アンケートから分かる!空き家の実態と空き家が発生する経緯

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少子化やライフスタイルの変化により、日本国内の空き家が増加傾向にあり、社会問題となっていますよね。

そんな中でも空き家の流通、管理、コンサルティングなどを、宅建業者が積極的に行うことで、空き家を地域や社会のために、有効活用できると考えられます。

そのために、空き家所有者の管理状態や属性などを、具体的に把握する目的で、平成27年度に全宅連が全国の空き家所有者を対象としてアンケートを実施しました。  

この記事では、空き家所有者アンケートからみる空き家の実態や空き家が発生する経緯などについて説明します。

 

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アンケートから分かる!空き家の実態と空き家が発生する経緯



▼空き家所有者へのアンケートからわかること

 

先ほどご紹介しましたように、全宅連は平成271219日〜1227日の間、空き家所有者を対象としたWEBアンケートを実施し、その内容を分析したうえで、対象者へインタビューによる調査を実施しました。

北海道・東北エリア、関東・甲信越エリア、首都圏エリア、東海・北陸エリア、近畿エリア、中国・四国エリア、九州・沖縄エリアの各地域ブロックに分けて、アンケート調査が行われています。

空き家所有者を対象としたアンケートにより、さまざまな特性や傾向がわかりました。

 

<空き家は一戸建てが多い>

空き家には、所有しているものの人が住んでおらず完全な空き家となっているケースと、人は住んでいないがたまに活用されているケースがあります。

完全な空き家となっているケースでは、分譲マンションよりも一戸建て住宅の数が多く、一戸建て住宅の場合は同じ市町村に空き家が立地していることが多いことがわかりました。

 

<空き家の所有地>

空き家の所有地では、ある特徴が見えてきました。

現在居住している住宅の住所が東京や神奈川など、大都市圏である場合は、所有している空き家の所在地がほかの都道府県である割合が高いことがわかりました。

また、空き家所有者の現在の住居の種類を見ると、持ち家戸建て住宅に居住している人が多いのが大きな特徴となっています。

 

<空き家の築年数>

 

次に空き家の築年数について見ていきましょう。

空き家の築年数で割合が高いのが築35年以上であり、43.5%となっています。

次に割合が高いのが、築30年以上35年未満であり築年数が経過した住宅の空き家が多いことがわかります。

また、空き家となってからの経過年数を見てみると、10年以上というアンケート結果がもっとも多くなっています。

この結果から、長期間空き家の状態となっていることが多いこともわかりました。

 

▼空き家が「空き家」になる理由とは?アンケートから分かる事

ご紹介しているように、空き家が増えていることが社会問題となっていますが、なぜ空き家が空き家になってしまうのでしょうか?

家が空き家になる理由をチェックしてみましょう。

<空き家になっている理由>

下記に空き家となってしまう理由をまとめております。

順を追ってみていきましょう。

 

・売却しようとしたが売れないから(8.6%)

・賃貸しようとしたが借手が見つからないから(6.1%)

・これから売却しようと考えているから(9.7%)

・これから賃貸しようと考えているから(4.9%)

・空き家の解体を行うことが決まっているから(0.6%)

・空き家の解体を行うことを検討しているから(2.1%)

・空き家の解体を行いたいが、費用などの問題でできないから(4.1%)

・普段は利用していないが、年に数回利用しているから(13.4%

・荷物置き場として使っているから(8.4%)

・将来、自分や親族などが住む可能性があるから(14.1%)

・どうするかについて話し合いをしたが、意見がまとまらないから(3.2%)

・相談相手がいなく、空き家をどうしていいかわからないから(1.6%)

・特に理由はない。売却や賃貸、解体等を特段考えたことがないから(17.0%)

・その他(6.3%)

 

空き家となっている理由でもっとも多いのは、「特に理由はない。売却や賃貸、解体等を特段考えたことがないから」17.0%でした。

続いて「将来、自分や親族などが住む可能性があるから」14.1%)、「普段は利用していないが、年に数回利用しているから」13.4%)が主な理由となっています。

 

<空き家の状態は?>

空き家になる理由はさまざまですが、その空き家のコンディションはどのような状況なのでしょうか?

アンケート結果全体で見てみると、空き家の約半分が腐朽や破損などがほとんどない、良好なコンディションであることがわかりました。

とくに所有者が、「売却もしくは賃貸したいと検討している空き家の状態は、腐朽・破損がほとんどないことが多いようです。

空き家になった理由の中でも「意見がまとまらない」、「どうしていいかわからない」というケースでは、空き家になんらかの腐朽や破損があることもわかりました。

また、腐朽や破損がすすんでおりコンディションの悪い空き家の所有者は、理由として「解体を検討している」ことが多いことも、アンケート結果からわかっています。

 

<現住居と空き家所在地の関係>

 

続いては空き家になった理由と、現住所空き家所在地関係性を見てみましょう。

「空き家の売却や賃貸を検討している」所有者は、現住所と空き家所在地が、同じ市町村内にある割合が高いことがわかりました。

反対に、「空き家をどうするか意見がまとまらない、どうしていいかわからない」という所有者の多くは、現住所と空き家が、同じ市町村内ではない割合が高いことが判明しています。

 

▼空き家の管理内容とは?誰がどのように行っていることが多いの?

 

空き家の管理は、誰がどのように行なっているのでしょうか?

空き家の管理状況や内容についての、アンケート結果を見ていきたいと思います。

 

<空き家の管理者は?>

「空き家の日頃の管理は誰が行なっているのか」というアンケート結果では、所有者である「自分」という回答が約60%でもっとも割合が高くなっています。

空き家の売却・賃貸を検討している所有者は、空き家の管理を不動産会社に依頼しているケースがあるものの、全体の割合は低くなっています。

また、空き家を年に数回利用していたり、物置などとして利用していたりする場合は、所有者自身が管理を行なっていることが多いようです。

「空き家をどうしたらいいかわからない」「意見がまとまらない」という所有者は、特段空き家の管理を行なっていないこともわかりました。

空き家が現在居住住所から遠い場所にあるため、管理を行なっていないということもあるようです。

 

<専門業者に管理を依頼しない理由>

空き家の売却や賃貸を検討している所有者の一部は、空き家の管理を専門業者に依頼しているようです。

それ以外の所有者は、「専門業者に費用を払ってまで空き家を管理する必要性が感じられない」と考えていることが多く、専門業者に空き家の管理を依頼することのメリットを感じていないこともわかりました。

 

・専門業者に行なってほしい管理内容とは?

もし専門業者に空き家の管理を依頼する場合、やってほしい管理内容として、「庭や駐車場など敷地内の草取りや清掃」、「部屋の窓を開けて風を通す」などがありました。

また、専門業者に管理を依頼する場合の頻度の希望としては「必要なときだけ」という意向が強く、売却や賃貸を検討している所有者の場合は、月に一度など定期的な管理を希望する人が多いようです。

また、管理費用については、売却賃貸を検討している所有者の場合は、一回につき、13千円未満、35千円未満が多く、空き家をどうしていいかわからない所有者の場合は、1千円未満の割合が高くなっています。

 

<空き家相談会への参加意向はある?>

「空き家相談会を実施した場合、参加する意向はあるか」という質問では、全体でみると、45.5%の所有者が「参加したい」と回答しており相談会に興味があることがうかがえます。

とくに、空き家を売却、賃貸したいと検討している所有者は、積極的に空き家相談会などに参加したいという意向が強く、空き家をどうしていいかわからない、意見がまとまらないという所有者も、機会があれば参加したいと回答しています。

空き家相談会で相談したい内容としては、「行政でどれくらい管理をお願いできるのか」という内容がもっとも多く、続いて「いくらで空き家の売却は賃貸ができるのか、どのようにすれば、売却や賃貸が可能になるのか」という内容が多くなっています。

希望する相談相手としては、行政機関を希望する所有者がもっとも多く、続いて不動産業者、専門家(弁護士・税理士など)という結果が出ています。

現在、相談できる不動産会社がないと回答している所有者が多いこともわかりました。

 

▼まとめ

 

今回は、空き家に関するアンケートについてご紹介してきました。

特に興味深い結果としては、「空き家相談会」への参加を意識している方が多いという事が挙げられます。

空き家をスムーズに有効活用できるようになるには、さまざまな課題を相談することが大切ですよね。


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