総務省が毎年おこなっている「通信利用動向調査」によると、日本国内のスマートフォンの世帯保有率は8割を超えるとあります。
この記事をスマートフォンでご覧になっている方も多くいらっしゃることでしょう。
手軽に持ち運べてどこでもインターネットを利用できるスマートフォンは、便利な情報通信機器ですよね。
近年は、スマートフォンのアプリを活用して空き家の調査や管理をおこなうこともできるようになりました。
そこで今回は、スマートフォンのアプリを活用して空き家の調査や管理に取り組んでいる事例をご紹介します。
ぜひ、参考までにご覧ください。
空き家アプリとは?調査や管理に便利
スマートフォンにはさまざまなサービスのアプリがありますが、空き家の調査や管理に便利なアプリもあることをご存じですか?
たとえば、空き家の実態を調査するアプリの場合。
専用のExcelにあらかじめ空き家の調査項目を設定し、アプリに調査票として配布すれば、調査員はスマートフォン1つで調査結果を簡単に入力することができます。
さらに、入力された項目を集計してアプリ上の地図やグラフに反映させれば、視覚的に空き家の分布状況や傾向を確認することができますよ。
また、自治体ごとに空き家数を比較するアプリもあります。
アプリでは総務省による「平成25年住宅・土地統計調査」の確報集計をもとに、全国の自治体の空き家数を棒グラフで比較することができます。
シンプルなデザインの棒グラフですが、視覚的に全国の自治体の空き家数を比較することができますよ。
操作も簡単で、最初に調べたい都道府県を複数選択してからデータ表示ボタンをクリックするだけです。
空き家を探している方には便利なアプリですね。
そのほか、NPO法人が空き家所有者向けに提供する空き家診断サービスのアプリもあります。
このアプリは、空き家所有者が空き家の処分を早めに進めた方が良いかどうかを診断するアプリで、空き家バンクへの登録を促進する目的で提供されています。
アプリに表示されるいくつかの質問に回答していく形で診断がおこなわれますよ。
たとえば、診断にあたっては以下のような質問をされます。
●空き家は3年以上空いている状態ですか?
●空き家は月1回以上管理していますか?
●家財道具は多い方ですか?
上記のような質問に「はい」か「いいえ」で答えていくと、最後にアドバイスが表示されます。
また、自治体への相談を希望の場合は、自治体と連絡が取れるような機能もついていますよ。
空き家アプリで調査ができる!川西市の事例
では実際に、スマートフォンのアプリを使って空き家をどのように調査しているのか、具体例も知りたいところでしょう。
全国の自治体で初めて空き家調査アプリを使って、市の空き家を調査している兵庫県川西市の事例をご紹介します。
空き家調査アプリ「空き家しらべーたー」
兵庫県川西市では、東京のIT企業と協働で開発した空き家調査アプリ「空き家しらべーたー」を使って市の空き家状況を調査しています。
空き家調査アプリでは、以下のような調査をおこなっています。
●空き家の劣化状況のチェック
●空き家の写真撮影
●位置情報の取得
これら空き家調査を、スマートフォン1つで簡単におこなうことができます。
また、調査した内容を川西市が管理するデータベースへダイレクトに送信することもできるため、集計作業も効率的におこなえると調査員から好評のアプリです。
さらに、文字も大きくて見やすく、操作も簡単で使いやすいと評判で、職員やプロの調査員でなくとも活用できるアプリとなっています。
空き家調査においては、変化に応じて常に空き家情報の更新をすることが大切です。
そこでこのような使いやすいアプリがあれば、調査もスムーズに進められるだけでなく、情報を最新のものに更新したり、所有者に対して適正管理を促したりすることができますね。
空き家調査アプリの活用状況とは
川西市では、令和3年度に空き家調査アプリの実証実験もおこなっています。
この実証実験は、柔軟な発想と優れた技術を持つスタートアップ企業と市職員が協働しておこなうもので、地域・社会課題の解決を目指すプロジェクトです。
プロジェクト名は「Urban Innovation KAWANISHI(アーバンイノベーション川西)」といい、令和2年12月から令和3年3月までの約4か月間にわたって実施されました。
この実証実験の結果、以下のことがわかったそうです。
●調査用具の削減に成功
●作業時間を短縮化
●高い操作性
空き家調査アプリを使うことで、調査のために持参する鉛筆や紙などの用具の削減を実現。
また、調査結果については、スマートフォンからデータベースに簡単に送信できるため、プロセスが省力化されて、作業時間を大幅に短縮化することに成功しました。
なんと、3日かかっていた空き家調査が約5分に短縮できたそうです。
さらに、実験参加者のアンケートでは「アプリの使いやすさ」について「良い」と回答した方の割合が88%と高評価でした。
このように、アプリを使うことで自治体の空き家調査が効率化されるのであれば、ほかの都道府県でも活用できそうですね。
空き家アプリで管理ができる!その方法とは?
最後に、スマートフォンのアプリを使って空き家管理ができる事例についてもご紹介いたします。
空き家管理サービスでアプリ活用
空き家管理サービスをおこなっている会社によっては、アプリを使って空き家の状況を報告するところがあります。
たとえば、空き家管理サービスでは月に1回ほど、管理する物件を訪れて建物内部や外部をチェックしますが、その際にタブレットで状況を写真撮影します。
そして、次の訪問時にも同じ角度で撮影し、異変がないかどうかを依頼主に報告します。
依頼主は、タブレットアプリで報告された内容をもとに空き家の状況を確認することができるのです。
ちなみに、空き家管理サービスでは、主に以下の箇所をチェックしてくれますよ。
●玄関周辺の確認
●通気・換気の確認
●水道電気メーターの確認
●草木の繁殖を報告
●水道管の確認
空き家管理ナビでも、所有する方に代わって管理業務をおこなう全国各地の不動産管理会社をご紹介していますので、ぜひご利用ください。
関連記事:空き家管理サービスってなに?サービスのメリットや費用相場などをご紹介!
空き家活用にもアプリが使える
空き家をレンタルスペースとして活用している方に向けて、スマートフォンで簡単に予約・管理ができるようにアプリを提供している会社もあります。
「スペースマーケット」というサイトでは、空き家所有者が物件を登録するだけで簡単に空き家を借主に貸すことができます。
また、空き家を借りたい方もアプリを使って簡単に物件を検索して予約することができるため、貸主も借主も便利なアプリです。
このようなアプリを開発したり利用したりすることで、空き家の新たな活用方法が見いだせますね。
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まとめ
近年は、スマートフォンのアプリを使って空き家を効率的に調査したり、診断したりすることができます。
川西市では空き家調査アプリを使って、調査用具の削減や作業時間の短縮化を実現しました。
空き家管理サービスおこなっている会社によっては、アプリを活用して依頼主に空き家の状況を報告しているところもあります。
ぜひ、この記事を参考にアプリを使用した空き家管理や活用をご検討ください。
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