日本の三大都市圏の一つである名古屋市を中心に栄えている愛知県。
2005年には愛知万博(愛・地球博)が開催され、跡地には有名なアニメのテーマパークができるなど、愛知県は観光地としても人気です。
そんな活気がある愛知県ですが、全国の他の自治体と同様に、空き家問題を抱えています。
そこで今回は、愛知県の空き家対策の取り組みと、補助金制度、相談窓口について解説します。
ぜひ、参考にご覧ください。
愛知県の空き家に関する問題とは?
日本の都道府県のなかで4番目に人口が多い愛知県ですが、どのような空き家問題を抱えているのでしょうか。
人口、世帯数、空き家率の3つの側面から解説します。
1.愛知県の人口
総務省統計局の調査によると、愛知県の総人口は、2022年6月1日時点で750万2,733人です。
総人口だけを見ると他の都道府県よりも多いため、さほど空き家問題に影響がないように感じますが、愛知県においても少子高齢化による人口減少が問題視されています。
実際に、2010年時点での75歳以上の後期高齢者の割合は全人口の8.9%でしたが、2021年10月時点では約13%と、後期高齢者の割合が増えています。
さらに2025年には15.9%にまで上昇すると予測されており、約6人に1人は後期高齢者ということになります。
後期高齢者が増えるということは、相続や老人ホームへの入居による空き家の発生が予想され、同時に放置空き家が増える一因にもなるのです。
2.愛知県の世帯数
愛知県の人口は2020年を境目に減少傾向にありますが、世帯数は2025年までは増加するとの見込みです。
実際に、2020年10月1日時点の世帯数は323万8,301人でしたが、2021年には326万383人に上昇しました。
ただし、世帯数においても今後は緩やかに減少していくことが予想できるため、このままだと空き家の増加は避けられません。
ちなみに、一世帯あたりの人数は1980年以降下がり続けています。
3.愛知県の空き家率
2018年に実施された住宅・土地統計調査によると、愛知県全体の空き家率は11.3%と2013年の12.3%と比べて1.0ポイント減少しています。
空き家率の低さは全国で5番目となっており、2013年の空き家率の減少からみても、さほど問題がないように感じます。
しかし、自治体別で見てみると、4つの自治体で空き家率が13.6%を超えていました。
愛知県でもっとも空き家率が高いのが知多地域にある南知多町で21.6%、続いて美浜町が18.9%と高い割合となっています。
半島となっている知多地域の北部は名古屋市のベッドタウンとして栄えていますが、南知多町や美浜町がある南部は人口減少・高齢化により空き家率が高くなっています。
愛知県の空き家対策とは?
愛知県の空き家問題の現状がわかったところで、どのような対策を取っているのかも気になるところでしょう。
愛知県では、主に相談窓口と空き家バンクの設置、空き家管理・活用の情報発信による空き家対策をおこなっています。
愛知県の空き家対策①相談窓口の設置
愛知県では、県内の各自治体に空き家に関する相談窓口を設置しています。
たとえば、以下のような悩み事について相談を受け付けています。
●所有している空き家を処分したいが何から始めていいか分からない
●空き家を放置すると税金が高くなると聞いて心配している
●近所にずっと放置されたままの家があって困っている
このような空き家の処分・管理に関することや法律・税制関係は専門的な知識を必要とするためむずかしく、身近で相談できるような相手も少ないでしょう。
そこで各自治体の相談窓口では、空き家問題に詳しい担当者が相談にのり、空き家の放置や発生を防ぐ取り組みをおこなっています。
愛知県の空き家対策②空き家バンクの設置
愛知県においても、ほかの都道府県と同様に空き家バンクを設置しています。
愛知県内では、2022年7月時点で34市町村に空き家バンクが設置されていて、空き家の活用を介して地域の活性化を進めています。
とくに、人口減少が進んでいる農山漁村地域で「地域内外の住民交流の拡大」および「定住促進による地域の活性化」を推進することを目的に、空き家バンクの制度が積極的に活用されています。
また、愛知県の中心地である名古屋市においても空き家バンクが設置されており、都市に移り住みたい方に人気です。
空き家を所有しているが利用予定がなくて処分に悩んでいる方についても、空き家バンクに登録することで、希望者に売却することができます。
愛知県の空き家対策③あいち空き家管理・活用情報
愛知県では「あいち空き家管理・活用情報」のサイトにて、愛知県内の空き家の適正管理や活用に関する情報をご紹介しています。
たとえば、空き家問題について、相談・支援制度の一覧、空き家相談Q&Aなど、空き家に関する情報がわかりやすく掲載されています。
さらに、空き家に関する統計や調査資料、取り組み状況も確認できますよ。
愛知県では、このように特設サイトで情報発信をすることで、放置される空き家の発生予防に取り組んでいます。
愛知県の空き家対策による補助金制度とは?
愛知県では、空き家所有者や購入者に向けて、補助金などの経済的支援制度をおこなっている市町村もあります。
たとえば、以下のような補助金制度があります。
豊橋市の補助金制度
豊橋市では、空き家所有者や購入者に対して以下の2種類の補助金制度を用意しています。
●空き家利活用改修費補助金
●空き家解体促進費補助金
空き家利活用改修費補助金は、空き家バンクに登録された物件の改修費を一部補助する制度です。
空き家解体促進費補助金は、市内にある1年以上未使用で2分の1以上が居住の用に供されていた個人が所有する空き家の解体費用を一部補助する制度です。
春日井市の補助金制度
春日井市では、空き家の改修に関する支援制度として、以下の3種類の補助金があります。
●空き家付き土地の購入等に対する補助金
●空き家購入等ローン利子補給
●空き家仲介手数料補助金
空き家付き土地の購入等に対する補助金は、購入者や所有する空き家を建て替えて居住する方について、予算の範囲内で補助金が交付される制度です。
空き家購入等ローン利子補給は、市が指定する空き家の購入・改築・解体のためにローン利用する方について、予算の範囲内で支払い分の利息を助成する制度です。
空き家仲介手数料補助金は、市が指定する空き家の売買契約や賃貸借契約を締結する方に対して、予算の範囲内で仲介手数料を助成する制度です。
また、春日井市ではそのほかにも、空き家の解体に関する補助金制度もあり、空き家対策が手厚いです。
ご紹介した事例はほんの一部ですが、愛知県ではこのほかにも多くの市町村で空き家に関する補助金制度があります。
空き家のリフォームや解体にはそれなりにお金がかかるため、それを行政が一部でも負担してくれるとなると、空き家所有者や購入者にとっては嬉しい取り組みではないでしょうか。
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まとめ
日本の都道府県で4番目に人口が多く、空き家率は全国で5番目に低い愛知県ですが、ほかの都道府県と同様に少子高齢化による空き家の増加は避けられません。
そこで愛知県では、相談窓口や空き家バンクの設置などの空き家対策によって、放置される空き家の発生を予防する取り組みや利活用を促進する取り組みをおこなっています。
そして愛知県内の各市町村でも空き家に関する補助金制度を設けているため、現在、愛知県内で空き家を所有している方は、自治体の情報や取り組みをぜひチェックしてみてください。
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