今、古民家カフェなどの空き家を活用したフランチャイズビジネスが注目されています。
日本では年々増加する空き家が社会問題となっており、その空き家に着目した新しい開業方法です。
では空き家を使ったビジネスには、どのような事例があるのでしょうか?
この記事では空き家を所有している方に向け、空き家を活用したフランチャイズ開業をテーマに、開業の事例や流れ、メリットをご紹介していきます。
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▼空き家をフランチャイズで開業する事例
空き家におけるフランチャイズ開業の事例として、カフェ経営が挙げられます。
空き家を活用した開業と1口にいっても、その方法はさまざまで、飲食店や宿泊施設、雑貨屋など多くの選択肢があるでしょう。
活用する空き家の場所や規模によって異なりますが、フランチャイズで開業する場合でも、物件取得費や内装工事代、リフォーム代など多くの資金が必要です。
大規模な飲食店や宿泊施設を開業する場合は、より多くの初期費用がかかるかもしれません。
その一方で、空き家を利用したカフェ開業なら資金も膨大にならず、誰にでもはじめやすいビジネスといえます。
<自由度の高いビジネスをおこなえる>
空き家をカフェとして開業する場合、内装やメニューはすべてオリジナルになるかと思います。
空き家を活用した古民家カフェがブームになっていますが、どれもオーナーの個性が生かされたつくりになっていますよね。
カフェ開業は「こんなビジネスをしたい」という気持ちが思う存分発揮できるビジネスといえるでしょう。
<家賃がかからない>
テナントなどを利用して開業をする場合、毎月家賃が発生します。
路面店や駅近であれば家賃負担も大きくなりますが、所有している空き家であれば家賃がかからないので、毎月のランニングコストをおさえることが可能です。
固定費の軽減は経営を成功させるためのポイントにもなります。
<賃貸として貸し出すのもあり!>
活用したい空き家が賃貸としての需要がありそうな立地にある場合、賃貸として貸し出すのもおすすめです。
新築や中古物件による不動産投資より安く物件を取得できるので、高い利回りが期待できます。
購入後にリフォームやリノベーションをおこなう必要がありますが、その費用を合わせても、安いコストでビジネスをはじめられるでしょう。
▼空き家でフランチャイズ開業をはじめる際の流れ
次に空き家を活用したフランチャイズ開業の流れを見ていきましょう。
<開業の準備>
開業するにあたり、大切なのが家族の同意です。
開業前後はやらなければならないことが多く、家族の協力なしでは難しいビジネスもあります。
会社のことに専念するために、家族からの同意は必ず得ておきます。
また開業のためのセミナーなどに参加し、情報収集をすることもポイントです。
同業者との情報交換(成功例や失敗例など)も、経営を成功させるうえで大切なので、人脈づくりもおこなっておくとよいでしょう。
<コンセプトをもとに事業計画を立てる>
どのようなお店にしたいのか、コンセプトをもとに事業計画書を作成します。
「誰になにを提供し、どうなってほしいのか」を明確にすることが大切です。
事業計画書は金融機関から融資を受ける際に必要なので、細かいところまで記載しておきます。
<物件の選定>
物件がない場合、立地を含めてコンセプトにマッチする空き家を探しましょう。
ターゲットとなる顧客がどの程度いるか、世帯数はどの程度か、近隣には何件ほどのライバル店があるかなどを考慮して選定します。
<必要な資格があれば取得しておく>
飲食店の開業には食品衛生責任者という資格が必要です。
空き家の規模によっては防火管理者を配置する必要もあるので、どのような許可や資格が必要なのかをチェックしておきます。
食品衛生責任者とは各自治体によって管理されている資格で、約6時間の講習と任命を受けて取得が可能です。
<税務署へ申告する>
開業届けなど必要な税務手続きをおこないます。
<店舗づくり>
コンセプトや事業計画書をもとに、お店づくりを開始します。
外装や内装、インテリアはプロの手を借りるのも1つの方法です。
<採用やオペレーションの決定>
スタッフが必要であれば募集と面接をおこないましょう。
それと同時に接客や調理などのマニュアルをつくります。
オペレーションを具体的につくることで、円滑な店舗運営につながります。
▼空き家でフランチャイズ開業をするメリットは?
では空き家を利用してフランチャイズ開業をすると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
<未経験でもオーナーになれる>
フランチャイズとはお店の本部とオーナー(加盟店)が契約を締結し、開業する制度です。
オープン前に本部で研修をおこなうため、経営や接客などのノウハウを学べます。
空き家で開業を検討している方のなかには、「未経験でなにからはじめればいいか分からない」「スタッフ教育や資金繰りのノウハウを知りたい」という方も多いでしょう。
またカフェ開業の場合は飲食業界、宿泊施設の場合は旅館業の知識を得なくてはなりません。
フランチャイズでない場合、経営方法などをすべてオーナーが独学で学ぶ必要があり、開業のハードルが高くなってしまいます。
業界未経験でも、開業するビジネスの種類に応じた知識習得や経営指導、経営に役立つサポートを直接受けられるのがフランチャイズビジネスのメリットです。
<ブランドイメージが確立されている>
フランチャイズなら、すでに出来上がっているブランド力を持った状態で開業できます。
1からブランドを立ち上げる場合、お店を知ってもらうために広告やチラシ、SNSなどを使ってブランド名を広めなくてはなりません。
宣伝広告費は経費のなかでも多くのお金を使うので、開業したばかりの頃は金銭的な負担が大きくなるでしょう。
フランチャイズならブランドイメージが確立され、そのブランド力を使って告知をおこなえます。
「知名度の高いブランドを自分が持てる」というのも、フランチャイズビジネスの持つ魅力ですね。
<本部が集客や告知をおこなってくれるケースもある>
空き家で開業をしたあと、とくに重要なのが集客です。
お客さんが誰も来なければ当然売り上げにつながりませんし、経費ばかりがかかってしまいます。
今は口コミサイトを見て来店するお客さんも多いので、自分のお店を知ってもらうためにも、「とにかく来てもらう」ことが大切です。
先述した通り、自分で開業する場合は集客や告知もみずからおこなわなくてはなりません。
オープン前にダイレクトメールをつくり、ポスティングをしたり郵送したりする方もなかにはいます。
集客作業は意外に時間がかかるので、開業前の作業と同時進行におこなうのは現実的ではないでしょう。
フランチャイズなら本部が集客や告知をおこなってくれる場合があり、効率的な集客につながります。
<融資が通りやすくなる>
有名なフランチャイズ加盟店であれば、銀行からの融資が受けやすいのもメリットです。
開業資金として銀行から融資を検討している方もいると思いますが、個人の場合、一般的に融資の条件が厳しくなります。
審査に通っても、「減額をされ開業資金が足りない」ということになりかねません。
フランチャイズ開業なら銀行の目線も変わるので、融資を受けやすくなるでしょう。
▼まとめ
この記事では空き家を所有している方に向け、空き家を活用した開業の事例や流れなどをご紹介しました。
年々増え続ける空き家を利用した開業は、今後も参入者が増えていくと思われます。
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空き家で何かお困りのことがありましたら、ぜひご利用ください。