空き家の浄化槽を清掃しないとどうなる?浄化槽の管理方法【続編】

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空き家の管理方法
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空き家は、しっかりと管理を行わないと、さまざまなトラブルが発生します。

空き家の管理や清掃で、うっかり忘れがちなのが、浄化槽の清掃です。

浄化槽とは、トイレや生活排水などの、家庭から出る汚れた水をきれいな水に変えてから、放流するための装置のことです。

以前ご紹介しましたが、浄化槽の清掃を忘れると空き家にさまざまなトラブルが発生してしまい、悪臭により、空き家の周辺住民に迷惑をかけてしまうことにもなります。

今回は、空き家の浄化槽の清掃が必要な理由や、浄化槽の管理方法についてさらに詳しくご紹介します。
空き家になってしまったら、まずは浄化槽の清掃を行いましょう!

あわせて読みたい:空き家の浄化槽管理!悪臭の原因や対策・点検と掃除の費用は?


01浄化槽を清掃しないとどうなる?

窓を開けて換気をしたり、雑草を除去したり、部屋の中を清掃したりと、空き家の管理はしっかり行なっているという方も多いでしょう。

しかし空き家の管理で、浄化槽の清掃をうっかり忘れていたということも案外多いようです。
空き家を所有している人にとっては、とても重要なことなので、浄化槽の清掃をしないとどうなるのか、知っておきましょう。


浄化槽とは?

浄化槽とは、生活するうえで出てしまう、汚れた水をきれいにして、川などに放流するための装置のことです。
浄化槽には、マンホールのような蓋が2枚、もしくは3枚ついています。

生活していると、家庭内からさまざまな汚水が発生してしまいます。 汚水というと、トイレのし尿を思い浮かべることが多いですが、ほかにも、お風呂や洗面台から流されるものや、炊事、洗濯時に出てしまうものなどがあります。
一人あたり、一日約200リットルもの汚水が排出されているといわれており、大量の汚水をそのまま流してしまうと、不衛生なうえ、自然にも悪影響を与えてしまいます。

家庭内から出る汚水を、微生物の働きを利用することにより、汚れを分解してきれいな水に変えてから、川などへ流すようにしているのです。
浄水槽には、一般的にブロワとよばれる装置がついており、微生物が呼吸するための酸素を供給しています。


浄化槽の清掃は忘れずに!

空き家の電気を止めたり、ブレーカーを落とした状態にしたりしている人は多いのではないでしょうか?

浄化槽でとても重要な役割を担っているブロワは、電気によって作動します。
そのため、電気が供給されなくなると、ブロワが停止し、浄化槽内のバクテリアが呼吸できずに死滅してしまうことで、強烈な腐敗臭を発生させてしまうようになるのです。

ブロワを停止しても、腐敗臭を発生させないようにするためには、浄化槽の清掃が必要になります。
また、「浄化槽法」という国で定められた法律があります。

家庭用の小型浄化槽のある空き家の所有者は、浄化槽の各種装置の動作確認や調整、ならびに、浄化槽本体の清掃を年1回行うことや、汚泥の引き抜き、消毒剤の補充などを、4か月に1回以上行わなければならないというものです。

法律の定め通りの点検や清掃を行わなかった場合は、行政から使用停止を命じられることもあり、それでも応じなかった場合は、6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられることもあります。 空き家について今すぐ相談

02浄化槽休止報告書の出し方

空き家の場合、長期間浄化槽を使用することはないと考えられます。

長期間、浄化槽を使用しない場合は、空き家のあるエリアの自治体へ、浄化槽休止届や浄化槽休止報告書を忘れずに提出しておきましょう。
浄化槽休止届を提出しておけば、法律で定められた点検や清掃を行わなければならない義務は、免除されます。

浄化槽休止届や、浄化槽休止報告書の提出方法や記入方法は、各自治体によって様式などが異なります。
一般的に、空き家の所有者名、住所、浄化槽の種類(単独処理 OR 合併処理)、休止年月、使用再開予定日、休止の理由、休止前の措置などを記入します。

詳細は、空き家のある場所の自治体へお問い合わせください。

浄化槽休止届を提出する前には、浄化槽内の清掃と、水抜きを行なっておく必要がありますので、忘れずに行なっておきましょう。
浄化槽の清掃を行うときは、蓋もチェックして、清掃するようにしてください。
浄水槽の蓋が劣化していると、雨水などが浸水し、浄化槽内でその雨水が腐敗し、悪臭を発生してしまう可能性があります。

また、空き家になる期間が短い場合は、電気解約はせずに、浄化槽のブロワのあるブレーカーのみONの状態にしておくとよいでしょう。

浄化槽のブロワが作動させておけば、悪臭が発生することもなく、維持管理のコストも抑えることができます。
半年に一度くらいは、浄化槽に水を補充するようにしておくと、汚れもこびりつきにくくなります。
空き家の状態から、誰かが居住するようになった場合は、その前に専門家に浄水槽の法定点検を行なってもらうようにすると、安心です。
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03浄化槽の保守点検は誰がやってくれるのか

上記でも述べたとおり、浄化槽がある場合、「浄化槽法」という法律により、年に1回は、検査機関による法定検査受けなければなりません。

浄化槽の保守点検や日々の点検・清掃は、どこに依頼すればよいのでしょうか?
また、費用などがどれくらいかかるのかについても、チェックしておきましょう。


専門業者に依頼

浄化槽の清掃や点検は、専門業者に依頼して、行なってもらいます。
自治体から、業者の指定はないため、空き家の所有者が、費用や内容などを考慮して、選ぶことが可能ですが、浄化槽の清掃・点検を行なっている業者の数はあまり多くはありません。
自治体によっては、浄化槽点検登録業者が決められており、その中から業者を選ぶようになっているところもあります。

一般的な浄化槽の清掃・点検では、浄化槽が正常に作動しているかを確認します。
薬剤やバクテリアを浄化槽に投入して、動作確認するのが一般的です。

年に一回の清掃の場合は、浄化槽内の水を抜いて、浄化槽の内部をすみずみまで清掃し、悪臭などが発生しないようにします。


清掃・点検の費用

浄化槽の清掃や点検は、素人でやるのは難しく、専門業者へ依頼して対応してもらわなければなりません。
家庭に設置されている一般的な5〜10人用の浄化槽の場合、月1回の点検費用は、目安として5,000円前後です。
年に一回の浄化槽の清掃・点検の場合の費用は、30,000円〜50,000円くらいが目安となります。

浄化槽の清掃や点検には、費用がかかってしまいますが、これらを実施しないと、浄化槽内の汚水が、浄化されずに一般の用水路や河川に流れ出てしまうことになります。
地域住民から、用水路から悪臭がする、泡立った水が流れているといった苦情がでてしまうことになりかねません。

空き家の周辺住民に迷惑をかけてしまうことのないよう、日頃から浄化槽の清掃や点検といったメンテナンスは、忘れずに行うようにしましょう。
また、法定検査の場合は、外観検査・水質検査・書類検査の3つの検査が必須となっています。

年一回の浄化槽の検査は、浄化槽がきちんと管理されており、正常に動作しているかをチェックするものであり、検査結果を各自治体に報告しなければいけない義務があります。

法定検査は、自治体が指定した資格のある専門業者のなかから選ぶことが多いです。
法定検査の費用は、年一回、5,000円前後となっています。

空き家に毎年これだけの費用をかけたくないという場合は、浄化槽休止届を忘れずに自治体へ提出しておきましょう。
浄化槽休止届を提出している場合でも、浄化槽から悪臭が発生しないように最低限の管理や清掃、点検は済ませておくべきです。

悪臭が発生し、近隣住民から苦情がきて、自治体から指導が入ってしまうことのないように、注意しましょう。
また、自治体は、どの家に浄化槽が設置されているのかも、把握していることが多いです。

自治体の抜き打ち検査にヒヤヒヤしないためにも、事前に法定検査は行なっておくほうがよいでしょう。
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04まとめ

空き家の浄化槽の清掃や管理を忘れてしまうと、悪臭が発生したり、汚水をそのまま流したりと、近隣住民に迷惑をかけてしまいます。

空き家の浄化槽の使用を停止する前にも、清掃は忘れずに行い、定期的にチェックするようにしてください。

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