空き家を売却するには!売却方法と必要な費用を解説

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「空き家を持っていると管理費や税負担が重いから手放したい」
「空き家を売却したいけれど、普通の売却とどう違うのだろうか」


空き家を相続したけれども、うまく管理や処分ができず困っている人もいると思います。

今回は、空き家を売却する方法と費用を解説します。

01空き家を売却する4つの方法

空き家を売却するには4つの方法があります。
空き家特有の方法もあるので参考にしてください。



1.そのまま売却する

空き家と敷地をそのまま売却するのが、一番シンプルな方法です。
築年数が浅かったりリフォームしたばかりであれば、建物に手を入れずに売却できる可能性があります。

まずは、空き家の資産価値を確かめてみましょう。


2.更地にして売却する

建物が老朽化していてリフォームに費用がかかりすぎたり、再建築が難しい土地だったりする場合には、建物を取り壊してしまう方法があります。
建物付きの土地では利用が難しい場合でも更地にして売却すれば、購入者のアイデアで活用してくれるかもしれません。

更地であれば、アパート建設や駐車場・トランクルームの整備などに活用できる可能性があります。
建物の老朽化が進み管理が難しい場合にも、検討してみましょう。


3.買取ってもらう

そのまま売却するには時間がかかりすぎる場合には、不動産会社に買い取ってもらう選択肢もあります。
通常の売買より時間がかからないので便利な反面、売却価格が7~8割程度に抑えられてしまう場合があります。

空き家の立地条件が著しく悪かったり、売却を急いでいる場合には、買取を検討してみましょう。


4.空き家バンクを利用する

自治体には空き家バンクを設置しているところがあります。
通常の不動産売買とは異なり、空き家を買いたい人とマッチングする可能性が高いです。
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02空き家売却に必要な費用

空き家を売却する際に必要な費用には、主に次のようなものがあります。

 1.譲渡所得税
 2.登記費用
 3.媒介手数料
 4.解体費用


通常の不動産売買と異なり、空き家に関する特例もあるので押さえておきましょう。


1.譲渡所得税

譲渡所得は次の計算式で求められます。

収入金額 ― (取得費 + 譲渡費用) ― 特別控除額 = 課税譲渡所得金額
課税譲渡所得金額 × 税率 = 譲渡所得税額


まず、空き家の所有期間が5年以内か5年を超えるかで税率が大きく異なります。(譲渡した年の1月1日現在で判定)

譲渡した年の1月1日現在での
所有期間
所得税・
復興特別所得税
住民税
長期譲渡取得
(5年超)
15.315% 5% 20.315%
短期譲渡取得
(5年以下)
30.63% 9% 39.63%


次に、空き家や敷地にかかる所得税には、3,000万円の特別控除額が適用される場合があります。
相続等によって空き家かその敷地を取得した場合、相続して3年を経過する日の属する年の12月末までに、空き家と敷地または敷地等を売却すると、一定の適用要件を満たせば譲渡所得金額から最大3,000万円を控除できます。


空き家の譲渡所得について詳しく知りたい場合は、こちらの記事をご覧ください。
空き家の処分に必要な譲渡所得の基礎知識!有利な税制優遇措置を活用しよう


2.登記費用

売却しようとする物件の相続登記がされていない場合には、まず登記を済ませてから売買による所有権移転登記を行う必要があります。

相続登記等に必要となる費用は、戸籍に関する書類の取得費用や登録免許税・登記申請を行う司法書士への報酬などです。


それぞれの目安となる金額は次の通りになります。

戸籍関係書類等の取得費 5,000円~10,000円
登録免許税 固定資産税評価額の0.4%
司法書士報酬 50,000円程度


戸籍関係書類等の取得費

相続登記には亡くなった人の全部事項証明書(いわゆる戸籍謄本)等が必要です。
ひとりの人が生まれてから亡くなるまでの戸籍を調べるには、複数の戸籍が必要なので注意が必要となります。

また、相続して引き継ぐ人の戸籍も1通だけではなく複数必要となる場合があるので、市区町村の窓口などで確認しましょう。


登録免許税

相続や売買で不動産を登記する際には、登録免許税が課税されます。
ただし、特例が多いので確認が必要です。


  不動産の種類 税率
相続 土地 1.5%(令和8年3月末まで)
建物 2%
売買 土地(※) 0.4%
建物 0.4%

(注)
・不動産の価額が100万円以下の場合は免税(0%)
・相続等により土地を取得した個人が土地の所有権の移転登記を受ける前に死亡した場合には、令和7年3月31日までにその死亡した個人をその土地の所有権の登記名義人とするために受ける登記については免税


詳しくは国税庁のサイトでの確認をおすすめします。

国税庁 No.7191 登録免許税の税額表
相続による土地の所有権の移転登記等に対する登録免許税の免税措置について



司法書士報酬

登記手続きは、司法書士に依頼することが一般的です。
知り合いの司法書士がいない場合には、紹介を受けるなどして探す必要があります。


3.媒介手数料

媒介(仲介)手数料とは、不動産会社に物件の販売を依頼し、売買が成立した際に払う成功報酬のことです。
資産価値の低い空き家では、通常の手数料の上限のほかに空き家の特例があります。

売主は通常の所定の媒介報酬に加え、現地への交通費等の調査費用を加えて支払う場合があります。
ただし、売主があらかじめ説明を受け了解していることが条件です。

買主には空き家特例は適用されない点も押さえておきましょう。

売却価格 媒介手数料の上限 空き家特例の場合
200万円以下の部分 5% 18万円
200万円超~400万円以下の部分 4%
400万円を超える部分 3% 3%


建物の売却には別途消費税が必要です。
土地には消費税は課税されません。

この特例は、空き家が老朽化していたり遠方にあったりするなど、通常の物件に比べ調査等に経費がかかり、通常の媒介手数料では不動産会社の採算が合わないことがあるため設けられたものです。

例えば、200万円の売却価格であれば、通常の媒介手数料の上限は10万円のところ、8万円アップした18万円まで請求できることになります(必ず売主の同意が必要)。


4.解体費用

空き家の解体する場合の費用は、家の広さや構造などによって変わるため一概には言えません。
解体する際には、必ず複数の業者から見積もりを取るようにしましょう。
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03空き家の売却には特例に注意

管理の行き届かない空き家は管理費や固定資産税のリスクが大きく、早期の売却を望む人が多いのが現状です。
空き家を売却する際には、特例制度を理解しておかないと不利益を被ることがあります。

例えば、売却する前に相続登記が必要になることはあまり知られていないため、予定外の費用がかかる場合があります。
また、うまく空き家の売却をするには、物件の資産価値を把握して、物件に適した売却方法をとることが必要です。

空き家の売却は個人で行うよりも、専門的な知識を持った不動産会社や専門家にサポートしてもらうのもよいでしょう。



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