平成30年の土地統計調査によると、全国の空き家数は「約864万戸」にのぼり、全住宅の「約13%」を占めていることがわかりました。
空き家にはさまざまな活用方法がありますが、この記事では、空き家を不動産投資のために購入するときの、「エリア選び」と「購入のながれ」、「購入の注意点」をご紹介します。
空き家購入するときのエリア選び
空き家を購入するにあたってエリア選びは重要なので、慎重に行いましょう。
ここでは、空き家の購入エリアをどのように選べばいいのかご紹介します。
アクセスから選ぶ
賃貸物件を探している人は、「アクセスのよさ」を重視することが多いです。
駅から近い、職場から近い、など人それぞれですが、まずは駅やバス停が近いエリアから空き家を探してみましょう。
駅から近い賃貸アパートなどは家賃が高額ですが、空きがないアパートも多くあります。
駅からアクセスのいい家だと、入居したいと考えるファミリー層も多いはずです。
人の動きから選ぶ
近くに大学がある、企業の大きなビルがある、などの人の動きが多いエリアもオススメです。
駅から少々離れていても、人の動きのあるエリアには需要があります。
「大学付近で探したい」、「職場付近で探したい」など、駅の近さよりも毎日の通学、通勤を重視して物件選びをする人が多くいるからです。
大学付近の空き家を購入するときには、ルームシェアができるようにそれぞれの部屋に鍵をつけるなど、リノベーションに工夫をすれば、一軒家でも学生の入居がのぞめます。
土地の開発予定エリアから選ぶ
土地の開発予定エリアに建っている空き家を購入するのもオススメです。
「近くに大型ショッピングモールができる」、「JRの駅が新設され、経由するようになる」など、土地の開発予定がある地域は後々家賃が上がります。
しかし、開発が完了していない状態では土地の価格はそこまであがっていないので、空き家の購入費用を抑えることができます。
土地開発が完了すると土地代金も高騰してしまうので、完了する前に購入しておきましょう。
地域の需要から選ぶ
「住みたい街ランキング上位」など、賃貸の需要のあるエリアの空き家もオススメです。
住みたい街に選ばれる地域は賃貸の需要があり、家賃も高くなりがちですが、空き家を活用し「人気のエリアで一軒家に住める」などアパートと差別化をすれば、入居希望者もでてくるでしょう。
また、子育て世帯にとっては近くに保育園や小学校、スーパーや病院があることがそのエリアの「住みやすさ」に繋がり、需要も高くなります。
賃貸物件の入居者を子育て世帯に絞る場合は、アクセスよりもそのエリアの「治安」や「住みやすさ」を重視して空き家の購入エリア選びをしましょう。
空き家を購入するながれ
ここでは、「空き家購入のながれ」をご紹介します。
空き家を探す
まずは、空き家を探します
探し方は、不動産会社のサイトから、中古戸建住宅を探す方法と、空き家を紹介しているマッチングサイトで探す方法があります。
先ほどご紹介したエリア選びを参考に、サイトから希望のエリアなどの条件を絞り、物件を探しましょう。
不動産会社によっては、サイトに載せていない空き家もあるので、直接不動産会社を訪ねるのもオススメですよ。
購入相談
気に入った空き家を見つけたら、サイトを通して不動産会社に問い合わせをします。
実際に不動産会社を訪ねて、購入のながれや資金などの相談をしましょう。
不動産会社も、それぞれの会社に強みがあります。
空き家を購入するときには、不動産会社との相性も大事なので、ここでしっかりヒアリングしておきましょう。
資金決め
資金決めは、購入するながれの中でも重要な部分です。
予算はどのくらいなのか、一括購入するのか、不動産投資ローンを組むのかなど、資金に関して決めなければならないことは多くあります。
また、自宅の住宅ローンを返済している場合、不動産投資ローンの借入額に関わってくるので、不動産投資ローンを組む場合には、どのくらいまで借入が可能なのか必ず確認してください。
空き家見学
おおよその資金が決まったら、空き家の見学に行きます。
見学で必ず確認しておきたいポイントは、「日当たりや前面道路、交通量などの周辺環境」です。
これらのポイントはリフォームでも変えることができません。
貸しに出したとき、「日当たりや前面道路、交通量などの周辺環境」などを気にする入居希望者も多いので、日当たりと周辺環境のよい空き家を選びましょう。
ここまでが、空き家選びのながれです。
購入申請
ここからは、購入に向けてのながれになります。
空き家が決まったら購入申請をしますが、購入の申し込みは「早いもの順」なので、気に入った空き家を見つけたときには、早めに購入申請しましょう。
また、購入申請は契約ではないので、購入申請したからといって必ずその物件を購入できるわけではないので気を付けておきましょう。
購入申請後、売主が「売渡承諾書」を作成して初めて、売主と買主の売買の意思が合致したことになります。
不動産売買契約
売主が「売渡承諾書」を作成したら「不動産売買契約」を締結しますが、その前に「重要事項説明書」の説明を受けます。
ここでの注意点は「重要事項説明書」です。
「重要事項説明書」の説明は宅地建物取引士がしてくれるので、ここで不明点がある場合は必ず確認しておきましょう。
購入金額支払い、引き渡し
契約が締結したら、購入代金を支払います。
一般定に、購入代金を支払う日が空き家の「引き渡し日」になり、売主から買主への「所有権移転登記手続き」が行われます。
不動産投資ローンを組む場合はこの一連のながれは、借入する金融機関ですることが多いです。
購入代金を支払い、「所有権移転登記手続き」をしたら売主から物件の鍵を受け取り、引き渡し完了です。
ここまでが空き家購入の一連のながれです。
空き家を購入するときの注意点
空き家を購入するには少しリスクが伴うので、注意が必要です。
ここでは、「空き家」を購入するときの注意点をご紹介します。
リノベーション費用を把握しておく
物件の購入前にリフォーム会社に見積をしてもらい、リノベーション費用がどのくらい必要になるのか把握しておきましょう。
購入前でも不動産会社と売主に確認すれば、リフォーム会社が見積するために空き家に入ることができます。
せっかく安い価格で空き家を購入しても、リノベーション費用が高くなってしまったら本末転倒です。
「それならリノベーション費用を削ろう」と考えがちですが、リノベーションがきちんとされていない物件は入居希望者がなかなか現れません。
購入後に慌てないためにも、購入前にリノベーション費用を把握しておくのは必要なことです。
購入する地域によっては、空き家のリノベーション費用を支援してくれることがあるので、支援金とリノベーション費用をすり合わせておきましょう。
空き家になった理由を確認しておく
見落としがちな注意点で必ず確認しておいてほしいのが、空き家になった理由です。
物件が空き家になってしまう理由は、「相続したけどすでに持ち家がある」や「県外に住んでいるから手入れができない」などさまざまです。
しかし、空き家のなかには事件や事故があったなど、いわゆる「事故物件」もあります。
賃貸に出すときに入居者とトラブルにならないためにも、空き家になった理由は必ず確認しておきましょう。
あわせて読みたい|空き家活用が難しいと言われるその理由は?どうやって解決する?
まとめ
この記事では、空き家を不動産投資のために購入するときの、「エリア選び」と「購入のながれ」、「購入の注意点」をご紹介しました。
近年、問題視されている「空き家」を安く購入し、不動産投資することは、有効的な空き家の活用方法といえるでしょう。
空き家購入の注意点に気を付けて、不動産投資をしてみませんか?
全国空き家管理ナビでは、空き家管理を適切に行い、さまざまなリスクを減らすお手伝いをする不動産会社を検索できます。
空き家で何かお困りのことがありましたら、ぜひご利用ください。