空き家を改装して開いたパン屋さんが地域活性化に貢献?その事例とは?

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空き家を改装して開いたパン屋さんが地域活性化に貢献?その事例とは?

誰しもが一度は「朝食はパンかご飯か」というテーマで雑談をしたことがあるのではないでしょうか。
意外なことに、全国農業協同組合中央会が2014年に実施した「朝食に関する意識調査」によると、50%が朝食によく食べるものはパンと回答し、ごはんは39%との回答結果となっています。
このように日本ではパンを好む方が多いことがわかりますが、空き家をパン屋さんとして活用して地域活性化に貢献した事例があることをご存じでしょうか?
今回は、空き家活用にパン屋さんがおすすめの理由と事例、パン屋さんを開店する方法について解説します。

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空き家活用にパン屋がおすすめの理由とは?

近年は、高価格の食パンがブームになったり、有名人が個性的なパン屋さんを各地に展開したりなど、パンブームといわれています。
しかし、現在は職人の高齢化などの理由で閉店・廃業するパン屋さんが多く、とくに地方では需要が高い一方でパン屋さんが少ない現状にあります。
このような背景も含めて、空き家活用にパン屋さんがおすすめの理由は以下の3つです。

理由①狭い建物でも開店できる

空き家を活用して飲食店を開こうと思うと、飲食するスペースはそれなりの広さが必要となりますよね。
花屋さんや雑貨屋さんを開く場合でも、ある程度の陳列スペースが必要となるでしょう。
その点、パン屋さんであれば店頭にショーウインドーさえ設置すれば、店内が狭くても問題ありません。
パンを買いに来るお客さまは家に帰ってから食べることが多いため、店内に飲食スペースを設置しなくても売ることができるからです。
そのため、狭小の空き家など、一般的にお店を開くのに不利な建物でもパン屋さんであれば活用できるチャンスがあります。

理由②集客できる範囲が狭くても大丈夫

近所にパン屋さんがあると、焼きたてのパンを買いに通いたくなる方もいらっしゃるでしょう。
パン屋さんは、一般的に近所のファミリー層が買いに来ることが多いため、商圏が狭くても持続的に運営することができます。
とくに近年は、まちのパン屋さんが減っているといわれているため、パン屋さんがない地域で開店するとすぐに人気のお店となるでしょう。

理由③まちづくりにピッタリ

小学生に聞いた「将来就きたい職業」で毎年上位に位置するパン屋さんは、子どもに人気の職業です。
美味しいパン屋さんを地方に開店することで「将来そこで働きたい」という子どもがまちに残り、地方の過疎化に歯止めをかけることができる可能性があります。
また子どもだけでなく老若男女問わずパンが好きな方は多いため、パン屋さんが1軒あるだけで商店街が賑わうでしょう。
実際に、自治体が地域住民とのまちづくりプロジェクトの一環として、空き家を再生しパン屋さんをオープンした事例もありますよ。

空き家を活用してパン屋さんを開いた事例とは?

パン屋さんがおすすめの理由がわかったところで、実際に空き家を活用してパン屋さんを開いた事例も気になるところでしょう。
ご紹介する魅力的な事例は、以下の3つです。

事例①愛媛県の古民家を改装したパン屋さん

初めにご紹介する事例は、愛媛県伊予市双海町翠地区にある「ぱんや107」です。
元々東京に住んでいたオーナー夫婦は「いなか子育て体感ツアー」へ参加したのを機に、自然豊かな場所で子育てをしたいとの想いで愛媛県伊予市双海町への移住を決意しました。
そして、古民家の空き家を改装してパン屋さんをオープンしました。
パン屋さんをオープンしたのは、この地域にはパン屋さんがなく、地元住民からのパン屋さんを望む声を受けてのことです。
現在は、週末はすぐに売り切れるほどの大盛況で、地域外からもパンを買いに人々が訪れるほど人気のお店となっています。

事例②小田原市の史跡にある空き家を再生したパン屋さん

続いてご紹介する事例は、神奈川県小田原市の江之浦にある「麦焼処 麦踏(むぎやきどころ むぎふみ)」です。
「麦焼処 麦踏」は、豊臣秀吉が小田原討伐の際に家臣を慰労するために千利休に茶室を設けさせたとされる「天正庵」の跡地にあります。
その天正庵の跡地に建つ築70年の古き良き歴史が感じられる古民家を再生して、パン屋さんがオープンしました。
店内は和室となっており、縁側で自然の緑や歴史を感じながら焼きたてのパンを食べることができます。
地域の耕作放棄地を小麦畑に再生してパンの原料に使うなど、空き家再生だけでなく地域活性化にも貢献しているパン屋さんです。

事例③長野県の空き家を改修して開いたパン屋さん

最後にご紹介する事例は、長野県南佐久郡佐久穂町にある「Tummy Bakery(タミーベーカリー)」です。
元々富山県に住んでいたオーナー夫婦は、自然豊かな環境で子育てをしたいとの理由で長野県佐久穂町に移住。
「地域住民と交流ができて、かつ喜んでもらえるパン屋さんを開きたい」との想いで、約20年使われていなかった空き家を改修し「Tummy Bakery」をオープンしました。
地元食材を使ったオリジナルのパンを販売し、オープン初日には行列ができるほど、地元住民に愛されるパン屋さんです。
このように、空き家を再生するだけでなく、地域の方々にも喜ばれるパン屋さんを開業できるのは素晴らしいですね。

空き家を活用してパン屋さんを開くには?

空き家を活用してパン屋さんを開くには、どのような準備が必要か気になる方もいらっしゃるでしょう。
一般的に、パン屋さんを開くまでには以下の5つのステップが必要です。

ステップ①製パン技術の取得

パン屋さんを開くには、まずは美味しいパンが作れるようにならなければいけません。
製パン技術の取得については専門学校で身につける方もいれば、パン屋さんで一定期間働いて実務で技術を身につける方もいらっしゃいます。
本格的なパン職人になろうと思うと数年の修業が必要ですが、近年は趣味でパンをつくる方も増えています。
そのようなパン作りが好きな方を雇ってシフト制で運営するパン屋さんもありますよ。

ステップ②初期費用の準備

立地や規模にもよりますが、パン屋さんの開業にかかる初期費用の相場は1,000万円~2,000万円ほどとなります。
パンを焼くための製造機材や店舗の内装・外装工事などの費用、運転資金などで多額の費用がかかるのです。
しかし、店舗に関しては空き家を活用することで安く抑えることもできます。
また、自治体によっては移住者の起業支援として助成金を交付しているところもありますよ。

ステップ③お店のコンセプトやメニューを決める

パン屋さんの事業を成功させるには、コンセプトやメニューが重要となってきます。
地域に愛されるパン屋さんとなるには、前章でご紹介した事例のように、地元の食材を使用したり、地域住民の交流の場となるようなコンセプトにしたりなどの工夫が必要でしょう。

ステップ④物件探し

空き家を活用してパン屋さんを開店する場合は、空き家バンクを利用すると良いでしょう。
空き家バンクでは、その地域で売りに出されている空き家を効率的に検索することができます。
また、自治体によっては空き家バンクを通じて購入した空き家の改修費用を支援してくれるところもありますよ。

関連記事|空き家の探し方はほかの物件探しとは違う?探し方や購入の流れをご紹介

ステップ⑤開業に必要な手続き

パン屋さんを開業するためには、保健所への「営業許可申請」の手続きと「食品衛生責任者資格」が必要となります。
さらに、食パンや菓子パンの製造と販売をおこなうには「菓子製造許可」の手続きも必要です。
店内外に飲食できるスペースを設けたり、サンドイッチ等の調理パンを製造販売したりする場合は「飲食店営業許可」の手続きも必要ですよ。
そして税務署に「開業届」を提出し、確定申告をおこなうのも忘れないようにしましょう。

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まとめ

パン屋さんは、地方でニーズがあるうえに狭い建物でも開業することができます。
空き家を再生してパン屋さんを開業し、地域活性化に貢献した事例もいくつかあります。
ぜひ、この記事を参考に空き家の活用をご検討ください。
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