空き家の数次相続問題とは?法定相続人が死亡する前の登記が重要!

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空き家の管理方法
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空き家の数次相続が発生した家族


空き家問題の一つに数次相続があり、無意識のうちにトラブルの種をまいているのが現状です。

不動産における相続にはさまざまな注意点があり、面倒くさいと放置してしまうと、子や孫の世代で大きな問題となります。

相続の手続きを放置したがために、すでに大きな社会問題として空き家トラブルが発生している今日(こんにち)。

誰にでも起こりうるトラブルなので、不動産相続を控えているなら対策を早い段階で検討しておきましょう。

今回は、空き家と数次相続について解説します!


▼空き家の数次相続問題が発生するのは法定相続人が死亡したとき


空き家において数次相続の問題が発生するのは、法定相続人がすでに死亡しているときです。

数次相続とは、不動産の名義変更を終えていない状況で法定相続人が亡くなり、新たな相続人が生まれる状況をさします。

 

被相続人が亡くなると、相続財産は相続人全員の共有財産となります。

共有財産を遺産分割協議し、不動産の登記まで終わらせておけばトラブルにはなりません

しかし、遺産分割協議をしていても、不動産所有者の移転の手続きをしていなければ数次相続が発生します。

このような状況になると、当初の法定相続人の相続人が財産の受取人となるので、人数の増加によりトラブルが発生しやすくなるのが特徴です。

被相続人の孫段階あたりで処理できれば、大きなトラブルにならないかもしれませんが、そのまま放置し続けると相続人がどんどん増えていき把握できなくなります。

 

遺産相続では、相続するにしても放棄するにしても、相続人全員の承諾が必要です。

誰が相続するか決まらないまま時間だけが過ぎていくと、空き家は放置されて、2次トラブルを引き起こしやすい状況に陥ります。

家は定期的な管理が必要なので、きちんと相続されずに放置された状態が続くと老朽化が進み、さまざまなトラブルを引き起こしかねません。

修繕費が高くついたり、破損や倒壊によって周辺に危害を与えたりする可能性がでてきます。

数次相続は空き家問題を加速させる要因だと認識しておきましょう。


▼空き家問題につながりやすい数次相続は代襲相続とどう違う?


空き家問題につながりやすい数次相続のほかに、相続には代襲相続があり、誰が相続人となるかが大きな違いです。

数次相続と代襲相続における基本的な問題点は同じで、どちらも相続人の増加による不動産登記作業への支障といえます。

 

なお、両者の違いのポイントは「被相続人」と「当初の法定相続人」のどちらが先に亡くなるかです。

被相続人である親が先に亡くなるケースでは数次相続となり、当初の法定相続人の家族全員が新たな相続人となります。

一方、法定相続人である子が先に亡くなると代襲相続になり、法定相続人の子のみが新たな相続人となり、妻や夫は相続人にはなりません。

子の配偶者が相続人となるかならないかが、大きな違いとなりますよ。

 

<数次相続の例>

 

被相続人Aさんが死亡

Aさん死亡後に相続手続きを開始したものの、手続き完了前にAさんの法定相続人である長男のBさんが死亡

Bさんの相続権がBさんの妻Cさんと長男のDさん、長女のEさんに承継される

 

<代襲相続の例>

 

被相続人のAさんより先に、Aさんの法定相続人である長男のBさんが死亡

Bさんの相続権がBさんの長男のDさん、長女のEさんに承継される(Bさんの妻Cさんには相続権が承継されない)

 

上記のように数次相続では、家族とはいえ直接的なつながりのない人間がどんどん増える可能性があります。

代襲相続より揉めるリスクが高まるので、さらに注意する必要があるでしょう。


▼空き家を数次相続した場合の登記に関する問題点は?


空き家を数次相続した場合の登記に関する問題点は、最終相続人へ所有権の移転を直接できないことです。


法律上、本来の法定相続人による手続きをとばして、次の相続人が不動産の登記をできない仕組みになっています。

次の相続人が不動産の所有者となるには、亡くなっている当初の法定相続人を、まず所有者にしなければいけません。

最終の不動産の所有を共有にするか単独にするかは問われませんが、登記するなら所有者の承諾が必須です。

空き家問題が拡大しないように、法務局への申請を早く済ませたいと思っても、遺産分割協議が終わっていなければ、家の所有者すら断定できません。

何代にも亘って放置し続けていると相続人の数が増加し、全員の承諾を得られにくいだけでなく、そもそもの相続人を把握できない事態に陥ります。


登記も同様で、放置すればするほど、2段階、3段階による手続きが必要となり、最終的には手に負えない状態になってしまうでしょう。

不動産の所有者が決まっていないと、家の管理責任の所在を問いにくくなり、問題が大きくなっていきます。

売却や賃貸などへの活用もできないので、現金にして遺産相続したくても、売りたくても売れない状況になってしまいますよ。

 

そして、不動産の所有権移転の手続きは相続登記に期限がないため、「あせって決めなくても大丈夫だろう」「手続きは面倒だし、罰則がないならしなくてもいいか」と考えて先延ばしにしてしまうケースも少なくありません。

期限がないから手続きしなくてよいとの認識は、のちに自分たちの首を絞める結果を招くかもしれないと心得ておきましょう。


▼まとめ


数次相続は空き家問題を加速させるので、相続不動産の手続きを早めに済ませるように心がけましょう。

住まいは、定期的な管理によって老朽化の進み具合を緩やかにでき、建物の資産価値を保てます。

相続不動産を活用したいときに、有効的な方法を選択できるよう、早めに対策を講じておきましょう。

 

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