空き家を有効活用したい!空き家の活用や処分に使える助成金を3つ紹介

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家を相続したものの、すでに自宅は別にあるといったような理由で、所有している物件が空き家になってはいないでしょうか。

空き家とはいえ、所有しているだけで固定資産税も発生し、一定のメンテナンスコストもかかります。

そんな空き家を有効活用したい、もしくは処分したいと考えたとき、利用できる助成金があると助かりますよね。

今回は空き家を放置しているとどうなるのか、そして活用・処分するときに利用できる助成金について紹介します。

 

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空き家を有効活用したい!空き家の活用や処分に使える助成金を3つ紹介


 

▼空き家を放置するとどうなるの?空き家に使える助成金があるって本当なの?


日本では現在空き家が増え続けていると言われていますが、それにはどのような理由があるのでしょうか。

日本の空き家問題と、空き家に対する現在の取り組みを紹介します。

<日本で空き家が増えているって本当?>

2019年に総務省統計局が発表したデータによると、2018年度には全国で8489千戸もの空き家があり、総住宅戸数に占める割合は13.6%にも上っています。(2019年度総務省統計局発表「土地統計調査 住宅および世帯に関する基本集計 結果の概要」より)

ここでいう「空き家」は居住世帯のない家をさしますが、このうち賃貸用でも売却用でもなく、別荘などに利用されるわけでもない空き家は3487千戸にも上り、問題となっています。

そういった空き家は管理する人間がいないため、衛生面や景観面で周辺環境に悪影響を与える、老朽化すると倒壊の恐れなどがあるためです。

<「特定空き家」に指定されると行政代執行の可能性も!?>

増え続ける空き家をなんとかしようと、2015年には「空き家対策特別措置法」が制定されました。

 

これは適切に管理されていない空き家に対しては、通常住宅用地に適用されている固定資産税の優遇措置を停止する法律です。

特定空き家に指定されると、国や自治体から空き家の適切な管理を求められますが、それに従わずに放置した場合、行政代執行で撤去してもよいとされています。

そしてその除去に要した費用は、所有者に請求されてしまうのです。

 

<空き家を活用・処分するための助成金があるって本当なの?>

このように特定空き家に指定されてしまうと、固定資産税優遇の恩恵を受けられなくなってしまううえ、劣化が進むと行政代執行で強制撤去されてしまう可能性もあります。

そうならないために、空き家は適切に管理・活用、もしくは処分を考えるのが得策です。

空き家の活用方法は、賃貸やシェアハウスとして利用する、空き家バンクに登録するなどいろいろと考えられますが、そういったときに活用できる助成金があります。

どのようなものなのかを次章から紹介していきます。

 

▼空き家を活用するために利用できる助成金

空き家を活用するために利用できる助成金のうち、「家賃低廉化支援」「改修工事費支援」「空き家解体補助金制度」の3つを紹介します。

 

<空き家に要配慮者受け入れで補助金受給!「家賃低廉化支援」>

「家賃低廉化支援」は、国土交通省が2017年にスタートした住宅セーフティネット制度の中で行っている支援策です。

住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅として、都道府県や政令市、中核市に賃貸住宅を登録したときに活用できます。

住宅確保要配慮者とは、低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子育て世帯

外国人に該当し、低額所得者は公営住宅法に定める月収算定方法で算出した月収が158千円以下、子育て世帯は18歳未満の子どもがいる世帯のことです。

「家賃低廉化支援」は、低額所得者が入居しやすいように通常の家賃より減額した場合、その減額分を最高4万円まで、最長10年間(480万円を超えない範囲であれば、最長20年まで)補助してくれます。

古くなった空き家で、なかなか入居者が見つからないような場合、この制度を活用すると入居者を見つけやすくなると考えられます。

 

<空き家の改修で使える助成金!「改修工事費支援」制度>

「改修工事費支援」制度も、「家賃低廉化支援」と同じく住宅セーフティネット制度の支援策です。

住宅セーフティネットに住宅を登録して賃貸する場合、

 

①耐震改修

②間取りの変更

③シェアハウスへの改修

④バリアフリー改修

⑤居住のために最低限必要と認められた工事

⑥居住支援協議会などが必要と認める工事

⑦これらにかかる調査設計計画の作成

 

に対して、国費で50万円/戸が補助される制度です。

国と自治体の連携支援を受けた場合には、上限金額は100万円/戸に増額されます。

なかでも①?③の工事を含む場合は上限額が2倍になり、最大で200万円が補助されることが特徴です。

ただし改修工事費支援は、あくまで要配慮者の入居を想定していることに注意しましょう。

なお国による改修工事の補助を受けた場合には、家賃に上限が定められ、それを超える家賃設定はできなくなります。

 

<空き家の解体で使える助成金!「空き家解体補助金制度」>

「空き家解体補助金」は、放置されている空き家の解体を進めるために政府が進めている補助事業の総称です。

実際に施行するのは各自治体とされていることが特徴です。

「空き家対策特別措置法」が制定されたこともあり、空き家の解体に対して助成金を出す自治体も増えています。

ただ空き家解体に対する助成金は、国一律の制度ではないこともあり自治体によって内容や対象工事が異なるため、自治体に確認が必要です。

一般的には住宅用物件・住宅権店舗・工事や倉庫の解体工事に対して補助が受けられます。

 

▼助成金を導入する条件や手続きの方法

それでは前章で紹介した助成金を導入する条件や手続きの方法を紹介します。

<「家賃低廉化支援」「改修工事費支援」の導入条件と手続き方法>

低額所得者(月収15.8万円以下)、被災者(発災から3年以内)、高齢者、障害者、子育て世帯(子どもが高校生相当以下)、外国人などを受け入れる賃貸住宅を、政令市や中核市であれば市長に、それ以外は都道府県知事に対して登録申請を行います。

登録できる住居は、原則として

 

①床面積が15㎡以上

②耐震性があること

③台所・トイレ・洗面・浴室などの設備があること

 

が求められています。

登録申請をするときには、登録する賃貸住宅の付近見取図、間取りの平面図、改修の場合は改修工事平面図などが必要です。

登録が済んでいる場合、改修事業については交付申請専用のホームページからも受け付けています。

詳しくは住宅セーフティネットのホームページで確認するようにしてください。

 

<「空き家解体補助金制度」の導入条件と手続き方法>

「空き家解体補助金制度」は、自治体によって導入条件も手続き方法も大きく異なります。

制度の名称もそれぞれ違うため、調べるときに不便を感じるかもしれません。

空き家のある自治体に、直接問い合わせて確認するのが近道です。

金額についてもさまざまですが、工事費の3分の1、上限50?100万円程度の自治体が多いようです。

対象となる空き家についても、1年以上居住していない、木造に限る、市の危険基準に達しているなどの条件がある、また所有者に対しても、市税を滞納していないなどを条件とする自治体がほとんどであるため、詳細は問い合わせをするようにしてください。

 

▼まとめ

空き家はそのまま放置していると、固定資産税やメンテナンスに対する支出ばかりが発生してしまいます。

住宅セーフティネットに登録して制度を利用すれば、助成金を活用して修繕を行ったうえで賃貸物件として有効活用ができるようになります。

活用せず処分すると決めた場合も、自治体によっては解体費用に対する助成金を用意しているところもあるので、空き家がある自治体に直接問い合わせてみるのがおすすめです。

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