空き家で地域を活性化しよう!地域活性化につながる活用事例などを紹介

カテゴリ:
各地域の空き家対策
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空き家の数が増加しており、大きな社会問題となっています。

放置された空き家があると、倒壊のリスクや放火などの犯罪の増加が懸念されるだけでなく、地域の景観もみだしてしまいます。

特に過疎化などが進む地域において、空き家が増えており、さまざまな活用方法が検討されています。

空き家活用で注目されているのが、地域活性化に空き家を利用することです。

この記事では、空き家を活用した地域活性化の事例についてご紹介します。

空き家を活用したいオーナーは、地域活性化に役立ててみてはいかがでしょうか?

 

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空き家で地域を活性化しよう!地域活性化につながる活用事例などを紹介



▼空き家を活用して地域活性化に成功した事例集:その1

 

空き家を活用して、地域活性化に成功した事例のひとつめは、広島県尾道市の空き家再生プロジェクトです。

この空き家再生プロジェクトは、空き家バンクと空き家再生活動を組み合わせて行われました。

 

<尾道市の空き家再生プロジェクト>

 

尾道市は、歴史的な街並みや景観が魅力的なまちですが、尾道三山南斜面市街地に、空き家の数が増え、景観を乱しており、頭を抱えていました。

NPO団体が昭和初期に建てられた古い空き家民家の建築的な価値を再評価し、空き家をアートや店舗、ギャラリーの場として活用し、地域活性化に成功しました。

まず、市が空き家バンク制度に登録を行い、マッチングを行いました。

その一方で、空き家バンクに登録された空き家物件の情報提供や、利用希望者への相談や支援は、NPO法人「尾道空き家再生プロジェクト」が、市から受託を受けて、おこなっていました。

NPOは、空き家活用は、専門家だけでやるものではなく、地域住民とともに、地域活性化に活用したいという思いで、空き家の建築価値を見直したり、空き家内にある不要な廃材や古道具を再利用したり、空き家への移住者を探したりといった活動をしています。

また、空き家を居住用として活用するだけでなく、ギャラリーやお店として利用することで、アート・観光面から地域活性化に取り組んだり、空き家をNPOが買取し、地域住民が集う「子連れママの井戸端サロン」事業を展開したりして、地域活性化につなげました。

このように、空き家には、再生利用できる価値があることを地域住民もともに理解することができ、空き家活用を通じて、地域の絆を深めることも可能となったのです。

 

<空き家活用で地域活性化に成功>

 

尾道市の空き家再生プロジェクトが成功した要因として、昭和初期の民家建築といった空き家の建築価値や、景観面での価値が再評価されたことがあります。

地域活性化だけでなく、交流人口の増加にもつながりました。

また、空き家を住むだけの目的として捉えるのではなく、アートや店舗、集いの場所として活用することにより、空き家の古さをうまく生かしながら活用することができています。

NPOの空き家を通じて地域活性化に役立てるというコンセプトが明確であり、地域住民を取り込みながら、NPOが中心となり空き家活用活動を行っていることも、成功の大きな要因です。

尾道の景観を壊すことなく、空き家の活用を促進していくことが、今後の課題となっています。

 

▼空き家を活用して地域活性化に成功した事例集:その2

 

千葉県松戸市の松戸駅前を中心に、空き家活用により地域活性化プロジェクトを掲げている民間団体が、MAD Cityです。

 

MAD City プロジェクト>

 

地方都市である松戸駅前の半径500メートルのエリアを中心として、賃貸なのに改装可能な物件や、原状回復不要といった物件など、ちょっと変わった賃貸物件を取り扱い、地域活性化に取り組んでいます。

MAD City」は、2010年にプロジェクトをスタートさせて以来、70万戸の空き家物件の活用を請け負い、なんと100%の活用率を達成しています。

これまでに150人以上のクリエイティブ層の人たちを空き家への移住に導いています。

これまでの再開発手法とは異なり、人によるまちづくりや、地域活性化を行い、自発的なアイデアや新しいアクションを引き出すことにより、まちづくりを行い、地域活性化をサポートしています。

 

<新しい発想で地域活性化>

 

MAD City」では、明確なビジョンを掲げており、これが成功の大きな要因となっているといえます。

クリエイティブな自治体をつくる、刺激的でイカした隣人をもつ、地元をリスペクトし、コラボレーションを楽しむ、変化を生み出し、新しいルールをつくる、仕事場も住居もDIYで自由に創造する、駅前でも通りでもまちを遊び尽くす、東京だけではなく、世界とつながるといった、ユニークなビジョン内容になっており、これらに同調する人々が、たくさん集まり、地域活性化を実現しているのです。

また、「MAD City」では、入居する前にスタッフと一緒にまち歩きを行い、どんな人が住んでいるのか、地域にどんなお店があるのか、先輩入居者の紹介なども行っています。

入居者のための共有ルームがあり、入居者の交流スペースや、DIYの作業場などさまざまなシーンで利用することができます。

地域の人とコミュニケーションが取りやすい環境によって、地域活性化につながるのですね。

さまざまなイベントも開催されており、地域の人と一緒に地方での暮らしを楽しむアイデアを発信しながら、地域活性化を盛り上げています。

 

▼地域活性化と活用が必要とされる背景空き家の現状について

 

人口減少や高齢化といった、過疎問題により、とくに地方で空き家の数がどんどん増加しています。

不動産を活用することで、地域活性化につながりますが、活用されていない空き家の数が増えているのが現状です。

地域活性化に空き家を使用することで、空き家問題も解消できるため、注目されています。

 

<空き家問題とは>

 

空き家とは、居住している人がいない家のことです。

空き家が放置されると、地域の景観を乱すだけでなく、衛生上の問題や倒壊による安全性の問題、犯罪に利用される防犯面の問題など、さまざまなトラブルを引き起こしてしまいます。

地域住民にとっては、空き家はすぐに対処してもらいたいものですが、自治体や個人、法人が勝手に解体することができません。

売却用や賃貸用など、不動産市場で流動する空き家は、さほど問題になりませんが、放置された空き家が問題なのです。

空き家は、今後も増加していくことが懸念されており、空き家問題を解消するためのさまざまな対策や取り組みが行われるようになってきています。

 

<空き家になる原因>

 

統計調査による全国の空き家率を見ると、都心部は比較的少なく、地方に空き家の数が多いことがわかります。

空き家問題は、人口の減少や高齢化が要因であると考えられます。

また、地域によって空き家問題への取り組み方もかなり差があり、これも空き家率に反映されているようです。

一般的に空き家になることの多い理由には、その地域で生まれた子どもたちが、進学や就職で都市部へ移り住み、都市部に自分の世帯を持ち、定住するからです。

実家には高齢者となった親のみが残ることになり、介護施設へ入所したり、亡くなったりすることにより、居住者がいない家だけが残されるのです。

居住者がいなくなった空き家は、市場価値がある場合は売却や賃貸などで再利用されますが、老朽化が進んだ空き家は、買い手や借り手も見つかりません。

空き家問題対策として、国は「空き家対策特別措置法」を施行し、自治体に空き家活用に取り組むことを推進しています。

空き家を地域のコミュニティスペースにするなど、地域活性化に活用することを国も支援しており、NPO団体などにリフォーム・リノベーションの補助金によりサポートしています。

自治体とNPO団体が連携しながら、空き家を地域の集いの場所として活用したり、レンタルスペースとして活用したり、店舗やカフェとして活用したりすることで、地域活性化に貢献することが可能になるのです。

 

▼まとめ

 

空き家問題は、空き家を活用することで解消されます。

空き家は、立地条件や状態がよくない物件が多く、売却や賃貸による再利用が困難なものが多いですが、地域のコミュニティの場としての需要は高く、注目されています。

空き家活用を諦めている方は、ぜひ地域活性化のための活用を検討してみるのも、一つの解消手段です。

 

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