日本の空き家は年々増加傾向にあり、1963年(昭和38年)には2.5%だった空き家率が、2013年(平成25年)には13.5%にまで上昇しています。
そんな空き家でも、不動産=資産であることには変わりがないため、所有している以上は税金を納めなくてはいけません。
今回は、空き家にかかる税金についてご紹介しましょう。
空き家所有時にかかる税金
空き家を所有している場合、かかる税金は固定資産税と都市計画税の2種類です。
これは空き家に限らず、人が住んでいる不動産物件を所有している場合もかかる税金で、それぞれ以下の割合の減免措置を受けられます。
①小規模住宅用地(面積が200㎡まで)
固定資産税…課税標準額の6分の1
都市計画税…課税標準額の3分の1
②一般住宅用地(面積が200㎡を超えた部分)
固定資産税…課税標準額の3分の1
都市計画税…課税標準額の3分の2
上記の減免措置は、住宅用地として所有している場合に受けられる制度なので、建物を解体して更地にした場合は、どちらの税金も減免措置の対象外となります。
そのため、「空き家はいらないけど、更地にすると税金が高くなるのが嫌だ」という理由で、仕方なく所有し続ける方もいらっしゃるのです。
しかし、所有している空き家を適切に管理せず放置している場合、いずれ行政から特定空き家として認定されてしまうでしょう。
そうなると、固定資産税の減免措置から外されてしまい、高い税金を納めなくてはいけなくなりますのでご注意ください。
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空き家を売却する時の税金はどうなる?
不動産物件にかかる税金は、取得する時と所有している時だけに限りません。
実は、売却時には、所得税と住民税の2種類が関係します。
不動産物件を売却した時、代金が購入した時の価格を上回る=利益が出ると、譲渡所得として所得税と住民税が課税されます。
ただし、売却した物件が居住用(マイホーム)の場合、譲渡所得額が3000万円までであれば課税はされません。
そしてこの控除は、空き家を売却した時にも適用されます。
例えば、ご両親が亡くなって実家を相続したものの、相続した方が既に別の場所に住んでいる場合、空き家となっている物件を売る時にも有効です。
ただし、このケースで譲渡所得税の控除を受けるためには、主に以下の条件が必須となります。
①その家に住むことがなくなった日から3年を経過する年の年末までに売却すること
(例:2015年10月5日から住んでいない場合は、2018年12月31日までに売却することが必要)
②マンションなどの区分所有物件でないこと
(対象となるのは一戸建てのみ)
③相続した空き家を売却する場合は、売り出した時までその物件が居住・事業・貸付のいずれにも利用されていないこと
④建築年月日が1981年(昭和56年)5月31日以前且つ、所定の耐震基準を満たす改修工事が完了していること
この他にも、譲渡所得額が1億円以下であることや、控除適用の対象であることを示す各書類を揃えて、確定申告を行うことなども必須条件となります。
特に④については、建築年月日が現行の新耐震基準ではなく、旧耐震基準が施行されていた時に建築された物件が対象ですので、その点にご注意ください。
まとめ
空き家を放置した状態で所有し続けることは、金銭面や精神面で大きな負担となります。
特定空き家に認定され、ペナルティとして高い税金を課されてしまう前に、空き家に関する税金の仕組みとそれぞれのケースの負担額をきちんと調べましょう。
また、空き家を売却せずに引き続き所有する場合は、適切な管理を行うことが大切です。
もしご自身で管理をすることが難しい方は、専門の不動産会社に依頼して、空き家管理を代行してもらうことをおすすめします。
空き家の管理代行を検討される方は、全国空き家管理ナビをぜひご活用ください。