「所有している空き家の窓ガラスが割れているが、修繕は面倒だからそのままにしておこう」「しばらく住む予定がないし、修理代がもったいない」とお考えの方は要注意です。
空き家の窓ガラスを割れたまま放置していると、そこからどんどん傷みが進行し「気がついたら家屋がひどく劣化していた」なんてことになりかねません。
また、家の老朽化が進むだけでなく、もっと深刻な問題を引き起こす可能性もあります。
そこで今回は、空き家の割れた窓ガラスを放置することでどんなデメリットがあるのか、気づいたときの対処法と修繕費用の相場についてご紹介します。
ぜひ、参考までにご覧ください。
空き家のガラスを割れたまま放置するデメリットとは?
空き家の窓ガラスが割れたままの状態で、修繕せずに放置していると一体どんなデメリットがあるのでしょうか。
主なデメリットは以下の2つです。
「特定空き家」に認定される
「特定空き家」とは、国土交通省が定めた空き家対策特別措置法に則って、周囲の生活環境に悪影響を及ぼすと判断された空き家のことです。
特定空き家に認定されると、土地にかかる固定資産税の優遇措置が適用されなくなるなど、いくつかのペナルティが所有者に課されます。
そして、特定空き家として行政が認定するための判断理由の1つに「多数の窓ガラスが割れたまま放置されている」があります。
特定空き家に認定されるような空き家は、強風や地震等によって破損や倒壊する危険性が高く、場合によっては通行人や近隣住民に被害を与えかねません。
特定空き家として自治体から段階に応じて命じられた措置を放置し続けると、最終的には行政代執行を受けてしまい、高額な解体費用を請求される可能性もあります。
命令違反には20万円~50万円の過料があるので、空き家管理を放置していると、かえって予想外の出費がかかる恐れがあるのです。
関連記事|特定空き家ってなに?国が定めたガイドラインの内容をご紹介します!
地域の治安を悪化させる
空き家の窓を割れたまま放置していると「割れ窓理論」により、地域の治安が悪化する可能性があります。
割れ窓理論とは、小さな秩序の乱れがやがて大きな犯罪へとつながる状態をさします。
たとえ空き家の窓が1か所だけ割れているだけだとしても、そこから室内に雨風が入り込んだり、ネズミや猫などが侵入したりすることによって家は急速に劣化します。
そして廃墟のようになった家は、人目につきにくい場所として認識され、軽犯罪に利用される可能性もあるのです。
実際に、管理不足の空き家をターゲットにした放火や、オレオレ詐欺などの特殊犯罪の拠点に利用されるケースが全国各地で報告されています。
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「窓ガラスが少し割れたぐらい問題ない」と安易な判断はせず、被害の小さなうちに修繕するように心がけましょう。
空き家のガラスが割れていることに気づいたときの対処法とは?
割れた窓ガラスを放置するデメリットがわかったところで、割れていることに気がついたときの対処法も気になるところですよね。
気づいたときに取るべき対処法は、以下の3つです。
対処法1:侵入者の確認
まず初めに、割れ窓に気づいたらすぐに侵入者がいないか確認しましょう。
侵入者によってガラスが割られた可能性があるので、空き巣や強盗による被害がないかどうかを確認します。
とくに女性の方は1人では心もとないかと思いますので、誰かと一緒に確認すると良いでしょう。
侵入された形跡があれば、現状を保存したまま警察へ通報しましょう。
対処法2:被害を届け出る
侵入された形跡はないが、意図的に窓ガラスが割られている状況であれば、警察に被害届を提出しましょう。
いたずらであれば大きな問題はありませんが、なかには空き家所有者やその家族に対する恨みなどによる犯行の可能性もあります。
たとえば、大きめの石など強風で飛びそうにない物が割れた窓ガラスの近くに落ちていたのであれば、意図的に割られた可能性が高いでしょう。
嫌がらせの場合は、警察に被害届を出して犯人を捜してもらったり、次の犯行を抑止したりするための対策をとっておきましょう。
対処法3:迅速な修繕
割れた窓ガラスは、ガラス交換やベニヤ板などを貼るなどして、できるだけ早く修繕をしましょう。
割れた窓ガラスは早く修繕しないと、前述のとおり家の傷みが進行してしまいます。
また、ガラスが割れてボロボロになった空き家は見た目も悪く地域の景観を損ねるので、近隣から苦情が出ることもあります。
そして台風などで割れた窓の破片が飛んでしまい、近隣住民などに被害を与えてしまった場合は、高額の損害賠償を請求される可能性もあります。
迅速に修繕することで被害の拡大を防ぎ、管理コストの削減にもつながるでしょう。
空き家のガラスが割れたときの修繕方法や費用相場とは?
空き家の窓ガラスが割れたときの修繕方法や費用相場も気になりますよね。
割れた窓ガラスの修繕方法は以下の2パターンです。
修繕方法1:自分で直す
自分で修繕する場合は、ガラスの購入費用や処分費用だけで済みます。
一般的な窓ガラスを1枚交換するだけであれば、1万円ほどの金額でガラスを購入することができます。
ガラスを交換する際は、サッシのねじを外すための電動ドライバーや、破損したガラスが飛び散らないようにブルーシートを用意しましょう。
交換後の割れたガラスの処分費用は自治体によって異なるので、自治体や処分センターなどのホームページで確認してくださいね。
自治体によっては、無料で処分してくれるところもありますよ。
修繕方法2:業者に来てもらう
自分で修繕するのがむずかしい方は、業者に依頼すると良いでしょう。
窓ガラスの修繕は、以下の業者が対応してくれます。
●建具店
●リフォーム業者
●便利屋
建具店に依頼した場合は、ガラス代にプラスで工事費や出張費がかかります。
工事費や出張費は業者によって異なるため、複数社に見積もりを出してもらうと良いでしょう。
リフォーム業者に依頼した場合も、建具店と同様にガラス代プラス工事費や出張費がかかります。
相場としては、一般的な窓ガラス1枚交換するのに、25,000円~35,000円ほどの費用がかかるでしょう。
便利屋の場合は、ガラス代にくわえて、処分代と時間給がかかります。
そのため、時給額やどれくらいの時間がかかるかによって費用が変わってきます。
相場としては、窓ガラス1枚交換するのに最低でも21,000円ほどの費用がかかります。
以上が修繕方法と費用相場になりますが、なるべく修繕費用は安く抑えたいところですよね。
修繕費用を安く抑えるには、作業日をなるべく平日にしたり、料金体系に出張費が含まれている業者を選んだりすると良いですよ。
また、火災保険に加入している方は、ガラスの修理費用が保険適用される可能性もありますので、まずは保険会社に問い合わせてみると良いでしょう。
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まとめ
今回は、空き家の割れた窓ガラスを放置することでどんなデメリットがあるのか、対処法と修繕費用の相場についてご紹介しました。
空き家のガラスを割れたまま放置すると、特定空き家に認定されて税制上の優遇措置がなくなったり、地域の治安が悪化したりする可能性があります。
空き家の窓ガラスが割れていることに気づいたら、早めに修繕して被害を最小限に抑えましょう。
そのためにも、定期的にきちんと空き家を管理することが大切です。
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