空き家問題の一つに、誰かが勝手に住む不法占拠があります。
放置したままの家は侵入者を招きやすく、さまざまなトラブルを引き起こしかねません。
侵入者が勝手に住む不法占拠は、大きな問題に発展する可能性が十分あります!
今回は、空き家の不法占拠で起こる問題についてご紹介します。
01空き家に勝手に住む不法占拠の問題
空き家が不法占拠されて、誰かが勝手に住む、または出入りするケースは結構多いです。所有者や家族は、忙しさなどから家の存在を忘れがちになります。
そして気がつけば数ヶ月、場合によっては数年が過ぎていた…なんてことは意外とザラです。
一方、侵入者は常に空き家へのアンテナを張っているので、放置されたままで勝手に住んでも分かりにくそうな住宅は狙われやすくなります。
また、誰も住まない状態が長いと、厄介なトラブルに巻き込まれる可能性もあるのです!
具体的な被害事例を2つ確認しましょう。
事例1:鍵の閉め忘れにより知らない人が住んでいた
誰も住んでいなかった親戚の家に、引っ越しを検討したご家族のケースです。引っ越しのために建物を確認したところ、家には知らない年配の方が住んでいて驚きました。
その人に出ていくように伝えると、賃貸してほしいとの回答がきたので、家賃を支払ってもらうことになりました。
しかし、家賃を請求しても支払う気がなく、そのまま勝手に住む不法占拠を続けられ、警察や弁護士に相談する状況に陥っています。
事例2:急死した父親が友人に自宅を荷物置き場として提供していた
親を突然亡くしたご家族の実家で起きた事例です。急死した親の家に親の友人の荷物があり、撤去するようにその友人に伝えても荷物の引き取りをしません。
親は友人に自宅を荷物置き場として、口約束で無償貸ししてスペアキーも預けていたそうです。
結果、スペアキーの返却も拒まれ、訴訟に発展する可能性がでています。
02空き家に勝手に住む不法占拠はどんな犯罪になる?
空き家に勝手に住む不法占拠は、住居侵入罪や不動産侵奪罪(ふどうさんしんだつざい)などに該当する犯罪行為になります。警察に通報してしかるべき対応をとらないと、さらなる犯罪を招くかもしれません!
誰も適切な管理を行なわず放置されっぱなしの空き家では、オレオレ詐欺などの特殊詐欺に利用される犯罪事例がたくさん報告されています。
場合によっては家の所有者が責任を問われる可能性もあるので、所有者は当事者意識を強くもっておきましょう!
ただし安全のため、侵入者に対する直接交渉は控えて、まずは警察に連絡してくださいね。
続いて、不法占拠で罪に問われる「住居侵入罪」と「不動産侵奪罪」についてみていきます。
住居侵入罪
正当な理由なく人の家に侵入する行為に対する罪で、3年以下の懲役か10万円以下の罰金を科せられます。ただし「人の家」に定義される空き家は管理されている住宅で、廃墟同然の家は別の罪になる可能性があるようです。
未遂についても処罰されるので、もちろん占拠は罪に問えます。
未遂は「塀を乗り越えようとしている」などが具体例で、敷地に入ったときは、すでに罪を犯している枠組みです。
不動産侵奪罪
不動産侵奪罪は、他人の不動産を占有する行為に対する罪で、10年以下の懲役が科せられます。住居侵入罪と同じく、未遂でも罪に問われるようです。
家の登記上の所有者以外が住みつく状態に対して、不動産侵奪罪を問える可能性があります。
03空き家に勝手に住む不法占拠への対策
空き家に誰かが勝手に住む不法占拠への有効な対策は、「管理」や「活用」です。誰かが訪れる頻度が高い、もしくは新たに住む人がいる家には、侵入者も占拠者もやってきません。
家が管理されている状況を周知させておけば、不法占拠の可能性は減少するでしょう。
もちろん活用できるのであれば活用するに越しませんが、賃貸や売却などは人によってはハードルが高いかもしれません。
そのため空き家を活用せずとも、不法侵入を許したり犯罪の拠点に使われたりすることがないように、防犯対策になる管理方法を見ていきましょう。
防犯対策としての管理方法
(1)郵便物やチラシを回収する
ポストに郵便物やポスティングされたチラシなどが溜まっていると、誰も住んでいない家だとお知らせしている状態です。(2)庭の草木の手入れ
庭や家周辺の草木が伸び放題の状態は、手入れする人がいない状態を侵入者に示しています。不必要に伸びた草木を刈っておくことは、侵入時に周囲の目線を隠す役目にもなるので、こまめな手入れが大切です!
(3)戸締まりを強化する
鍵の閉め忘れがないようにし、窓や玄関のカギを二重にするなどします。窓を割れにくくする防犯シートを貼ることも効果的ですよ。
侵入者は侵入に時間がかかると、あきらめる可能性が高くなるので、時間稼ぎをしやすい工夫を行ないましょう。
(4)窓の近くに足場を置かない
侵入の踏み台として利用できるモノを、窓の近くに置かないようにします。収納ケースや、エアコンの室外機などの置き場所をチェックしましょう。
(5)管理ができない場合はプロに防犯対策を依頼
空き家管理は、一つ一つは小さな作業ですが、時間と労力を必要とします。仕事や立地の都合で管理できない場合は、空き家管理のプロに依頼するとよいでしょう。
管理をお願いすることで防犯対策になりますし、防犯をメインに依頼できる業者もありますよ!
04まとめ
空き家に勝手に住む不法占拠は犯罪にあたり、放置しておくと大きな犯罪の温床になりかねません。問題の対策には家の管理がおすすめですが、個人で続けるには大変な作業です。
自分で管理できない場合は、空き家のプロに相談しましょう!
全国空き家管理ナビでは、空き家の活用や管理に関する相談を受け付けている事業者を検索できます。
気づいたら知らない人が勝手に住んでいて、不法占拠されていた状態になってしまうと解決が難しくなるため、そうなる前にぜひ相談して自分にあった解決策を見つけましょう!