空き家を解体したら建物滅失登記をしよう!手続き方法をチェック

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相続などで空き家を取得したあと、自分が住む予定もなく、建物を売買や賃貸をする予定もない方はいらっしゃいますか?

利用する予定がないからと、空き家を放置しておくのはオススメしません。

放置すると「特定空き家」に指定されて、デメリットが目立ってしまいます。

そうなる前の選択肢として「解体」があります。

今回は、その空き家の解体に関するお話です。

空き家を解体したら忘れてはいけないのが、建物滅失登記。

建物滅失登記とは何か、その手続きを忘れたらどうなるのかについて説明していきます。

手続きの方法もまとめてみたので、ぜひ、最後までお読みください。

 

関連記事:空き家解体後の更地を農地に転用することは可能?メリットや注意点は?


空き家を解体したら建物滅失登記をしよう!手続き方法をチェック



▼空き家を解体するなら覚えておきたい建物滅失登記とは?

建物滅失(めっしつ)登記とは、法務局に記録されている登記簿から、その建物がなくなったことを登記すること。

建物を解体したときや、火災で焼失したときに行う手続きです。

不動産登記法第57条により、滅失の日から1ヶ月以内に行なわなければならないと定められています。

「ここに建物はありませんよ」と申告する手続きと考えれば分かりやすいかもしれません。

記録と実態を一致させるためにも、建物滅失登記は忘れずに行ないましょう。

 

建物を解体してから1ヶ月以内に手続きをしないと、このようなデメリットがあります。

 

①土地の活用ができない

「空き家を解体して、土地を使おう!」と考えている方はいませんか?

建物を解体した際、建物滅失登記の手続きをしなければ、新しく土地を活用することはできません。

法務局の記録ではその土地に建物が残ったままなので、更地にした土地を売ったり、新しく自分の家を建てたりできないのです。

 

②建物の固定資産税がかかり続ける

「今は土地を活用する予定もないし、めんどうだからそのままでいいかな…」と考えるのも危険です。

建物と土地にはそれぞれ固定資産税がかかっています。

建物滅失登記をおこなわなければ「建物がある」と認識されるので、建物分の固定資産税を納め続けなければなりません。

注意したいのは、建物滅失登記をおこなったからといって、全体の固定資産税が低くなるわけではないこと。

建物の有無で「土地」の固定資産税の計算が変わってくるからです。

税については次の見出しで後述します。

 

③時間が経つと手続きがややこしくなる

建物滅失登記を後回しにした状態が続くなか、所有者が亡くなってしまったら…。

何かの証明で建物滅失登記が必要になったとき、焦ることになります。

亡くなった所有者の戸籍謄本などが必要で、手続きがややこしくなるからです。

 

④10万円以下の過料が発生する恐れがある

手続きを放置するデメリットは他にもあります。

建物滅失登記を怠ると、不動産登記法第164条の規定により、10万円以下の過料に処せられる場合があります。

建物滅失登記は申請義務となっているからです。

このように、建物滅失登記をしないとデメリットが発生します。

デメリットと考えるより、「義務」だと考えた方がよいかもしれません。

空き家など建物を解体したあと1ヶ月以内に、忘れずに手続きしましょう。

 

▼登記がめんどうだから空き家を解体しない!その選択はデメリットになるかも

「建物を解体しても税は低くならないみたいだし、登記の手続きも大変そう。空き家はそのままにしておこうかな」

そう考えている方はいますか?

じつは、空き家を放置するのは税の面から見てもデメリットが大きいのです。

ここでは、固定資産税と空き家の関係をご紹介しますね。

まず固定資産税は、基本的に「土地」と「建物」両方にかかります。

税はそれぞれ固定資産評価額の1.4%です。

しかし建物が建っている土地は、固定資産税が最大で6分の1軽減される特例があります。

 

「住宅用地の課税標準の特例」という法律です。

そのため、建物を取り壊すと「土地」の固定資産税が上がるのですね。

この特例を受けるため、空き家を建物としてそのまま残しているケースも少なくありません。

さきほどお話した「建物滅失登記をおこなったからといって、全体の固定資産税が低くなるわけではない」の説明がこの理由になります。

 

そこで国は「このままでは、空き家が増え続けて困る!」と対策を出しました。

それが2015年に施行された「空家等対策特別措置法」です。

この法律により、一部の空き家は「特定空き家」に認定され、税金の軽減が適用されないことになりました。

 

・倒壊などの危険性がある状態

・衛生上問題のある状態

・管理不足により景観を損なっている状態

・その他生活環境の保全のために不適切である状態

 

このような状態は、「特定空き家」として自治体から指導を受けます。

指導を受けても改善されない場合、固定資産税の控除が効かなくなり、税が最大6倍にもなるのです。

 

空き家を管理せずに放置しておくと、いずれは劣化が進みます。

そうなると、税の軽減特例がなくなるばかりでなく、近隣の住民に迷惑をかけることにもつながるでしょう。

これらの理由から、空き家の放置はデメリットが大きいといえます。

活用を考えていないなら、やはり早めに処分・建物滅失登記をした方がよいでしょう。

 

▼空き家を解体したら建物滅失登記を忘れずに!手続きの方法とは?

 

ここまで読んで、空き家を処分する決断はできましたか?

空き家を解体したら、建物滅失登記を忘れずにおこなう必要があります。

ここからは、建物滅失登記の方法をかみくだいて説明していきますね。

 

<必要な書類>

 

・建物滅失登記申請書

法務局のWebサイトからダウンロードが可能です。

鉛筆での記入は不可なので注意してください。

黒のボールペンまたはインクなどで記入しましょう。

 

・解体した建物の案内図

建物があった位置を記した地図を用意しましょう。

手書きでもかまいませんが、インターネットなどから入手した方が手軽です。

 

・建物取り壊し証明書

 

・解体を依頼した会社の登記事項証明書(登記簿謄本)

 

・解体を依頼した会社の印鑑証明証

 

これら3つは、空き家の解体を依頼した会社からもらいます。

 

<場合によっては必要となる書類>

 

・登記申請人の印鑑証明書

法務局によっては求めてくる場合もあります。

個別の必要書類については、管轄の法務局へ確認しましょう。

 

・戸籍の附票や住民票の写し

登記簿謄本に記載されている所有者の住所が異なっていると、提出を求められる場合があります。

 

・戸籍謄本や除籍謄本など

登記簿謄本に記載されている所有者の名前が異なっている場合、登記に記されている名前と現在の名前がつながっていることを証明する必要があります。

 

・相続人の戸籍謄本

 

・亡くなった人の戸籍謄本または除籍謄本

 

・亡くなった人の住民票の除票または戸籍の附表

 

これら3つは、登記されている空き家の所有者が亡くなっていたら必要になるでしょう。

 

<期限や費用について>

 

期限は解体から1ヶ月以内。

建物滅失登記の手続き自体に費用はかかりません。

しかし、申請書を記入するときに確認する「登記簿謄本」の取得に1通1,000円ほどかかります。

手続きは建物の所在地を管轄する法務局になります。

郵送も可能ですが、書類に不備があれば修正のために法務局へ行かなければなりません。

法務局には相談窓口が設置されているので、直接持参した方が手間が省けそうですね。

手続きは比較的簡単ですが、忙しい方や自分ではやっぱり難しそうな方は「土地家屋調査士」に委任するのもよいでしょう。

土地家屋調査士は建物滅失登記も代行してくれます。

代行費用は約4万円前後といわれていますよ。

 

▼まとめ

 

いかがでしたでしょうか?

管理のされていない空き家は軽減税率が適用されないので、放置するのは危険です。

空き家の活用を考えていない方、使わずに放置している方は、解体処分をした方がよいでしょう。

空き家を解体した際は、「建物滅失登記」の手続きを忘れないよう注意が必要です。

期限は解体から1ヶ月以内ですが、ギリギリになって慌てないよう、解体が終わったらすぐ手続きをおこなうことをオススメしますよ。


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