2024年から相続登記が義務化される?法改正の経緯や影響について解説|空き家の管理会社を探すなら安心の全国サイト

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相続により不動産の所有者が変わった際の名義変更手続きを「相続登記」と呼びます。

これまで相続登記は任意とされてきましたが、2021年に可決された改正法案により2024年を目途にこれを義務化することが決定されました。
この法改正の背景には、所有者が変わるごとに相続登記がなされなかったために、増加している「所有者不明土地」の問題があります。

この法案が施行されれば、相続登記を怠った場合、過料などのペナルティが科されることになります。
また、法案施行前から適切な登記がなされずに、放置されている土地も相続登記義務化の対象となります。

現在、相続した際に登記をしていない土地を所有している場合には、早めの対処が重要となります。

そこで今回の記事では、2024年を目途におこなわれる相続登記制度の義務化について解説します。

01相続登記が義務化される背景とは?所有者不明土地の増加

はじめに、相続登記が義務化されるに至った経緯からご説明していきましょう。

すでに述べたとおり、現在、相続登記を義務とする法律は存在しません。
このために現在の日本で増加しているのが、実質上相続されているにもかかわらず、適切な登記がなされなかったために、所有者がわからない、もしくは所有者の氏名がわかっても連絡が取れず確認できない土地です。

これは、元の土地の所有者から世代を経るにしたがって、その子孫が増えていった結果、一つの土地に対して多くの相続人が存在してしまうために起こる問題です。

相続のたびに適切な登記がおこなわれなかったために、その所在が分からなくなってしまうのです。
さらに、所有者が判明している土地でも、相続人の土地の所有分が不明瞭となっている場合もあります。

現在、国内のこのような土地は410万ha以上となっており、九州の面積を超えるほどの規模となっています。
さらに、2040年にはこうした土地が720万haにも上ることが予測されています。
これらの土地は所有者が不明であったり、所有者がわかっても連絡が取れない、明確な土地の区分も分からないといった状況ですから、活用されていないにもかかわらず、民間での土地の有効活用や、国や自治体による活用、防災対策のための工事などの妨げとなっているのです。

こうした状況への対策として、今回国が講じたのが「相続登記の義務化」で、2021年4月に「相続登記を義務化する」改正法案が可決され、2024年を目途に施行されることが決定しました。
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02相続登記の義務化で何が変わる?法改正のポイントとその影響は?

ここまでは、相続登記の義務化に至った背景について解説してきました。
今回の法改正での改正のポイントは、大きく分けて4点あります。

ここからは、ポイントごとの改正の内容とその影響について見ていきましょう。



相続登記の義務化に伴い、その期限と期限超過の罰則を制定

今回の法改正の中心となる相続登記の義務化ですが、義務化に伴い、その期限と期限超過の罰金が定められました。

具体的には、相続登記の申請は、相続により不動産を取得したことを認識した時点から3年以内にすることが定められ、この期限を超えて申請がなされなければ、10万円以下の過料が科される可能性があります。
相続した時点から3年以内に遺産分割協議が完了していない場合は、法定相続分を相続登記した上で、相続人である旨を法務局に伝えておけば、一時的に過料は免除されます。

ただしこの場合、遺産分割協議が完了した時点で、直ちに相続登記をおこなう必要があります。
また、現行の法律では相続登記は相続人全員でおこなう必要がありましたが、今回の法改正では単独申請が認められています。



土地所有者の氏名や住所の変更に応じた変更登記の義務化、罰則の制定

すでに触れたとおり、相続登記がきちんとなされているにもかかわらず、その後氏名や住所が変更された際に届け出がなかったために、所有者不明土地が生じるケースがあります。
こうした事態を避けるため、今回の法改正では、土地所有者の氏名・住所の変更登記も併せて義務化され、期限と過料の徴収が定められています。

具体的には、変更登記の期限は、氏名や住所に変更があった日より2年以内とされ、これを超過した場合には、5万円以下の過料が科されます。



土地の所有者の個人情報を法務局に提供する仕組みを制定

また、土地所有者を把握しているにもかかわらず、氏名や住所の変更により、実際の本人の所在が不明になってしまうことを避けるために、今回の改正では、土地の所有者の情報を法務局に提供する仕組みが設けられます。

土地の所有者が個人である場合、不動産登記するにあたって生年月日などを届け出ます。
所有者が法人の場合には、住民基本台帳ネットワークシステム上で所有者の氏名・住所変更があれば、それが法務局に通知され、法務局が変更登記をできるようになります。



土地の所有権を放棄する制度の制定

さらに、今回の改正では、土地の所有権放棄が認められたことも大きな改正ポイントです。

従来の法律では、相続放棄する際は、相続する財産すべての相続権を放棄しなければなりませんでした。

つまり、土地を相続したくないけれど他の財産は相続したいという場合でも、土地だけについて相続を放棄することは認められていなかったのです。
しかし、今回の法改正では土地の所有権放棄を認めていますので、土地だけを手放し、他の財産は取得することができるようになります。
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03相続登記の義務化で必須となる!相続登記の申請方法をご紹介

最後に、相続登記の手続き方法についてご説明しましょう。

相続登記の手続きの大まかな流れは、以下の通りになります。


相続登記する不動産についての情報収集

固定資産税納税通知書、登記済権利証、登記簿謄本などをもとに、不動産や所有者の情報を確認します。



戸籍関係書類取得

相続登記の方法に応じて必要な、相続人および被相続人の戸籍謄本を取得します。



固定資産税の評価証明書を取得

相続登記申請に必要な登録免許税額の計算のために、不動産のある市区町村役場か税事務所にて、相続登記申請をする年度の固定資産の価格を記載した固定資産評価証明書を取得します。



相続登記に必要な書類を作成

相続人・被相続人の戸籍関係書類や、相続関係説明図、不動産の固定資産評価証明書または納税通知書、さらに必要に応じて遺産分割協議書や公正証書遺言などの必要書類を準備し、既定の順番で組み上げます。

また、戸籍関係以外の書類は既定の方法でコピーを作り、原本と合わせて法務局に提出することで、原本を返却してもらうことができます。



法務局への登記申請

登記申請の方法は、窓口に持参、郵送、オンラインの3つの選択肢があります。

窓口での申請では、法務局の窓口に登記申請書と必要書類を持参して提出し、その場で費用の支払いを済ませます。
提出前に不明点などを確認してから提出できますし、書類の不備を指摘してくれることもあるため、不動産が遠方にある、平日に時間が取れないなどの事情がなければ、おすすめの方法です。

一方、法務局が開局している平日の昼間に時間をとれない方や、不動産が遠方にある方は、郵送による登記申請をおこなうことができます。
登記申請書および必要書類を、不動産のある地域の法務局に郵送します、

また、場所や時間に関係なく登記申請できる方法として、オンラインを通じた申請もあります。
ただし、この方法は電子証明書の取得やパソコンの設定などが必要となるため、司法書士や弁護士などでない一般の方がこの方法で登記申請するのは、少しハードルが高く感じられるかもしれません。



完了確認

法務局への登記申請が終われば、登記の完了を待ちます。

書類に不備があれば、1~2週間程度で法務局からその旨の知らせがきますが、不備がなければ完了予定日まで連絡はありません。
窓口か郵送にて完了書類を受け取り、登記識別情報通知書、登記完了証、原本還付請求をした書類があること、不動産の名義の変更を確認しましょう。

登記識別情報通知書は権利証ともなるものですので、きちんと保管することをおすすめします。


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04まとめ

今回の記事では、2024年を目途に施行される相続登記の義務化について解説しました。

この法改正により、土地の所有者が変わったにも関わらず相続登記をせずに放置してしまうと、過料を科せられることになります。
また、社会的な視点で考えれば、土地の有効活用やインフラ整備などに悪影響を及ぼすことにもなりかねません。

現在、相続登記をしていない土地を所有している方は、早めに対処しておくことをおすすめします。


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