現在、日本では空き家が年々増えていく傾向にあると言われています。
空き家は放置しておくと様々な問題を引き起こす危険性がありますが、上手く活用することで大きなメリットが期待できます。
そこで今回の記事では、空き家を所有する可能性のある方に向けて、空き家を賃貸物件として貸し出すことのメリットや方法についてお伝えします。
空き家を有効活用しよう!賃貸以外にはどんな活用法がある?
現在、空き家が放置されることが社会問題化しており、全国の自治体がその対策に乗り出しています。
建物は使わない状態が長く続くと、湿気や害虫・害獣が発生して、どんどん傷んでいきます。
また、犯罪に利用されて治安悪化の原因となったり、老朽化による倒壊の可能性が生じたりして、近隣住民の迷惑にもなります。
そして、危険性の高い空き家と判断されてしまうと、「特定空き家」に指定され、固定資産税が増額される可能性もあります。
このように放置してしまうと様々な問題が生じる空き家ですが、有効に活用する手段も数多くあります。
なかでも、賃貸物件として貸し出すのは、最も一般的で、多くの方にとってメリットがあると思われる方法です。
使わない建物を貸し出せば、その建物を手放すことなく、収入を得ることができます。
また、賃貸に近い活用方法ですが、使わない建物を利用して民泊経営をおこなうこともできます。
かつて宿泊施設を経営する場合は、旅館業の営業許可を取得する必要がありましたが、現在では外国人観光客の増加を受け、特区民泊や住宅宿泊事業法が認められている地域での民泊経営が可能になっています。
ただし、民泊経営には、法律上の規制や近隣住民とのトラブルといった問題が起こりやすいので注意が必要です。
収益を得るよりも地域に貢献したいという方には、町内会の集会所のような地域のコミュニティ・スペースとして使ってもらうという方法もあります。
賃貸物件として活用したいが、借り主が見つからないという場合にも、この方法を考えてみてもよいでしょう。
また、お持ちの空き家が昔ながらの町家や商家の構造をしている場合、自治体に寄付することができるかもしれません。
建物に文化的価値があると認められれば、文化財として保護されて観光に活かされることもあります。
必ずしも寄付が受け入れられるとは限りませんが、文化的価値があると思われる空き家をお持ちの場合は自治体に相談してみるとよいでしょう。
活用方法ではありませんが、空き家を管理・運営することが困難な場合には、売却するという手段もあります。
賃貸物件として空き家を活用したい!どんな物件として貸し出せる?
このように様々な活用方法がある空き家ですが、ここからは賃貸物件として空き家を貸し出す方法をご紹介いたします。
まずは、居住用の賃貸物件として活用するケースから見ていきましょう。
あまり傷んでいない戸建ての家やマンションの一室を所有している場合、リフォームなどの必要なく居住用の物件として賃貸に出すことができます。
ただし、借家契約には、契約期間が終了すると物件を返還してもらえる定期借家契約と、契約が自動更新される普通借家契約があるため、将来物件を自分で使用する可能性がある場合は注意が必要です。
また、複数の個室と共有スペースがある物件の場合は、シェアハウスとして貸し出すことも可能です。
シェアハウスとして活用する場合、入居する世帯が単一ではないので、より多くの収入を期待できるうえ、空き家となるリスクを回避できます。
所有している物件が老朽化しており、リフォームなしで賃貸に出せないのであれば、原状回復義務を免除したうえで、借り手が自己負担で物件をリフォームする「借主負担型DIY」を利用することもできます。
物件が田舎の古民家であれば、自由にリフォームして住みたいと考える地方移住希望者が増えているため、特に有効な方法です。
また、所有物件が田舎の古民家であるなら、地方移住希望者にお試しで短期間貸し出すお試し移住用住宅として利用することもできます。
借り手に気に入ってもらえれば、そのまま賃貸物件として貸し出したり、買い取ってもらえたりすることもあります。
この方法をお考えであれば、一度自治体に相談してみるとよいでしょう。
また、空き家がマンションの管理規約などで居住用と限定されておらず、立地条件が合っていれば、店舗や事務所などの事業用物件として貸し出すこともできます。
この場合、用途に応じたリフォームを認めれば、賃料を高く設定できます。
一方で、完全な原状回復が期待できなくなること、年間売り上げが一定額を超えた場合、消費税の納税義務が生じることには注意しましょう。
また、空き家をレンタルスペースとして貸し出すのも、近年注目されている空き家の活用方法です。
アーティストのためのギャラリーやイベント会場、期間限定ショップや地域のコミュニティ・スペースなどとして貸し出すことで、地域の活性化に貢献できる可能性もあります。
空き家を賃貸物件として活用するメリットとは?
最後に、空き家を賃貸物件として活用する際に得られるメリットについてご紹介します。
用途を問わず、空き家を賃貸物件とする大きなメリットに、家を手放さなくて済むことが挙げられます。
所有されている空き家が実家や自宅であれば、思い入れのある家を手放したくないという方は少なくないでしょう。
今は使っていなくても、将来自分や子どもが住むという可能性もあります。
そのような場合に、空き家を売却するのではなく、賃貸物件とすることで、家を手放さずに有効活用することが可能になります。
また、すでに述べたとおり、建物は人が使っていないと一気に老朽化が進んでしまいます。
賃貸物件として貸し出すことで、日常管理の手間なく、建物の老朽化を回避することができます。
そして、空き家を賃貸物件とするもう一つの大きなメリットは、借り手がつけば安定した賃貸収入が見込めることでしょう。
特に、使っていない戸建て住宅を所有している場合には、賃貸戸建ては需要が供給を大きく上回っているため、安定した収入を見込めます。
たとえば、戸建て住宅を賃貸として活用するなら、リフォームなしでも築年数や立地条件に関係なく、借り手がつきやすい傾向にあります。
リフォームする場合も、新築に近い状態にまでする必要はなく、必要最小限で十分です。
水回りの設備やドアノブやスイッチなどの手に振れやすい箇所など、費用対効果の高いリフォームをするだけでも、さらに借り手がつきやすくなるでしょう。
また、分譲マンションも、アパートや賃貸マンションに比べて、立地条件がよい場合が多いため、比較的高い賃料でも借り手がつきやすく、安定した収入が得られる可能性は高いと言えます。
このように、空き家を賃貸物件として活用すれば、家を手放すことなく、管理の手間を省きながら、賃貸収入まで得ることができるのです。
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まとめ
空き家は、放置してしまうと様々な問題を引き起こすだけでなく、「特定空き家」に指定され、多くの固定資産税が課されてしまう可能性があります。
しかし、今回ご紹介したように賃貸物件として活用すれば、様々なメリットを得ることができます。
空き家を所有されている方や、将来空き家を所有する可能性のある方は、ぜひ今回の記事を参考に空き家を有効活用されてみてはいかがでしょうか。
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