原因について詳しく見ていきましょう。
まず、空き家の外壁表面のみに生じる幅0.3ミリ以下、深さ4.0ミリ以下の亀裂は、髪の毛ほどの細さであることから、ヘアクラックと呼ばれます。
構造部分にまで亀裂がおよんでいるわけではなく、経過観察程度で問題ないでしょう。
この種の亀裂が生じやすいのは、モルタルやコンクリート、窯業系サイディングなどです。
その原因としてまず考えられるのは、外壁表面の塗膜の経年劣化で、紫外線により塗膜が劣化し、内部の膨張や収縮に対する耐久性が低下することです。
そのほかの原因としては、塗料を乾燥させる時間が不適切であったり、素地と塗料の特性に対する理解が不十分で、それらの相性を考えずに施工してしまったりなど、施工に問題があるケースもあります。
また、素材別のケースで見てみますと、施工時に水を使用するモルタルやコンクリート外壁の空き家では、乾燥させる過程の水分蒸発による収縮でヘアクラックが生じた可能性もあります。
この場合、ヘアクラックの範囲に収まる程度の微細な亀裂であれば、これらの素材に特徴的な現象とも言えます。
一方、構造クラックは貫通クラックとも呼ばれ、構造に影響を及ぼす恐れがあり、早急な補修を要する亀裂を指します。
空き家の亀裂が構造クラックであれば、構造部にかかる負荷から、内部にゆがみや亀裂を生じた状態です。
幅0.3ミリ以上の亀裂は、構造クラックである可能性が高いと考えられます。
構造クラックが生じた空き家では、その亀裂が全体の耐久性や亀裂からの雨水の侵入による内部構造の劣化など深刻な事態を招きかねませんので、できるだけ早く専門家に診断を依頼することをおすすめします。
家屋の構造への負荷で外壁の素地に生じた小規模な亀裂が進行するケースや、地震や地盤沈下、さらに家屋の構造上の欠陥により耐久性を超える負荷が外壁にかかったことで亀裂を生じるケースなどがあります。
また、構造クラックではないものの、早急な補修を要する亀裂に開口クラックがあります。
これは窓や扉の端から斜め方向に生じる亀裂で、空き家にかかる負荷により外壁が様々な方向にずれることにより発生します。
開口クラックは窓や扉といった壁面から突き出した部分に生じ、風雨の影響を受けやすいために、発見した場合には早目のご対応をおすすめします。

空き家外壁の亀裂を放置すると様々なリスクが!特定空き家に指定される可能性も

以上でご紹介した家屋の外壁の劣化は、空き家でなくても経年により発生するものです。
しかし、空き家の場合は人が住んでいないため劣化の速度が速く、また、人が住んでいる家のように毎日家屋の状態を確認することが難しいため、管理の際には特に注意してみておく必要があります。
次に、亀裂の発生により空き家がさらされる様々な悪影響やリスクについてご紹介しましょう。
亀裂が生じることで特に注意すべき点が、外壁の亀裂から雨水が家屋に浸透する状態が長く続くと、構造そのものが劣化し、最悪の場合家屋の倒壊につながる恐れもあるということです。
多くの住宅の構造部は木材や鉄筋であり、これらの素材に水分が直接触れれば、構造の劣化が進行します。
木造住宅の場合、外壁の内側には防水紙が敷かれており、これが雨水の侵入を防いでいます。
しかし、この防水紙が長期にわたり直接雨水にさらされれば、防水紙が劣化して、構造部に水分が侵入することになります。
このような状態になってしまうと、家屋の構造部である木材にカビが発生し、腐食していくため、家屋全体の強度が低下してしまうのです。
一方、鉄筋コンクリート造の住宅では、コンクリートが鉄筋を守る役割を果たしていますが、亀裂が生じて雨水や空気が鉄筋に触れることで、鉄筋の酸化を招き、サビを生じさせます。
サビにより家屋の構造を支える鉄筋の強度が低下すれば、同様に住宅全体の耐久性も低下してしまうこととなります。
また、コンクリートやモルタルの外壁で注意したいのが、いわゆる「爆裂現象」です。
「爆裂現象」が起こると、その部分から侵入した雨水により、家屋内部の腐食を促進させてしまうため、注意が必要です。
このように、亀裂により空き家の劣化が進行してしまうと、不動産としての資産価値が下がり、売却や利活用の際にも悪影響を及ぼします。
さらに空き家の亀裂でもう一つ注意したい点が、亀裂を放置し、行政が倒壊の恐れがあると判断した場合、特定空き家に指定されてしまう可能性があることです。
実際に、自治体によっては、ガイドライン上に「外壁の剥落、腐朽または破損」や「外壁の浮き」を特定空き家の判断基準として明記しています。
特定空き家と指定されてしまうと、空き家そのものの危険性のほかにも、固定資産税の軽減措置が受けられなくなる、行政の措置対象となるなどの不利益をこうむることになります。

空き家外壁の亀裂の進み具合は?自己チェックの方法をご紹介

空き家の売却や利活用を円滑に進めるためにも、定期的に空き家の管理を実施し、その際に外壁の状態を確認することが重要です。
そこで、最後に空き家の外壁に亀裂が生じている場合に、どのような対処をおこなうべきか判断する際のチェック方法をご紹介いたします。
まず、専門家でない方が亀裂に補修が必要か否かを判断するためには、亀裂の幅が目安となります。
亀裂の幅を図る際には、ホームセンターなどで500円前後で販売しているクラックスケールという専用の定規を使用します。
また、郵便はがきの厚さは0.3ミリ程度ですので、これを利用してもよいでしょう。
幅0.3ミリ以下の亀裂はヘアクラックの可能性があるため、即時の対応は必要ありませんが、亀裂の進行に注意しておきましょう。
幅0.3ミリを超える亀裂は構造クラックの可能性があります。
できるだけ早く専門家の診断を受けることをおすすめします。
亀裂の幅が1ミリを超す場合、構造クラックであることが想定されますので、外壁表面および構造部分に関して専門家の点検を依頼し、補修をおこないましょう。
亀裂の幅が3ミリを超える場合には、特に早急な診断と補修を要すると言えるでしょう。

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まとめ

今回は空き家の外壁の亀裂についてお伝えいたしました。
空き家の外壁の亀裂は、場合によっては内部構造にまで悪影響を及ぼし、最悪の場合、建物の破損や倒壊に至る恐れがあります。
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