空き家を音楽スタジオとして活用したい!活用事例や注意点とは?

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空き家を音楽スタジオとして活用したい!活用事例や注意点とは?

SNSや動画配信サービスの普及により、趣味として始めた動画制作や音楽創作が職業になっている「個人クリエイター」が近年活躍していますね。
とくに音楽については、「音楽が趣味」と一口に言っても、音楽鑑賞や歌うこと、楽器を演奏することなど楽しみ方はさまざまです。
ところで、空き家と音楽にどのような関係があるのかと疑問を持つ方がいらっしゃるかもしれません。
実は、空き家の活用方法の一つとして「音楽スタジオにリフォームする」という事例が増えています。
そこで今回は、空き家を音楽スタジオにリフォームする場合の条件や活用事例、注意点をご紹介します。
空き家の管理でお悩みの方は、活用方法のアイデアとしてぜひご参考になさってください。

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空き家を音楽スタジオとして活用!求められる条件とは?

楽器の演奏を趣味にしている人は、平成28年時点で日本の人口のうちの10.9%と、平成23年調査時の9.6%よりも増えています。

出典|「平成28年社会生活基本調査結果」(総務省統計局)

しかし実際のところは楽器を演奏したくても、賃貸住宅では隣室との騒音トラブルの恐れがあったり、持ち家でも演奏する時間帯に配慮する必要があったりして、気軽に演奏できないことが多いでしょう。
そういった人は周囲を気にせずに楽器を演奏できる環境を求めているため、「音楽スタジオ」のニーズが高く、また、近所との距離がある空き家なら周囲に迷惑をかける可能性が低いため、楽器演奏との相性が良いと言えます。

音楽スタジオとは、一般的に、楽器を演奏できる設備がそろった部屋のことを言います。
主にバンドを組んでいるミュージシャンが利用する場所で、練習のために利用する「リハーサルスタジオ」と、録音のために利用する「レコーディングスタジオ」の2種類に分類されます。
また、近年はイベントやライブをインターネット上で配信する際も利用されています。

音楽スタジオは騒音対策が大切!

空き家を音楽スタジオへリフォームするにあたって一番に求められる条件は、やはり騒音対策でしょう。
とくに空き家の場所が住宅街にある場合は、しっかりと騒音対策をしないと、近隣住民とのトラブルに発展しかねません。
リフォームをする際は、壁に防音施工をしたり、窓を防音ガラスにしたりなどの対策をすると良いでしょう。
ちなみに、壁の防音リフォームの費用相場は20万円~40万円、遮音機能付きガラスの設置の費用相場は5万円~15万円ほどとなります。
もちろん、人里離れた田舎の一戸建てであれば、最低限の防音対策をおこなえば良いのでそれほど費用をかけなくても問題ないでしょう。

音楽スタジオには何が必要?

どのような音楽スタジオを運営するかにもよりますが、バンドを組んでいるミュージシャンが利用するスタジオの場合は、基本的に以下の設備を揃える必要があります。

●アンプ
●マイク
●スピーカー
●ミキサー
●ドラムセット


これらを用意しておくことで、利用者は持ち込む機材が少なくてすみます。
また、ギターやベースなどの楽器をレンタルできるようにしておくと、仕事帰りに手ぶらでスタジオを訪れても練習ができるため、利用者はより気軽に利用できるでしょう。
オーナーにとっても、レンタル機材を有料で貸し出すことで、部屋の利用料金だけでなく、レンタル料の収益も見込むことができるというメリットがあります。

空き家を音楽スタジオとして活用!活用事例とは?

続いては、実際に空き家を音楽スタジオとして活用した事例を3つご紹介します。

画期的な月額賃貸型の音楽スタジオ

長野県にある廃業した宿泊施設を、日本では画期的な「月額賃貸型」の音楽スタジオにリノベーションした事例があります。
一般的に日本の音楽スタジオは時間制で、使用した時間に応じて利用料金がかかります。
一方で、アメリカでは月額でスタジオを貸すことが主流となっており、初回の手続きを済ませれば、24時間いつでも出入り自由という便利なシステムをとっています。
アメリカの月額賃貸型のシステムをいち早く取り入れた、この長野県にある音楽スタジオは、街中ではないのどかな立地であるにもかかわらず利用者の多いスタジオです。
また、時間貸しもおこなっており、デジタルキーというパスワードをメールで受け取って入力することで解錠できるシステムを使って、自由に出入りができます。

空き家の納屋をDIYで音楽スタジオに

富山県氷見市には、古い木造住宅が多くあります。
木造の家は、空き家の状態が続いて通気をしなくなると、すぐに傷んでしまいます。
移住者が傷んだ木造の家に住むとなると、改修費用がかかり大変ですよね。
空き家を自らDIYをすることができれば、改修費用を抑えることができます。
そこで、地域おこし協力隊の方々が、空き家のDIYをして移住者を増やすために立ち上げた企画が「納屋から始まる音楽スタジオワークショップ」です。
この企画では、ともにDIYをする人を募集し、空き家の納屋を音楽スタジオにリノベーションしました。
リノベーションをした後は、音楽スタジオで「納屋フェス」を開催し、アコースティックライブをおこなうなど、イベント会場として有効活用されています。

うだつの町並みのなかにある空き家が音楽スタジオに

「うだつの町並み」とは、江戸時代中期から昭和初期にかけて建てられた商家が並ぶ、徳島県美馬市脇町の城下町の特徴です。
そのうだつの町に、東京から移住した男女2人組の音楽ユニットが、空き家を借りて音楽スタジオを開設しました。
音楽スタジオに改装されたのは築約90年の木造2階建ての空き家で、1階は農作物の販売場所として貸し出されています。
音楽スタジオの開設のきっかけは、音楽ユニットを組む2人に、美馬市の観光協会がマスコットキャラクターのPRソングの制作を依頼したことでした。
2人は月数回のライブを企画するなど、音楽スタジオが入るこの建物が観光客や地元住民に気軽に立ち寄ってもらえる憩いの場としても活用されるように、工夫をこらしています。

空き家を音楽スタジオとして活用!注意点とは?

空き家を音楽スタジオとして活用するためには、以下の3つに注意する必要があります。

必要な防音レベルを把握する

音楽スタジオを開設するとなると、前述のとおり騒音対策を講じることが大切です。
空き家の立地や建物の構造、近隣との距離間やどのようなスタジオを開設するかによって、必要な防音レベルが異なります。
どのように改装するかで改修工事にかかる費用も大きく変わるため、まずは満たすべき防音レベルを調べましょう。
楽器ごとの騒音レベルの目安は、下記のとおりです。

●ドラム:110~120デシベル
●ピアノ:90~100デシベル
●ボーカル:100デシベル


ちなみに、日常の人の会話は55デシベル前後です。
防音レベルは、バンドの演奏をするスタジオであれば70デシベルをカットできること、レコーディングスタジオであれば75デシベルをカットできることが目安です。

音の反響にも気を付ける

音楽スタジオを作る際は、防音だけでなく、音の反響にも気を配る必要があります。
音が漏れないようにしっかりと防音対策をしたとしても、室内の音が大きく反響していては、楽器の音やマイクの音が聞き取りにくくなってしまいます。
音の反響を防ぐには、壁の形状やスピーカーの位置を工夫する必要があります。
たとえば、壁に吸音材を設置したり、壁に凹凸を設けて音の反射方向を分散させ、反響を抑えたりするなどの工夫が挙げられます。
また、スピーカーは壁から離したり、しっかり固定した台に置いて高さを合わせるなど、適切な位置にスピーカーをセッティングすることで、反響音を抑えることができますよ。

室内の快適性

防音性を向上させようと思うと、音漏れを防ぐために隙間を塞いだり、扉や窓も気密性の高いものを使うことが多くなります。
そうなると断熱性が上がり、部屋の温度が高くなってしまいがちですが、音漏れに配慮すると換気はしづらくなってしまいます。
そのため、音漏れを防ぎながらも快適な空間になるように、空調設備を慎重に選ぶことが重要です。
快適性を下げずに防音対策をするには、たとえば、防音機能に優れた専用の換気設備を取り付けたり、防音ガラスや防音サッシを用いたりすることなどが挙げられます。

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まとめ

今回は、空き家の活用方法の一つとして、音楽スタジオにリフォームする場合の条件や活用事例、注意点をご紹介しました。
空き家を音楽スタジオにリフォームするには、騒音対策を講じることや必要最低限の設備を用意することが条件となります。
実際に、空き家を音楽スタジオにリフォームした事例では、地域活性化にも役立っています。
音楽スタジオにするうえでの注意点は、防音レベルや音の反響、室内の快適性です。
空き家の活用方法にお悩みの方は、この記事を参考に、趣味と空き家をかけ合わせた空き家の活用方法を検討してみてはいかがでしょうか。
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