空き家の価格はどのように決まる?価格の決め方や相場をご紹介

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空き家の価格はどのように決まる?価格の決め方や相場をご紹介

空き家の売却や購入を検討中で空き家の価格相場を知りたいけれど、どのように調べればよいかわからないという方は多いのではないでしょうか。
空き家は築年数や老朽化の進み具合など条件の幅が大きいため、価格の付き方も新築物件とは異なります。
そこで今回の記事では空き家の価格について、価格の決め方や相場の調べ方などをご紹介いたします。

空き家の価格はどうやって付けるの?建物自体には価値がないことが多い!

はじめに空き家の価格はどのように決まるのかについて、ご解説いたしましょう。
実は、国内にある空き家の多くについては建物自体に価値がない、つまりその価格は0円と言われています。
戸建て住宅の価値は築年数が経つにつれて下がっていくもので、築20年で価値がなくなるとされています。
国土交通省のデータによると国内の空き家のおよそ45%が昭和36年から昭和55年に建てられたものであり、平成12年以前に建てられた築20年を超す空き家は90%近くにも上ります。
つまり、国内の空き家の90%近くには建物の価値がないと考えられるのです。
ただし建物の価値はなくなっても、建物が立っている土地に価値があるため、実際には空き家であっても価格が付くということになります。
それでは、土地の価格はどのように決まるのでしょうか。
土地などの不動産価格を決める指標は「一物六価」と呼ばれ、「実勢価格」、「公示価格」、「路線価」、「基準地価格」、「固定資産税評価額」、「鑑定評価額」があります。
この中で土地を売却する際に土地の価値を決める指標となるのが、「実勢価格」です。
「実勢価格」とは実際の取引においてつけられた土地の価格で、周辺エリアの過去の取引実績から地域ごとの平均値を割り出します。
「実勢価格」は実際につけられた土地価格の平均値を算出したいわば地価の相場ですが、このような土地の価格を決める要素には、立地や特性など土地の条件と土地の流通量があります。
土地の条件には、その土地の立地や面積、方角や形状などが含まれます。
これらの条件がその土地の需要を左右するため、土地の価値を決定づける要素となるわけです。
土地の立地については、都市部では価値が高く、地方では価格が低くつけられる傾向があるほか、地域内でのアクセスや利便性、周辺環境も価格を決定づける要因となります。
周辺環境とは治安の良し悪しや工業用地の有無、また災害時の安全性などが含まれます。
土地の面積については広いほど価格が高くなるわけではなく、その土地の用途に適した広さであるかが土地の価格を決定づけます。
たとえば、住宅地向けのエリアでは、一般的な住宅に適した80坪よりも広い土地になると、坪単価は下がる傾向にあります。
また、土地の方角や形状については、日当たりのよい南側が道路に面している土地や角地、長方形や正方形などの利用しやすい形状の土地などが、価格が高い傾向にあります。
土地の条件のほかに土地の価格を決定づけるのが、土地の流通量です。
地域内の土地の取引が多いということは、そのエリア内の土地の需要が多いということですので、土地の価格は高くなります。
土地の流通量には需要の変化が反映されますので、人口や社会情勢によっても左右されます。
建物自体に価値がない場合が多い空き家の価値は、以上で示したような土地の価格に左右されることが多いのです。

空き家の価格相場はどのように調べればよい?ウェブ上の取引データから予測

ここからは、空き家や土地の価格の調べ方についてご紹介いたしましょう。
まず空き家の相場について調べる際に注意しておきたいのは、空き家と一口に言っても面積や立地などに加えて築年数や老朽化の度合いなどの条件に大きな幅があるため、大まかな条件だけで相場を知るのは難しいという点です。
このため、空き家の相場を調べるためには、価格を調べたい空き家とできるだけ近い条件の中古住宅の価格を調べる必要があります。
まずは、インターネットで空き家と近い条件の住宅の売却価格を調べる方法をいくつかご紹介しましょう。
一つ目はアットホームやスーモ、ライフルホームズといった不動産ポータルサイトを利用する方法です。
これらのサイトで売り出し中の物件を検索し、空き家のある地域の中古物件から築年数や間取りなどの条件が近い物件の価格を調べれば、空き家の大まかな価格相場を知ることができます。
二つ目は、不動産流通機構が運営するREINSという不動産データベースを参照する方法です。
こちらは不動産会社が利用することで知られていますが、だれでも閲覧できるREINS Market Informationでも過去の不動産取引情報を検索できます。
サイト内の取引情報検索にて物件の種別と地域を入力し、次の画面で詳細な条件を追加すると、空き家に近い条件の物件の取引価格を調べることができます。
また、国土交通省のデータベースである土地総合情報システムでは空き家や土地の価格を調べることができます。
土地と建物を含めた空き家全体の価格を調べる際には、不動産取引価格情報検索で過去の不動産取引データを検索することができます。
また、土地の価格を知りたい場合には、こちらのサイトで同一地域の土地の「公示価格」を調べることができます。
「公示価格」は「実勢価格」と等しいため、その土地の価格の基準値となります。
さらに土地の形状や周辺環境などの条件も考慮に入れれば、その土地の大体の相場を知ることができるでしょう。

空き家の価格を調べる際の注意点は?相場と実際の価格には相違がある

最後に、空き家の価格を調べる上での注意点についても触れておきましょう。
空き家の価格相場の調べ方については上に述べたとおりですが、注意すべきなのは実際には物件が相場と同じ価格で売れるとは限らないという点です。
その理由の一つに、インターネット上の価格相場には物件の状態を部分的に切り取ったデータしか反映されていないことが挙げられます。
物件の価格には立地条件や間取りといった画一的な情報に限らず、内部の状態や細かい老朽化の度合い、さらには周辺環境などが加味されます。
インターネット上の情報や素人が空き家の状態を見ただけでは、このような空き家の価格を決定する細かい要素まで認識するのは難しいでしょう。
やはり、空き家の細かい状態を考慮した価格を知るには専門家による査定が必要なのです。
さらに、専門家が算出した空き家の価格と実際の売却価格にずれが生じる場合もあります。
たとえば、空き家は必ずしも専門家による査定通りの価格で売却する必要はありませんので、売り主の希望価格で売れる可能性もあります。
すると、その空き家の実際の売却価格は専門家の査定価格ではなく、売り主の希望価格となるので、売却相場に専門家の判断とのずれが生じていきます。
また、売却物件がなかなか売れなければ、売却するために価格を下げることは珍しくありませんし、さらにそこから買い手の値下げ交渉により価格が下がることもあります。
このように空き家の価格相場について調べる際には、価格相場は必ずしも個々の物件の売却価格に反映されないことを念頭に置いておきましょう。

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まとめ

今回の記事では空き家の価格について、価格の決め方や価格相場などについてご紹介いたしました。
空き家の価格相場の目安はインターネットでも比較的簡単に調べることができますが、その価格が実際の売却価格になるとは限らない点には注意が必要です。
空き家の売却や購入をご検討中の方は、今回ご紹介した内容を参考に空き家の価格を調べてみてはいかがでしょうか。
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