私たちが普段何気なく使っている水道も、空き家となれば当然誰も使う人がいません。
水道を使わないということは通水が行われなくなるのですが、それが原因で重大な問題を引き起こすことがあります。
空き家で通水がおこなわれないと、一体どんな問題が起きるのでしょうか?
今回の記事では、空き家で通水をおこなわないことで引き起こされる問題や、その対処方法についてご紹介いたします。
01誰も住んでいない空き家でも水道などライフラインの契約は維持しておこう
空き家には住んでいる人がいなくても、定期的に管理しなければ、老朽化の速度が増し、いざ売却しようと思ったときに資産価値が下がってしまう、利活用しようと思ったときに改修工事費用がかさんでしまうなどの問題が発生します。空き家であっても適正に管理していくことが欠かせないわけですが、この際ライフラインを維持し、毎月水道光熱費を払うのはもったいないと感じる方は少なくないのではないでしょうか。
しかし、空き家をきちんと維持・管理していくためには、電気や水道などのライフラインを維持しておくことをおすすめします。
換気や通水、清掃のために、月1~2回空き家を訪れる場合、電気や水道料金として、それぞれひと月当たり1,000円から3,000円程度がかかることになります。
しかし、ライフラインを解約して空き家を十分に管理しなければ、設備の破損などにより修繕を余儀なくされることにもなりかねません。
設備の修繕が必要になると、場合によっては水道光熱費の何倍もの料金を支払わなくてはならないこともあるのです。
ですので、空き家に誰も住んでいない場合でも、水道や電気などの契約は維持しておきましょう。
02通水が行われない空き家で発生する様々な問題とは?
それでは、ここからは空き家で通水をおこなわなかった場合に発生する様々な問題についてご紹介していきましょう。水道管は、長期間通水を行わないと管の中が錆びてしまい、やがて破損してしまいます。
長いこと空き家になっている家の蛇口をひねってみて、そこから赤茶色の水が出てきたら水道管の中が錆び始めている証拠です。
錆びを含んだ水は当然飲めませんし、生活用水として使うこともできません。
そして、さらに怖いのが悪臭です。
水回りの設備には排水トラップと呼ばれる水を溜める部分があり、ここに一定量の水を常に溜めておくことで下水から悪臭が上がるのを防いでいます。
しかし通水が行われないということは、排水トラップに溜める水も流れません。
元々溜まっていた排水も、時間が経てば蒸発してなくなります。
そうすると下水からあがってきた悪臭が家の中に漂い、最悪の場合は近所にまで広がってしまいます!
特に真夏は、気温が高いため排水トラップの水が蒸発するスピードも早く、その分嫌なにおいが広がりやすくなります。
悪臭が広がれば近所の人たちは窓を開けられませんし、洗濯物や布団を外に干すことだってできません。
通水が行われない空き家から放たれる悪臭は、近所にとって迷惑でしかないのです。
03空き家の通水を行わないと害虫が発生する原因にもなる
そして、空き家の通水を行わないことで起きる問題は悪臭だけではないんです!実は、排水トラップの水が蒸発して嫌なにおいが発生すると、ネズミやゴキブリなどの害虫が侵入してくる原因にもなるんですよ!
長く放置してた家を久しぶりに訪ねたら、ドアを開けた瞬間に害虫がザザーっと出てきた…そんなことを想像するだけでゾッとしますよね。
もちろん、においと同じく害虫が外に出て、近所の家々に侵入する可能性だってあります。
このように、空き家の通水は大きな問題を引き起こしかねないのです。
04空き家の通水を怠ると『特定空家』に指定される!?
空き家の通水を怠ることは、悪臭や害虫が発生しやすくなる危険性があることはお分かりいただけたと思います。とは言え、空き家から離れた場所に住んでいると、そう毎日通水するために通うことは難しいですよね。
ですが、もし通水しないまま放置していると、行政から『特定空家』に指定されてしまう可能性があるんですよ。
特定空家とは、所有者が適切な管理を行わず、倒壊の危険性や周辺地域に悪影響を及ぼす恐れがある家屋のことです。
「通水を怠ったくらいで特定空家に認定されるなんて大げさじゃない?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、先ほど挙げた悪臭・害虫の発生は、周辺地域に悪影響を及ぼしていることが明らかですよね。
そのため、特定空家に指定される可能性が高いのです。
なお、特定空家に指定されると固定資産税の減免措置から外されてしまうため、最大で今までの6倍の金額を納めなくてはいけません。
6倍の増額はかなり負担が大きいので、ペナルティを受けたくない人はぜひ適切に通水を行いましょう。
05空き家の通水を管理する方法
空き家の通水管理は、何も難しいことはありません。蛇口をひねってしばらくの間水を流す、たったそれだけです。
時間も1時間や2時間ではなく、3~5分程度のほんのわずかな時間で良いんです。
これを定期的に行えば水道管の中が錆びず、排水トラップの水も完全に蒸発せず、嫌なにおいや害虫の発生を抑えられますよ。
そして自分で管理をすることが難しければ、ここはやはりプロに任せる方法がおすすめです。
近年の空き家問題を受けて、日本には空き家管理を代行する会社がたくさん増えています。
不動産会社・ホームセキュリティ会社・ハウスクリーニング会社など、様々な企業があなたに代わって管理してくれます。
依頼できる内容は各社それぞれですが、通水は基本プランに組み込まれていることがあるので、それを選ぶと定期的に水を流してもらえますよ。
他にも、カビの発生を防ぐための通気、伸びっぱなしになっている庭の草木の手入れ、郵便物やポスティングされたチラシの回収なども依頼可能です。
定期点検が終了すると状況をまとめて報告してもらえるため、自分が行けない間に何か問題が発生していないかどうか分かって安心です。
空き家管理の委託は有料ですが、自分で管理した場合の往復の交通費や諸経費などを計算すると、プロに依頼する方がコストダウンしやすいケースもありますよ。
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06まとめ
空き家に水を流さないだけで、こんなにも大きな被害が出てたくさんの人に迷惑をかけてしまう可能性があることに、びっくりした人も多いのではないでしょうか。たかが通水と思わず、今空き家を所有していて「あの家、しばらく水を流してないかも…」と思ったら、速やかに適切な管理を行いましょう。
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