皆さんは空き家が今、全国で問題となっているのはご存じでしょうか。
空き家は、家屋の倒壊や不法占拠、放火などさまざまな危険が潜んでいます。
今回は、空き家を所有している方や親御さんなどが戸建てを所有しており、相続したら空き家になるかもしれない方向けに、全国で問題となっている空き家問題や自治体が取り組んでいる対策例についてご紹介いたします。
大都市は空き家が多い?空き家が多い地域とは
少子高齢化や地方の人口流出が原因で、地方の空き家率が高くなっています。
総務省が作成した、平成25年度の住宅・土地統計調査によると、四国や中国地方といった西日本エリアがの空き家率が高く、大都市および地方の中核都市の地域は比較的低いとされています。
ただし、空き家の実数の場合、大都市圏の方が多いとされています。
日本の中心である東京都は、約80万戸、千葉や神奈川、埼玉県でも30万戸を超えているなど、首都圏の1都3県で、全国の約24%を占めます。
また、大都市である大阪では人口が減少し始めており、戸建てだけではなく、賃貸用の物件も空き家率が全国平均を上回ってきています。
このままだと、2040年には空き家率が40%を超えると予想されています。
また、空き家ですが不朽や破損がある住宅は賃貸用で約22%、その他は33%で、合わせて200万戸を超えるというデータもあります。
空き家率は地方が多い!でも空き家率ってなに?空き家率が多い地域とは
先ほどは、実は大都市のほうが地方よりも空き家の実数が多いとお伝えしました。
ただし、空き家率に関しては地方の方が多いです。
この記事をご覧になっている方の中には、空き家の実数と空き家率はどう違うのか、疑問に思っている方もいらっしゃると思いますので、こちらの見出しでは、空き家率とはなにかをご説明いたしましょう。
空き家率とは、空き家数を住宅総数で割ったものです。
空き家の実数が多い大都市の空き家率は10%ほどですが、全国の空き家率は13%ほどなので、空き家率で言うと大都市は全国でも低いほうです。
では逆に空き家率が高い地域とはどこなのでしょう。
空き家率が20%を超えているのは、山梨県と和歌山県です。
他にも長野県や山口県、鹿児島県、四国4県も空き家率が15%を超えています。
問題はお分かりかもしれませんが、人口の減少です。
逆に東京都から離れており、海を超えないと行けない沖縄県は人口が増加しており、空き家率に関しては東京都よりも低いです。
ちなみに区市町村別で見ると空き家率が一番高いのは長野県の軽井沢町、二番目に静岡県にある熱海市、三番目に高いのは栃木県にある那須町で、一番高い軽井沢町の空き家率はなんと64.9%もあります。
日本の自治体はどんな空き家対策をおこなっているの?事例をご紹介!
見出し1では、大都市は空き家の実数が多く、見出し2では空き家率は地方が多いと説明いたしましたが、こちらの見出しでは日本の自治体はどんな空き家対策をおこなっているのか、事例をご紹介いたします。
特定空き家に指定
特定空き家とは、放置された空き家で雑草が生え放題などで景観を損ねたり、掃除がされないため衛生上での問題がある、老朽化により倒壊などの恐れがあると自治体に判断されると特定空き家に指定されてしまいます。
その状況を改善できれば、もちろん問題ありませんが、改善ができず勧告を受けてしまうと、住宅用地の特例制度が適用されなくなります。
住宅用地の特例制度が適用されなくなると、固定資産税が軽減されなくなり、税金が6倍になると言われています。
また、勧告がおこなわれても改善されない場合、強制執行となり自治体が強制的に空き家を解体いたします。
そしてその解体費用は、所有者に請求されます。
解体費の請求と住宅用地の特例制度が適用されなくなる事もふまえると、最初から自身で解体を頼むか、再利用または売却したほうがお得になることもあります。
具体的な空き家対策の事例
特例空き家に指定されると、住宅用地の特例制度も適用されませんし、強制的に解体されてしまうことがわかりましたが、ではどんな対策事例があるのか一緒に学んでいきましょう。
1つ目は一番ポピュラーな方法で、空き家を賃貸として貸すこと。
賃貸として貸し出す方法は家賃も入りますし、住民が家の掃除など、ある程度管理がおこなわれるので、自身がわざわざ家まで行って掃除したりすることもありません。
貸し出す場合は、地元の不動産に相談するか、自治体が運営している「空き家バンク」を利用するのがオススメです。
他にも賃貸ではなく、インバウンド向けの宿泊施設や地域の集会場所として貸し出すのも良いでしょう。
場合によっては自治体から補助金が出ることもあります。
また、利用ではなく解体をする場合も条件が合えば、自治体から補助金が出る可能性もありますので、解体を視野に入れている方は、空き家がある自治体へ問い合わせてみると良いでしょう。
他にも空き家を売却するという手もあります。
売却には2つの方法があり、1つ目は空き家がある状態で売却する方法です。
この方法だと解体をしなくても良いですし、家具と家電が残っており、要らなければそのまま売却できることもありますので、解体や処分費用がかからないメリットがあります。
2つ目の方法は、空き家を解体し、更地にして売却する方法です。
解体費用は所有者の負担ですが、更地のほうが活用法が多いので早く買い手が見つかりますし、更地にしている分、高く売却される能性があります。
ただし、解体時に土地の地中に物が埋まっていたりすると、問題が発生する場合があり、追加で費用を請求される可能性もあるので注意が必要です。
自治体が取り組んでいる空き家対策事例
最後に自治体が実際におこなっている空き家対策についてご紹介いたしましょう。
岩手県釜石市
釜石市は先ほども紹介した「空き家バンク」を開設して、空き家を所有しており売却、または貸したい方と空き家に住みたい方のマッチングをおこなっており、空き家の再利用をしています。
宮城県仙台市
仙台市は空き家を所有している方や空き家の予定になる住宅を所有している方向けに、司法書士や行政書士、建築士や税理士などの専門家を招いて相談会を開催しています。
専門家のアドバイスを受けられるのはとても心強いです。
群馬県伊勢崎市
伊勢崎市は、国が制定した「空家等対策の推進に関する特別措置法」を受け、空き家に関する条例を制定いたしました。
また、空き家の対策計画や特定空き家への対応を行政や学識者で審議をおこなっています。
石川県金沢市
金沢市では、「みんなで取り組む空き家対策」というハンドブックを作成し、地域住民へ配布しています。
空き家の問題に関することが記載されており、空き家を所有している方も所有していない方も問題を考える事ができます。
他にも地域と連携し、空き家などを活用する事業もおこなっており、地域の集会場などに利用する場合は、補助金を出す制度もおこなっています。
合わせて読みたい|空き家を購入するときのエリア選びと購入のながれ
まとめ
今回は空き家を所有している、または今後空き家を所有する予定のある方に向けて、空き家が多い地域や空き家率、国や自治体の対策方法などについて紹介いたしました。
さまざまな問題を抱えた空き家は、所有している方にはもちろん、所有していない方にも影響があります。
今回、具体的な対策方法についてご紹介いたしましたので、空き家を所有されている方の参考になれば幸いです。
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