自治体の空き家問題への取り組みは?

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空き家対策特別措置法が施行されて以来、さまざまな場所で空き家対策がなされてきました。

民間団体やNPO団体も取り組みを行なっていますが、各自治体も多くの施策を行なっています。
調べていくと、過疎に悩む地域だけでなく、東京などの都市部でも空き家に対する取り組みがなされていました。

今回は主に自治体の施策をみていきましょう。

01東京都の取り組み事例

東京都は空き家率でいえばそれほど高いわけではありません。
もともと家屋が多いため、空き家率は低くても空き家の数が多いのです。

人口の多い地域のため空き家を利用できるよう制度の整備さえすれば活用できる場合も多くあります。

このため、建物の除却に対する補助金のほかにも、建物を活用する場合の補助金も多くあるのです。

まずは東京都の各区の取り組みをご紹介します。


文京区の空家等利活用事業

文京区は皇居の北側に位置し、東京大学や東京ドームがあることで有名です。
東京の中では都心部に位置する文京区でも空き家の存在がクローズアップされています。

文京区は空き家を購入し、営利目的以外で賃貸借を10年以上継続する場合には空き家を利活用のために200万円を上限にして必要な改修費用を補助します。

参考:文京区 空家等利活用事業


台東区の空き家活用モデル事業

台東区や上野や浅草を含むいわゆる「下町」の区。
東京都内で有名な場所にも空き家問題はひそんでいます。

条件は空き家を子育て世帯向けの賃貸住宅とすることなどです。

50万円を上限として改修費用の補助を行なっています。
あわせて行うバリアフリー改修工事や省エネ改修工事も対象です。

参考:台東区 空き家活用モデル実施 事務事業評価シート


墨田区の老朽危険家屋除却費等助成制度

墨田区は両国国技館や東京スカイツリーが有名な区です。
墨田区も下町であり、古くからの老朽家屋が建ち並んでいる地区もあります。

墨田区は一定程度以上の老朽危険家屋について除却工事費の2分の1を上限50万円まで助成します。
それだけでなく、その建物の除却後の跡地を10年間墨田区へ無償貸与することを条件にすると、上限が200万円に拡大されます。

参考:墨田区 老朽危険家屋除却費等助成制度
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02地方での取り組み事例

次は、空き家問題がより深刻な地方での取り組みをみてみましょう。

東京は空き家を活用する方策も多く、取り壊しても敷地も利用価値があります。
一方の地方はなかなか空き家の担い手が見つからないのが現実です。

そんな地方であっても知恵を絞って空き家問題を解決しようとする自治体が数多くあります。

東京都の施策との違いは「定住」を促進する施策が多いことです。
空き家問題と並んで過疎化に悩んでいる自治体も多くあります。
若者世代が定住してくれればその両方の問題が解決できるのです。

そんな自治体の取り組みの一部をご紹介します。


岡山市の空家等適正管理支援事業(リフォーム)

中国地方では中心都市のひとつである、岡山市のリフォームへの補助金をご紹介します。

対象者は空き家の所有者。
いくつかの条件に合致する空き家のリフォーム費用の3分の1を、上限50万円まで補助することが主な内容です。

この支援事業は、リフォーム後は所有者が住む、賃貸に出す、売却するといったどのようなかたちでも構いません。

参考:岡山市 空家等適正管理支援事業(リフォーム)


弘前市の空き家・空き地利活用事業費補助金

弘前市は青森県西部に位置する都市です。
東北地方は空き家問題が深刻な深刻となっています。

弘前市の補助は多様で、空き家や空き地などの購入・賃貸、空き家の解体、動産の廃棄に対して補助金が交付される仕組みです。
弘前市がユニークなのはその補助対象の多さ。
空き家だけでなく、空き地の利活用も補助対象です。

さらには建物内のゴミなど動産の廃棄にも補助金が出ます。
その金額は補助対象によって異なるものの、建物の解体費用で最高で50万円が交付されます。

参考:弘前市 弘前市空き家・空き地利活用事業費補助金概要


その他の自治体の取り組み

大阪府枚方市の「枚方市若者世代空き家活用補助制度」は若者世代が定住のために空き家を購入した場合、その改修費に対して補助金が出ます。

同じく大阪府堺市の「堺市子育て世帯等空き家活用定住支援事業補助金」は購入代金の一部を補助してくれる補助金です。

堺市は政令指定都市のひとつ。
そんな堺市でも若者世代の定住を狙って補助金を用意しています。

和歌山県にある日高町の「日高川町空き家活用若者移住定住支援補助金制度」は空き家の購入だけでなく、賃貸に対しても補助金を交付してくれます。


どの自治体もその地域の実情にあわせ、活用や建物の除却に対して補助金を設定しています。
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03まとめ

空き家への典型的な対策は活用と撤去。
どちらが効率的なのかは自治体によるでしょう。

東京のように空き家に手を加えるだけで需要が生まれる地域では利活用が得策です。

解体撤去利よりも手間がかかりません。
地方でも若者世代が安く購入してくれるなら自治体としては補助金を出してでも購入してほしいところです。

需要が見込めない地域では解体費用を補助して更地化を促進したほうが空き家問題は早く解決します。

自治体の取り組みだけで空き家問題が解決するわけではありません。
ただ、こうした取り組みを通じて少しずつでも空き家が減っていくことを期待します。


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