実家の相続や引っ越しなどで空き家を所有する方は、どのように活用すれば良いかと迷われるのではないでしょうか。
近年は空き家の増加に伴って、売却や賃貸物件としての活用だけでなく地域活性化にも役立つような空き家の利活用の取り組みが注目されています。
そこで、今回は民間事業者や学生団体が取り組むユニークな空き家活用の事例を3つご紹介します。
ぜひ、参考にご覧ください。
ユニークな空き家活用!お化け屋敷で地域活性化?
長年放置された空き家は荒廃し、見るからにお化けが出そうな雰囲気を醸し出していることもあるでしょう。
そこで、その雰囲気を活かして空き家をお化け屋敷へと生まれ変わらせた事例があります。
住宅街の空き家がお化け屋敷に
1つ目にご紹介する事例は、方南町お化け屋敷オバケンの「畏怖咽び家(いふむせびや)」です。
東京都杉並区方南町の住宅街にある空き家を、ホラーアトラクションのプロデュース集団「オバケン」がホラーテイストに改装したものです。
見事お化け屋敷へと生まれ変わった空き家は、テレビでも取り上げられ人気のアトラクションとなっています。
お化け屋敷のコンセプトもユニークで、室内を歩き回るだけでなくさまざまなミッションをクリアしていく体験型のアトラクションで、参加者は物語の主人公になった気分を味わえます。
2012年6月のオープンから2020年までで方南町へのお客様総動員数は5万人を超え、地域活性化にも貢献しています。
2020年には姉妹店の「凶遡 咽び家(きょうそむせびや)」もオープンし、大盛況です。
空き店舗を活用したお化け屋敷
続いてご紹介するのは、空き店舗を活用してお化け屋敷を開催した「Liminal Space The Horror Attraction」です。
アフターコロナに向けた空き店舗の活性化のために、2022年6月に期間限定で大阪・なんばの地下街モールにリミナルスペースを題材としたお化け屋敷がオープンしました。
ちなみに、リミナルスペースとは普段見慣れた場所なのに、誰もいない夜中に見るとなぜか不安に感じる場所のことを指します。
お化け屋敷を制作した企業は「ホラーで社会貢献」を掲げ、国内から海外までさまざまな休眠施設、廃墟物件となった空き家をホラーアトラクションとして再生させています。
普段通り過ぎるような街中にある空き家や空き店舗が、非日常を体験できるお化け屋敷に生まれ変わると思うとワクワクしますね。
そのほかにも「空き家 お化け屋敷」と検索すると、空き家や空きスペースをお化け屋敷へと変貌させるお化け屋敷の制作会社がいくつか出てきます。
空き家の利活用に悩んでいる方は、ぜひ夏のイベントとして検討してみてはいかがでしょうか。
ユニークな空き家活用!DIY体験サービス
続いてのユニークな空き家活用方法は、空き家のDIY体験サービスを提供する「solar crew(ソーラークルー)」です。
solar crewでは神奈川県を中心に、空き家をDIYするという体験をサービスとして会員向けに提供し、空き家再生とともに人と人とのつながりを生み出しています。
ちなみに、DIYとはDo It Yourselfの略称で、自分自身で何かを作ったり修繕したりすることを指します。
solar crewの会員になると、空き家をDIYでリノベーションする体験やリノベーション後の空き家を自由に活用することができます。
生まれ変わった空き家がつながる拠点に
solar crewの会員や地域住民が一丸となって空き家のDIYリノベーションをすることで、交流が生まれて親交が深まります。
また、再生した空き家は地域の拠点としてコミュニティスペースやコワーキングスペースとして活用しています。
地震などの自然災害時には、防災拠点としても機能します。
このように、元々空き家だった場所が地域交流の拠点となるだけでなく、避難場所として使えるのは素晴らしいですね。
ユニークなスペース「Yワイひろば」
solar crewのユニークな活動の1つとして「Yワイひろば」があります。
「Yワイひろば」は、神奈川県横浜市磯子区にある空き家をリノベーションしてつくられたコミュニティスペース兼シェアオフィスです。
1階は地域住民のコミュニティスペースとして無料で開放しており、会議スペースとしても活用できます。
2階はコワーキングスペースとして企業向けに貸し出しており、地域の事業者が入居可能となっています。
「Yワイひろば」には太陽光設備と防災シェルターも取り付けられており、災害時にも安心の活動拠点です。
このように、街中の空き家だった一戸建てが、さまざまな用途で利用できる地域の拠点へと生まれ変わるのはありがたいですね。
拠点を活用して地域の人口を増加へ
solar crewのサービスは、さまざまな場所から人が集まって一緒に空き家を再生することで、地域の過疎化を防ぐことも期待できます。
単に空き家を再生するだけでなく、再生した空き家が「みんなとDIYをした想い出の場所」となることで、その地域への愛着が生まれるからです。
空き家のDIY体験が、過疎化する街の人口流出を止めたり、移住者を増やしたりすることができるのであれば、ぜひ参考にしたいところですね。
ユニークな空き家活用!空き家が水族館に?
最後にご紹介するのは、空き家をまちなかの水族館として改修した事例です。
場所は、兵庫県淡路島の南西部に位置する福良という町です。
人口5,000人ほどの漁港のまちで、鳴門海峡のうずしお観光ができる魅力的な観光地です。
この福良の地域活性化のために、福良のまちづくり協議会と神戸大学工学部建築学科の学生団体が「プロジェクト福良」を立ち上げ、空き家を水族館へと生まれ変わらせました。
クラウドファンディングで資金調達
福良の道の駅うずしおには毎年多数の観光客が訪れますが、まちの中心部まで足を運ぶ観光客は少なく閑散としています。
そこで、神戸大学の学生団体が「魅力的なまち福良を地域の方と一緒にもっと盛り上げたい」との想いで、空き家を「まちなか水族館」へと再生させるプロジェクトをスタートしました。
空き家を改修工事するための費用はクラウドファンディングで支援を呼びかけ、目標金額を少し上回る金額を集めることに成功しました。
地域の住民と協力しながら空き家の改修工事をおこない、無事に空き家再生をすることができました。
まちなか水族館「ギョギョタウン」
再生した空き家は、現在まちなか水族館「ギョギョタウン」として入場無料で開放されています。
場所は福良商店街のなかにあり、道路沿いや室内にたくさんの水槽が並んでいます。
室内の奥には、水槽の中の魚をのんびりと眺めながらゆっくりと座れるスペースもあり、通常の水族館とは違って気軽に楽しめると人気です。
水槽には、魚の名前も書かれており、鱧やコバンザメ、マアジが飼育されています。
また今後は、駄菓子屋や学習スペース、福良で研究活動をする大学生が利用できるスペースを設けて、地域の活動拠点にすることも目指しているとあります。
このように空き家をまちなかの水族館にすることで新たな観光スポットとして、また地域交流の場所として活用するのはとてもユニークですね。
気になる方は、ぜひ一度足を運んでみてください。
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まとめ
今回は民間事業者や学生団体が取り組むユニークな空き家活用の事例を3つご紹介いたしました。
空き家は、お化け屋敷に改装することで地域を盛り上げるアトラクションへと再生することができます。
また、空き家のDIY体験をサービスとして提供する活用方法もあります。
古民家をリノベーションして水槽をたくさん並べれば、まちなかの水族館として活用することもできるでしょう。
ぜひご紹介したユニークな活用方法を参考に、空き家の利活用をご検討ください。
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