空き家を駐車場として活用する際の注意点は?メリット・デメリットも解説

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空き家の活用を検討していませんか。
空き家の売却や賃貸が難しい場合は、取り壊して駐車場にする方法があります。
建物として活用が難しくても、立地条件によって収益が見込めれば貴重な収入となります。

今回は、空き家を駐車場として活用する際の注意点とメリット・デメリットについての解説です。
空き家のまま放置して税負担を増やさないためにも大切なので、ぜひ参考にしてください。

なお、今回は空き家活用のための駐車場の解説であり、事業用の大規模な立体駐車場などは想定しておりませんのでご了承ください。

01空き家を活用する方法

相続などで空き家を取得した場合には、立地条件や家近隣での不動産取引事例などを考慮して活用方法を検討しましょう。
空き家の主な活用事例には次のようなものがあります。

1.賃貸住宅
2.アパート
3.駐車場
4.トランクルーム




1.賃貸住宅

立地条件がよく入居実績が見込める地域であれば、空き家を賃貸する方法があります。
賃貸の際には必要な修繕は欠かせませんが、大幅な間取り変更などが必要なければ、比較的少ない費用で済むでしょう。

賃貸するためにどの程度修繕が必要かは、不動産会社や専門家の意見を聞いての判断が必要です。



2.アパート

交通の便がよく人が集まりやすい環境であれば、取り壊してアパート経営を考えてもよいでしょう。
複数の人が入居できるアパートであれば、敷地面積当たりの収益も大きく長期的にも安定した収入が見込めます。

ただし、初期投資には多額の費用がかかるので、資金回収など長期的視点の経営が必須となります。



3.駐車場

立地条件により賃貸住宅やアパートが難しかったり、費用をかけたくない場合は駐車場として活用する方法があります。
空き家の取り壊し費用はかかりますが、建物を再度建築する必要がないので立て直しほどの負担はありません。

また、青空駐車場であれば、それほどの設備投資も不要なので気軽にはじめられるメリットもあります。
空き家を駐車場にするメリットとデメリットについては、次の章で詳しく解説します。



4.トランクルーム

賃貸住宅やアパート・駐車場としての活用のほかに、トランクルームとして活用する方法もあります。

トランクルームには、コンテナタイプやロッカータイプ・屋内タイプなどがあります。
いずれも人が住む施設ではないので、それほどの初期費用は必要ありません。

しかし、トランクルームには倉庫業法や建築基準法・都市計画法などの規制があるので、基準をクリアするよう確認しながら進める必要があります。


トランクルームについて詳しく知りたい方は、次の記事もお読みください。
空き家活用をお考えならトランクルームに注目!そのメリットや注意点とは?
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02空き家を駐車場にするメリット

空き家を駐車場にするメリットは次のとおりです。


1.安定した収入が得られる

自家用車を持っている人には、必ず駐車場が必要です。
一度、駐車場を使用すると別の駐車場を探すことがあまりないので、顧客が固定され長期的に安定した収入が見込めます。



2.初期費用が最小限

個人がはじめる空き家対策ではじめる駐車場には、一般的に大きな設備投資は不要です。

屋外に止めるタイプの駐車場であれば、初期費用は最小限で済みます。
少ないコストではじめられるのがメリットです。



3.維持管理が不要

立体駐車場など大がかりなものをのぞき、小規模な駐車場には管理の手間がほとんどありません。
面倒な料金徴収も、口座振替やクレジットカード払いなどにすれば手間がかかりません。



4.ほかの用途への転用が容易

駐車場は建物の建っていない土地を活用するので、他の事業を始めたり第三者に売却する際も容易です。

一戸建て住宅やアパートとは違い更地にする必要がないので、すぐに転用できます。
解体することなく、建物を建てられるのもメリットです。
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03空き家を駐車場にするデメリット

空き家を駐車場にするにはデメリットもあるので、押さえておきましょう。


1.固定資産税などの税負担が増える

駐車場には、固定資産税が課税されます。

また、都市計画区域内の市街化調整区域であれば都市計画税も課税されます。
駐車場には、小規模住宅用地のように固定資産評価額が1/6となるよう特例措置はありません。
一定の居住用宅地であれば、空き家には固定資産税の減額措置がありますが、解体して更地にしてしまうと特例がなくなってしまいます。


一定の条件の宅地が受けられる特例措置は次のとおりです。

減額される固定資産税評価額
区分 上限面積 固定資産税1.4% 都市計画税0.3%
小規模住宅用地 200平方メートルまでの分 1/6 1/3
一般住宅用地 200平方メートルを超えた分 1/3 2/3
著者作成


この特例は人が住むための宅地に対して適用されるものなので、事業用で更地にしてしまうと受けられません。
駐車場と都市計画区域内の市街化調整区域で200㎡メートルまでの場合と比べると、固定資産税は約6倍、都市計画税は約2倍になる場合があります。
駐車場として活用するには、これまで支払っていなかった税負担を考慮して経営していく必要があります。


固定資産税の仕組みと特例措置を知りたい方は、こちらもお読みください。
空き家にかかる固定資産税の仕組みと特例措置を解説



2.立地条件に左右される

駐車場の設置には、車がよく使われる環境かどうかが鍵となります。
郊外の住宅地で車が通勤や生活の足となっている場所であれば、駐車場は必要とされます。

しかし、電車の利用が多く車をもつ家庭が少ない場合はニーズがありません。
月に数回など車を使用しない環境であれば、駐車場があっても使われないでしょう。
普段から車が使われているかどうかの確認が必要です。


3.収益性が低い

駐車場の顧客は定着率が高いですが、アパートなどと比べて面積当たりの単価が小さいため収益性が低い場合があります。
人が住む施設と比べると必要な設備投資の額も違いますが、そもそも車一台の駐車料金をあまりに高額にすると借り手が見つからないことが多いです。
駐車場業で大きく稼ぐのではなく、あくまでも空き地の活用程度に考えておく方がよいでしょう。
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04駐車場の種類

空き家を解体して駐車場として活用するには、主に次の2種類があります。

月極
コインパーキング



月極

月極は、月額料金を決めて特定の人に貸す駐車場サービスです。

土地所有差と面識のない不特定の人が使うことはありません。
利用者が固定されるので、管理の手間が省けます。

月極駐車場は顧客が固定しやすく離脱もしにくいのが特徴です。
固定客による利用のため、利用されない時間が発生して収益を得られないことはあまりありません。



コインパーキング

コインパーキングは、観光地や繁華街など一時的な利用が多い場所に向いた駐車場です。

不特定の顧客を相手にするので、稼働見込みが立ちにくいのがデメリットです。
また、利用者が予想できないので、設備の破損や苦情対応などの管理業務が必要となる場合があります。
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05まとめ

本記事では、空き家を解体して駐車場として活用する際の注意点とメリットデメリットを解説しました。
相続した建物が空き家で資産価値がない場合には、固定資産税の負担が増えるため更地にして駐車場などの収益物件にしたほうがよい場合があります。

駐車場経営のよい点は、比較的少ない初期投資で安定した収入が得られることです。
しかし、アパート経営などに比べると駐車場経営は収益性が低い傾向にあります。

あくまでも空き家の活用策として固定資産税などの管理費をまかなう目的で運用しましょう。
立体駐車場もない限り、大規模な事業には向いていません。
駐車場を整備するには、立地条件や車の使われ方により、月極駐車場にするかコインパーキングにするかも考慮しましょう。


この記事が相続などで取得した空き家対策として、駐車場経営を考えている人の参考となれば幸いです。

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