空き家の植木は放置するとトラブルの元?トラブル事例と対策をご紹介

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空き家の管理方法
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空き家の植木は放置するとトラブルの元?トラブル事例と対策をご紹介

空き家は、放置するとご近所トラブルに発展することがあります。
そのなかでもとくによく耳にするのが、空き家の植木の枝が伸びすぎたことによる近隣トラブルです。
そこで今回は、空き家の敷地に生えた植木を放置するとどのような問題が起こるのか、トラブル事例や対策法について解説します。
空き家を所有している方は、ぜひ参考にご覧ください。

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空き家の植木を放置すると危険?

空き家の庭に植木がある場合は定期的に剪定をおこなわなければならないため、大変ですよね。
しかし、大変だからと言って放置していると木の枝が伸び放題になり、思わぬトラブルを引き起こしかねません。
実際に、隣の敷地にまで木の枝が伸びてしまい、ご近所トラブルとなる事例もよく耳にします。

空き家の植木の越境問題

現行の法律では、空き家の庭にある植木が伸び放題になり、通行の妨げになっていたり隣地の境界線を越えていたりしても、近隣住民が勝手に伐採することはできません。
そのため、空き家所有者が気づかぬうちに近隣住民に迷惑をかけてしまっているケースが多々見られます。
隣家から「木の枝を伐採してほしい」と催告があったにも関わらず無視した場合は、裁判にまで発展することもあります。

スズメバチやシロアリの被害の元にも

空き家の植木を放置すると、衛生面や安全面でも危険があります。
たとえば、植木が伸び放題のままだとスズメバチが巣を作ったり、シロアリが発生したりします。
スズメバチは猛毒性が強いため、万が一通行人や近隣住民にまで被害を及ぼした場合、空き家所有者としての管理責任を問われる可能性もあります。
また、シロアリは増殖すると土台や柱部分を中心に空き家の劣化が早まり、家屋倒壊の恐れがあるため放置するのは危険です。

植木が伸び放題のままだと行政代執行の恐れも

自治体から空き家を適切に管理するように指導や勧告があったにも関わらず放置した場合は、行政代執行される恐れもあります。
行政代執行とは行政上の強制執行のひとつで、空き家所有者が空き家の管理義務を怠ったときに、行政庁が所有者の代わりにその行為をおこなう制度です。
行政代執行の際は、行為にかかった費用を空き家の所有者から徴収します。
空き家の植木が伸び放題になって近隣住民にまで被害が及んでいる場合も、所有者が改善指導に従わないときには行政代執行の対象となります。
その場合、行政庁が空き家所有者の代わりに植木を伐採し、植木の伐採にかかった費用を後から請求されることになるためご注意ください。

関連記事:空き家対策である行政代執行とは?所有者は知っておきたい知識をご紹介

空き家の植木のトラブル事例や所有者の法的責任とは?

では具体的に、空き家の庭に生えている植木を放置することでどのようなトラブルが起こりうるのか気になるところでしょう。
実際に起こったトラブル事例と所有者の法的責任、民法の改正点をご紹介します。

トラブル事例

植木は、種類によっては高さ数十メートル以上も伸びることがあり、放置すると電線や隣家の屋根に接触することがあるため危険です。
実際に、空き家に生えている樹高約20メートルの植木の枝が、隣家の屋根に設置されたアンテナを圧迫するというトラブル事例がありました。
また、風が吹くたびに植木の枝が隣家の壁に接触したために、外壁が傷ついたという事例や、成長しきった植木の枯れ枝や枯れ葉が隣家の敷地内に落ち、溜まってしまうというトラブル事例もあります。

所有者の法的責任

現行の民法では、竹木の枝の切除及び根の切取りについて以下のように定められています。

●民法第233条 隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。
●民法第233条2項 隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。


そのため、所有者に植木の枝の伐採を請求しても応じない場合は裁判を起こすしかなく、空き家所有者が不明だったり、複数人いたりする場合は大変な労力と時間がかかっていました。
そこで2021年の民法改正により、2023年4月1日からは越境した植木の伐採についての法律が以下のように変わります。

●竹木が共有名義の場合、各共有者は単独で切除可能(民法新233条2項関係)
●越境された側が一定の要件に当てはまる場合、切除可能(民法新233条3項関係)


この法改正によって、越境された側は空き家所有者の全員ではなく一人に対して伐採を催告すれば済むようになりました。
また、以下の3つに該当する場合、越境された側は隣地から越境してきている枝について、裁判を起こさずとも自ら切り取ることができるようになりました。

●植木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、所有者が相当の期間内に切除しないとき
●植木の所有者を知ることができず、またはその所在を知ることができないとき
●急迫の事情があるとき


しかし、越境された側が伐採した場合でも伐採にかかった費用は、基本的に植木の所有者の負担となるためご注意ください。

空き家の植木を伸び放題にしないための対策

空き家の植木を放置することによる危険性やトラブル事例がわかったところで、実際にどのような対策を取れば良いのか気になりますよね。
最後に、空き家の植木の管理方法や伐採にかかる最新の費用相場についてご紹介します。

空き家の植木の管理方法とは?

空き家の植木は、主に以下の業者が管理してくれますよ。

●園芸業者
●便利屋
●シルバー人材センター
●空き家の管理代行会社


植木の剪定作業を専門とするのは、園芸業者です。
費用は少し高めとなりますが、植木だけでなくきれいに庭を手入れしてくれますよ。
便利屋さんは、庭木の手入れやゴミの処分など、さまざまな雑務を引き受けてくれる業者です。
自治体の運営するシルバー人材センターでも、空き家の庭を手入れしてくれるところがあります。
しかし、高齢者が作業員のため、高さのある植木や夏場の作業の場合は、事前に確認したほうが良いかもしれません。
空き家の管理代行会社は、不動産管理会社や警備会社などがあります。
空き家管理サービスの一環で庭木の手入れも請け負ってくれますよ。
ただし、プランやサービス内容は管理会社によって異なるため、事前に確認すると良いでしょう。
庭木の手入れだけでなく、ポストの確認や点検などもおこないますよ。
空き家管理ナビでは、全国の不動産管理会社を簡単に検索することができます。
空き家管理サービスにご興味がある方は、ぜひご利用ください。

関連記事:空き家管理サービスってなに?サービスのメリットや費用相場などをご紹介!

植木伐採の費用相場は?

では、植木を伐採するには、いくらぐらいの費用がかかるのでしょうか?

最新の費用相場は、5mの高さで約1万2,000円~1万5,000円です。
伐採費用は以下の4点で費用が異なってきます。

●植木の高さ
●伐採に使用する機具
●処分費用
●根本まで除去するか否か


植木の高さは3m未満だと3,000円~9,000円ほどです。
3~5mの高さの場合は8,000円~2万円ほど、5m以上の木は1万5,000円~3万円ほどするでしょう。
また、伐採に重機を使用したり、伐採後の処分まで依頼した場合は、その分費用も高額になります。
根本まで除去するとなると、幹の太さによってさらに追加費用が数千円~数万円ほどかかるでしょう。

この記事も読まれています|空き家所有者の責任とは?トラブル事例とリスクの回避方法を解説!

まとめ

空き家の植木は放置すると、思わぬトラブルを引き起こす可能性があります。
植木の枝が隣家に越境して近隣住民に被害を及ぼした場合は、法的責任を追及される恐れもあります。
そのため、日頃から植木を始めとした空き家管理は定期的におこなうことが大切です。
「遠方に住んでいて空き家の管理がなかなかできない」という方は、ぜひ空き家管理サービスのご利用をご検討ください。
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