北海道の空き家対策は福祉政策とリンクした新しいプロジェクトもある!

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各地域の空き家対策
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北海道の空き家対策は福祉政策とリンクした新しいプロジェクトもある!

広大で自然豊かな土地の広がる北海道は、観光名所が多く国内でも人気の土地です。
そんな人気の北の大地でも、人口の減少により空き家問題が深刻となっていて、最盛期から人口が右肩下がりで過疎地域に指定されている自治体もあるんですよ。
そんな中、道内では自然環境や地域の特性を活かした住宅活用法を推進する自治体も増えてきました。
今回は、北海道の空き家の背景とその取り組みについてご紹介します。

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北海道の空き家の現状は?空き家数や空き家率はどうなっているの?

はじめに、総務省統計局が5年ごとに実施する「住宅・土地統計調査」の調査結果から、北海道の空き家の現状についてご紹介しておきましょう。
「平成25年度住宅・土地統計調査」では、北海道の空き家率は13.9%で全国の13.5%を上回っており、戸数総数は38万8,200戸でした。
また、そのうち約60%が木造一戸建てで、さらにその40%近くが主要構造部分に破損がある状態で放置されています。
全国と同じように空き家は年々増加しており、昭和43年ごろからその傾向が現れ始めました。
平成15年の空き家数は約30万戸ですので、1年で1万戸近くの住宅が空き家となっている計算になります。
一方、最新の「平成30年住宅・土地統計調査」では、北海道の空き家数は379,800戸、空き家率は13.5%となり、調査が始まって以来初めて空き家数、空き家率ともに減少しました。
道内の自治体ごとの空き家数を見ても、札幌市などの市や町で空き家数が減少しています。
一方で、空き家数が増加傾向にある自治体も少なくないのが現状で、特に住宅数が多く、人口が減少傾向にある帯広市や函館市、室蘭市、恵庭市では、前回調査と比較して、空き家数が1,000戸以上も増加しています。
また、将来的に空き家となる可能性の高い「空き家予備軍」も増加傾向にあるとの統計が出ています。
北海道全体では空き家数・空き家率ともに減少し、各市区町村の空き家対策の成果が表れつつありますが、空き家数・空き家率が増加傾向にある自治体もまだまだありますので、今後の空き家対策の在り方が問われていると言えるでしょう。
※参考資料:【北海道】空き家数の増減ランキング (akiya-akichi.or.jp)

北海道で空き家が多い理由とは?

北海道で空き家が増えている原因は所有者が放置をしていることですが、それにもさまざまな放置パターンがあります。

●老朽化しているがそのまま放置している
●活用できる状態だが所有者が手放さない
●老朽化により更地にして売却したいが需要がない(と所有者が思い込んでいる)
●活用できる状態で所有者も活用を希望しているが、売却や賃貸先が見つからない
●修繕をおこない活用したいが、修繕費用の回収が見込めない


以上の中でもっとも多かったのが、「老朽化しているがそのまま放置している」です。
どんな理由であれ、危険な状態の住宅の放置は周辺地域の住環境の悪化をまねくため、そのままにしておくわけにはいきません。
そして北海道の空き家の課題は、小さな自治体における専門的な事業者や技術者の不足もあげられます。
既存住宅を活かすノウハウがなければ有効活用は望めませんし、ノウハウを与えてくれる相談相手が身近に居ないと問題解決につながりません。
そのため、広い視野での課題解決法を見つけることが必要です。

北海道で推進されている空き家対策

北海道では道・各自治体・民間が連携し、空き家活用の対策をおこなっています。
北海道の空き家対策において道が果たす役割には、各自治体の空き家等対策に関する情報収集・共有などの市町村支援、道内を挙げての取り組みや市町村間の調整など、市町村をまとめる役割、国や他の都道府県、関係団体との連携を取り持つ役割などがあります。
また、北海道の空き家対策は大きく分けて、周知・活用・支援の3つがあり、それぞれの内容の一例をご紹介します。

空き家が及ぼす影響についての住民への周知

空き家に関する正しい情報を、ガイドブックなどを通じて市民に届けています。
使われていない住宅の社会問題や管理の必要性を啓発し、まずは住民に活用や管理の在り方を理解してもらう取り組みです。
特に近年では、不動産所有者に対しての啓発活動にも力を入れています。

空き家の活用法と相談体制の整備

有効的な既存住宅活用ができるよう、道内全域を対象とした「空き家情報バンク」を開設しています。
空き家バンクは、移住や定住予定者に住宅情報だけでなく、その街の暮らしや仕事の情報も発信するサイトです。
また、空き家を住宅ストックとして捉え、将来の利活用を見据えた調査やリフォームを推進する、サテライトオフィスなど空き家や古民家の幅広い活用方法を紹介するなどの活動を通じて、空き家の利活用促進に努めています。

市町村への支援

さらに、北海道は道内の自治体に対しても、さまざまな形で支援をおこなっています。
自治体への支援としては、空き家対策に関するマニュアルの作成や研修会の開催を通じての人材育成の支援や、専門家と連携しての空き家対策に関する助言、都市部での空き家相談会を開催などがあります。
また、大規模空き建築物に関する対策をはじめとしたさまざまな空き家対策について、空き家対策連絡会議を開催するなどして、市町村間の情報共有を図っています。

北海道の空き家対策の事例をご紹介

続いては、北海道ですでに始まっている空き家対策をご紹介していきます。

●下川町の仕事と生き方を見直した地域創生プロジェクト
2016年から移住促進に取り組んでいる上川郡下川町では、利用されなくなった物件が木工工房に生まれ変わった事例があります。
下川町の移住者獲得法は、自然との共存をコンセプトに、仕事に暮らしを合わせるのではなく仕事と暮らしをリンクさせていく生活の推奨です。
土地の魅力である大自然をうまく活用したプロモーションは、木工作家の移住ニーズにうまくマッチングしたのでしょう。
また町のNPO法人が始めた、木材として流通できない地域材を木工に活かす取り組みも好評なんですよ。
さらに、地元の老舗パン屋さんで売られているハード系のパンとカッティングボードのコラボをおこなうなど、新しいライフスタイルの提案もおこなっています。
地域の人々と交流しながら好きな活動をすることができる下川町は、若者移住者の共感を呼んでいるようです。

●本別町の福祉でおこなうまちづくり
中川郡本別町では2006年3月に福祉をメインとした「福祉でまちづくり」宣言をおこない、その一環として空き家対策にも取り組んでいます。
本別町は住宅の老朽化や居住エリアの不便さから、住み替えを余儀なくされる高齢者が多くいました。
そこでこのプロジェクトでは、町内で活用されていない空き家について、その所有者に物件を改修してもらい、住み替えが必要な高齢者向けの賃貸物件として活用しています。
また、この事業には民間の地図業者が全面的に協力し、町内で利用されていない住宅の情報をまとめ、その情報を効率的に活用できるようデータベース化しています。
空き家の解消と、低価格での高齢者向け住宅の実現の両方を実現したこのプロジェクトは、空き家を福祉に活かした事例として注目されています。
今後は、このデータをもとに観光や移住の促進につなげていくそうです。

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まとめ

人口が減少する地域が多い中、各地域の特色を活かした空き家活用をおこなっている北海道。
若者の呼び込みや暮らしの新提案、福祉政策の取り組みなどその利用方法はさまざまです。
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