仕事や観光などで田舎に行くと、いくつもの空き家や空き家らしき建物を見ることができます。
報道でもあるように空き家問題は地方でこそ深刻です。
都市部にも空き家は存在し、問題となっています。
ただし都市部は田舎よりも処分が容易です。
一方で田舎の空き家は使い道もない、処分先もない状態に簡単になってしまいます。
田舎の空き家は活用や処分が難しいことを踏まえたうえで、田舎に対応した活用方法や処分方法を検討していきます。
01田舎の空き家を活用する方法
まずは田舎の空き家を活用する方法からみていきましょう。賃貸に出したり、駐車場にしたりと都市部の空き家活用方法と変わらないものもあります。
一方、太陽光発電や古民家カフェなどは田舎ならではの方法です。
条件が整えば田舎の空き家であってもこれらの方法が活用できます。
賃貸に出す
賃貸は空き家の活用方法としてオーソドックスです。当然ながら特定空家に指定されそうな空き家は論外で、人がすぐ住める状態であることが大前提です。
設備が古かったり、傷んでいたりすると貸し出せません。
田舎の空き家への追い風として、田舎に住むことがひとつのブームになりつつあります。
条件が合致して賃貸に出すことができれば、田舎の空き家の活用方法としては最上級の結果です。
駐車場や資材置き場として貸す
こちらは空き家を取り壊して更地として貸す方法です。駐車場であれば多くの設備投資は必要ありません。
資材置き場であれば舗装せずとも貸し出すことができます。
問題は需要です。
幹線道路沿いや車の出入りがしやすい場所ならこうした方法が可能です。
一方、狭い道路に面した場所や山奥などの交通の便が悪い場所では実現が難しくなります。
太陽光発電
空き家を取り壊して太陽光発電ユニットを並べ売電収入を得る方法です。この方法の利点は日が当たり、電線さえあれば場所を選ばないことです。
発電が始まってしまえば手間もかかりません。
デメリットとしては初期費用がかかることで、さらに売電収入が買取制度に左右されることです。
発電ユニットの価格が下がったとはいえ、買取価格も以前よりは大幅に下がっています。
一時期のブームが去ったことから、かつてのような大きな収入を得ることは難しくなっています。
古民家カフェ
空き家を活用して古民家カフェとして再生した例もあります。空き家をリフォームして自ら経営、または貸し出すのです。
順調にいけば住宅として貸し出すよりも大きな収益となります。
ただし、初期費用がかかること、立地条件に左右されることが難点です。
そのカフェが順調に経営されないと安定した収益にはつながりません。
物件を選ぶ方法といえます。
02田舎の空き家を処分する方法
空き家を有効活用できればよいのですが、すべての空き家がうまく活用できるとは限りません。その場合は処分を検討します。
田舎の空き家の処分では売却が代表的です。
売却だけでなく、寄付などの方法もあります。
田舎の空き家を処分するにはどのような方法があるかみていきましょう。
売却
売却といっても多くの方法があります。空き家が建ったままで売却することもあります。
不動産の広告で「古家付き」と表示されるのがこの方法です。
手間がかからない反面、取り壊し費用分を安くしないと売却が難しくなります。
更地化して売却するのもひとつの手段です。
需要のある場所なら相応の値段で売却できるでしょう。
需要が見込めない場所では、空き家バンクを活用するのもひとつの手段です。
空き家バンクに登録しておくと、空き家の購入希望者の情報を提供してくれることもあります。
寄付や贈与
寄付や贈与も方法のひとつ。つまり「あげて」しまうのです。
空き家は所有しているだけで維持費がかかるものです。
使わない空き家にお金をかけるくらいなら、タダでいいから引き取ってほしいと考えることもあります。
寄付先には自治体も代表的。
ただし、公共事業の予定地など場所に恵まれていないと自治体はなかなか受け付けてくれません。
個人や法人に寄付あるいは贈与することも考えられます。
贈与の場合、売買代金はかからないものの、不動産の評価額によっては受け取った側が贈与税を支払うことが必要です。
物納
物納とは、相続税の納税でお金の代わりに資産で支払うことです。不動産でも支払うことができます。
担保権がついていないこと、境界が明らかであることなどの条件を満たすことができれば物納は可能です。
さらには金銭で納税できる場合には物納ができないなどの制約があります。
狭き門ではあるものの、もし物納できれば相続税と空き家が一挙に解決します。
相続放棄
これは厳密には処分ではありません。相続の際に相続放棄をすれば空き家の処分に悩まされることもありません。
ただし、相続放棄は他の財産も放棄する必要があります。
空き家だけ相続放棄はできないのです。
また、相続が決まるまでは相続人には管理責任が発生します。
相続放棄するとしても、確定するまでは空き家の面倒をみる必要があるのです。
03まとめ
都市部にも空き家はあるものの、空き家問題と聞いて思い浮かべるのは田舎の空き家でしょう。過疎化、都市部への人口の集中といった田舎の空き家にとって厳しい状況が続いています。
国や自治体、そして空き家の所有者も何とかしたいと模索しています。
まずはここに挙げた活用方法や処分方法を検討してみましょう。
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